競走馬の兄弟姉妹
競走馬の兄弟姉妹は母馬が同じ場合にのみ言われます。
種牡馬は人気があれば百頭を超える種付けをしますが、繁殖牝馬は年に一回限りですから合理的とも言えます。
また生物と共生関係にあるミトコンドリアは母体を通じてしか遺伝しませんから、種牡馬よりも牝馬の血筋を重く見る向きもあるようです。
特に競走馬の能力を決定付けるのが両親と共に、母父とされるブルードメアサイアーです。
ブルードメアサイアーとして優秀な種牡馬が、ノーザンテイストとサンデーサイレンスです。
ノーザンテイストが母父になっている競走馬は多いですので、『ウマ娘』に登場する競走馬に絞って紹介しますと、
・エアグルーヴ
・サクラバクシンオー
・ダイワスカーレット
・トーセンジョーダン
が該当します。
ノーザンテイストが母父で、サンデーサイレンスが父馬の場合は「デュランダル」のような短距離の活躍馬しか出ず、クラシックでの勝利は一勝のみだったようです。
ノーザンテイストの時代が終わると、サンデーサイレンスの時代になります。
サンデーサイレンスが母の父になると「ミスタープロスペクター」系と相性が良いようです。
桜花賞とNHKマイルカップの優勝馬「ラインクラフト」
宝塚記念とジャパンカップの優勝馬「アドマイヤムーン」
ダートで活躍した「ヴァーミリアン」
菊花賞馬「ソングオブウインド」
ジャパンカップ優勝馬「ローズキングダム」
スプリンターズステークスを連覇した「レッドファルクス」
皐月賞と日本ダービーの二冠馬「デュラメンテ」
牝馬三冠を達成した「アーモンドアイ」
「ミスタープロスペクター」系のキングマンボからのエルコンドルパサー、キングカメハメハに連なる産駒です。
そして現状、サンデーサイレンスの次にブルードメアサイアーとなっているのが「キングカメハメハ」です。
私見ですが、キングカメハメハ系統の種牡馬が増えれば、交配の可能性が増えて良い影響になるでしょう。
一時期注目を集めた交配が、ステイゴールドを父として、母の父がメジロマックイーンになる交配です。
グランプリホースの「ドリームジャーニー」の成功を皮切りに、全弟で三冠馬の「オルフェーヴル」、二冠馬の「ゴールドシップ」などが有名ですね。
母馬を基準に兄弟姉妹が決まりますので、父馬が違えば半兄弟姉妹、父母が同じであれば全兄弟姉妹と表現されます。
兄より優れた弟がいるのが競走馬の世界ですが、繁殖入りすると評価が逆転する場合もあります。
強い競走馬の仔が必ずしも強い競走馬になるとは限らず、同じ血統でも適性が違うのも当たり前だったりします。
例えば三冠馬のディープインパクトには、全兄のブラックタイドと全弟のオンファイア、半姉のレディブロンド、半弟のニュービギニングがいますが、レディブロンドが短距離、ブラックタイドは中距離適性で22戦3勝、オンファイアはマイルで3戦1勝、ニュービギニングは39戦3勝といった成績です。
ブラックタイドの仔がキタサンブラックで、ディープインパクトの仔がサトノダイヤモンド、両馬は有馬記念に出走して一勝一敗の互角の競走をしていますが、産駒全体の成績でもディープインパクトが抜きん出ています。
血統としては全く同じはずですが、これだけ成績が違うと首を傾げてしまいますね。
血統だけではない、何かがあるのでしょう。




