第四話 南米統一に向けて
チリ等に攻撃を開始してから半年が過ぎ、アルゼンチンは着実に国力を増大していた
「総統閣下、アルゼンチンの工業化推進計画は順調に進んでおります」
「ほう、それではこの地で祖国にも引けをとらない機甲師団の生産も可能になるのかね?」
「もちろんで御座います、あと1年程すれば量産体制が整う手筈です」
「いや、駄目だ」
「駄目とは?」
「一年では遅すぎる、最低でもあと半年でやりたまえ」
「ですが総統閣下、あと半年でとなると計画の順序に支障が…」
「それがどうしたというのだ?」(計画など空想に過ぎない、やり遂げてから初めてそれが計画と言えるのだ)
「・・・承知しました、必ずや…」
「あぁ、吉報を期待しているよ」
「ハイル・ヒトラー!」ガチャン!
(ここ南米はかの資本主義者共の根城、アメリカに最も近い場所だ、そしてかの国がアルゼンチンに攻め入れば敗北は必死、それに備えてもっと強力な軍隊が必要だ、なのに彼らときたら…)
そう思いながら私はレコーダーから流れる祖国の音楽を聞きながら椅子に腰をかける
「・・残るはブラジル、ベネズエラ、、、まだまだ道のりは長い…」
〜半年後〜
あれから半年が過ぎ、アルゼンチンはブラジルに戦線布告、既に国境付近では大きな衝突は無いものの多少の戦闘は発生していた
「総統閣下、アルゼンチン海軍及び特殊上陸部隊の準備が完了いたしました、総統閣下のご命令次第で何時でも出撃できます」
「分かった、それで例のアレは?」
「ハッ、そちらの方も試験は順調に進んでおります、数週間後には最終検査がございます」
「うむ、なるべく早くにしたまえ」
「ハイル・ヒトラー!」
〜1週間と3日後〜
ガラガラガラガラッ!! 私の目の前を重厚な威圧感を持った物が走る
「如何ですか総統閣下、これがE-50です」
「素晴らしい、この戦車が戦場に現れた時、奴らはただ皆等しく怯えて逃げ惑うだけだろう」
「もちろんで御座います総統閣下、それでこの戦車の名は…」
「うむ、、この戦車はドラフゥンと名付けよう」
「おぉ、龍でありますか」
「そうだ、この戦車は龍のように威圧感を持ち、龍が軽く獲物を屠るかの如く敵を粉砕してくれるだろう」
「総統閣下が仰るのであれば、間違いありません」
「それでは早速この戦車の量産したまえ」
「ハッ!既に前もってある程度の数は揃えてあります」
「ほう、随分気が利く事をしてくれるじゃないか」
「総統閣下にお褒め頂き、恐縮の極み…」
そうしてこの戦車は王虎ならぬ龍王として連合国に知られるのであった…
〜2週間後〜
「総統閣下!吉報です!」
「何かね?」
「つい先程ブラジルが降伏したとのことです」
「おぉ、さすがはシェルナー君が鍛え上げた軍隊だ、僅か数週間で南米1の大きさを誇るブラジルを制圧してしまうとはな」
「これでより一層国力が増大しますね」
「あぁ、そろそろ連合国共にも目を付けられる頃合いだが、、動きはあるか?」
「いえ、諜報員からは何も…」
「そうか、引き続き連合国共の動向を探っておけ」
「ハッ!」
(それにしても、大きなものは下にいる小さな物には気付かず、ただ同じ大きさの物ばかりに気を取られて小さい物の動きに気づかないとはな)
そう思う私なのだった…
何故この小説が評価されるのか理解出来ない今日この頃です