第五話 遂に…
1953年7月16日から始まったアルゼンチンによる南米統一戦争は旧ドイツから避難させた科学者達からもたらされた技術力に物を言わせ、圧倒的な武力によって南米は遂にアルゼンチンの物になろうとしていた…
「総統閣下、遂に残るはボリビア等の今のアルゼンチンの足元にも及ばない国家ばかりとなりました」
「うむ、損害も少なからずあったが、我らはその犠牲を乗り越えようとしておる」
「そして南米がアルゼンチンによって統一されたその暁には…」
「この地を新たなドイツとして建国し、かの連合国共に復讐する、その計画達成の為にもこの統一戦争は何が何でも勝たなければならなかったが…」
「今や我らの勝利は目前であります!」
「そうだ!さっさと残りの南米国家を抹殺しなければならん!」
そう会話していると部屋のドアが開き、連絡員の兵士がやってくる
「報告します!全軍配置につきました、何時でも侵攻可能です!」
(遂に我が復讐の序章が終わり、また新たな章に突入しようとしている…)
そう思いながら私は言い放つ
「全軍に通達、直ちに侵攻を開始しろ」
〜1954年4月14日午前10時 ボリビアへ宣戦布告〜
その命令は迅速かつ速やかに全軍に行き渡り、国境では敵防衛線に対して自走砲による射撃が行われ、放たれた弾の中には毒ガスを内蔵した砲弾もあった
(ふふふふっ、この構図は二次大戦初期のポーランド侵攻を思い出すな…)
〜前線〜
「こちら第一戦車小隊!敵塹壕部突破!」
「第一戦車小隊はそのまま進撃せよ、第一戦車中隊は予定地点まで到達後、指示を待て」
「了解!」
前線ではE-50戦車が大いに活躍し、連合国からアルゼンチンに対する抑止力として一年前のチリ侵攻時にレンドリースされたシャーマン戦車等をいとも容易く撃破していた
バァン! ドカーン! 戦車の主砲発射音、自走砲からの砲弾の着弾音等で周囲は地獄の様相を呈し、地面には何処を見ても一体は必ず死体がある
「突撃ー!」
そんな中で両軍共に正に生死をかけた戦いをし、約2ヶ月程してボリビア政府が降伏し、アルゼンチンは南米を統一したのだった…
〜1ヶ月後〜
「アルゼンチン国民諸君!諸君らの活躍により南米はアルゼンチンの元で統一された!」
私はアルゼンチン首都ブエノスアイレスで演説を行っていた
「そして今!アルゼンチンは新たな第一歩を踏み出す!」
「「わぁぁぁぁぁ!」」
私が一文一文話すたびに歓声が巻き起こる
「1954年5月24日、アルゼンチンは国名をドイツ第四帝国へと生まれ変わる!」
「「わぁぁぁぁぁぁぁ!」」
「そしてここブエノスアイレスはニューベルリンと改名し、いずれ世界の国の首都、世界の首都となるのだ!」
「「「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」」」
そして民衆の興奮が最高潮に達した時に私は自身の事について公表する
「そして私はアドルフ,ヒトラーである!かつてのドイツ第三帝国の総統であり、世界の王である!」
この演説は世界中に生配信され、各国の上層部ではあのアドルフ・ヒトラーが生存していたとして混乱を極めたのだった…
昨日はシステムから不意打ちの攻撃を貰い、小説が書けませんでした…