第八話 主要国としての意地
『こちら第三戦車中隊!前方に未確認の戦車を視認!現在交戦、、何っ!隣にも、、うわぁーーっ!』
「シェルナー閣下、各戦車大隊から微量ならぬ損害を受けているとの報告です…」
「まさか遥か後方に第2の防衛ラインが既に構築されていたとはな…」
初め、E-50による電撃戦はかのベルギー・オランダ侵攻を思い出させるかの如き速さで進軍していったのだが、アメリカ軍は予想を超える速度で防衛ラインを再構築し、帝国への反撃を徐々に開始していたのだった…
「くそっ!こちらは生産数がまだ少ない、なのに奴らときたら平然と数百両は送り込んで来やがる!」
「閣下、どうされますか?」
「・・・空軍…」
「はい?」
「確か最近空軍に最新の戦略爆撃機を受領した飛行隊があったな」
「え?いえ、、存じ上げませんが…」
「とにかくその飛行隊が存在するか、そしてその飛行隊を前線に投入出来るか調べろ!大至急だ!」
「ハッ!ハイル・ヒトラー!」
確かに帝国には少数ながらも最新鋭の戦略爆撃機を受領している飛行隊は存在し、搭乗者はそこそこの練度を誇っていた
〜首相官邸〜
「ほう?それでその飛行隊をどうする気かね?」
「作戦の詳細は追って送り届けます、ひとまずその飛行隊を私に任せて貰えませんか?」
「ふむ、、良いだろう、許可する」
「ありがとうございます!」
「だが失敗した時は分かっているな?シェルナー君」
「勿論であります!」
「よろしい、ではその飛行隊を自由に使い給え」
「承知しました!ハイル・ヒトラー!」
そうして二日後、シェルナーから私宛に作戦の詳細が書かれた書が届いた
(ふむ、、空爆で敵の防衛ラインを一部分のみ破壊してそこから戦車を投入、回り込み敵軍を包囲殲滅か…)
絵に書いた様な作戦だが、こういった単純な作戦でもハマってしまうのが戦争である
「確か現在のアメリカ大統領は確か、、リンドンだったな」
「はい、その通りですが…」
「今から奴の絶望する顔が楽しみだ」
そうして更に二日後、米軍に対して突破作戦が発動したのだった…