欲しい言葉【キングサリside】
第二王子キングサリ視点です。
ころころ視点が変わってすみません>_<
大量の資料に囲まれて、俺とカルミアは眠い目を擦りながら机に向かっていた。この数日、二人で執務室へ籠り、セザール国の数字の流れやらなんやら片っ端から調べている。こんな事が何になるのか。そして、俺はなぜ協力しているんだ。
俺は、チラリとカルミアを見る。カルミアはあの日、あの舞踏会の日から気が狂ったように資料を読みあさっていた。一緒にいると嫌でもわかる、この男の賢さと、視野の広さ。昔の俺がカルミアを嫌いだったのとは違う方面で嫌いになりそうだ。
「キングサリ。見てくれ。」
俺はガサガサと差し出される資料を見る。するとそこにはある村との取引の記録が書かれていた。これが、なんだと?
「この時期と比べて今の時期急に何人もの役人が辞めている。」
見ると、貿易や伝令などの担当がここ数ヶ月で急激に入れ替わっていた。
「なんでですかね?人の出入りが多かったのかな。」
「いや、もしかしたら何かしらの理由で急に首を切られたとかそう言うことがあるのかもしれん。」
「はぁ?憶測でしょ?」
俺がバカらしいと一周すると、そこの名簿に書いてある変わった担当の名前を調べ始める。
「新しい担当者に、共通点は………」
数日前からこんな事ばかりだ。あれ!?と声を上げて調べ始め、結局何でもない。全くそろそろ本当に寝ないと俺の方が大変なことになりそうだ。俺は、眠い目を擦りながら一眠りしようと机に突っ伏し目を閉じる。
気持ち良くウトウトしてくる。セレナは今なにをしているだろうか。不自由なことや怪我はしてないだろうか。あの舞踏会以来会ってない。セレナに会いたい………
「これだ!」
カルミアの叫び声で飛び起きる。
「一体なんだよ!!」
俺は気持ちよく眠りにつけそうなタイミングで起こされたことにイライラして思わず怒鳴りつけてしまう。
「やっと見つけた。」
初めて見るキラキラしたカルミアの顔。少し不気味に感じながらも、目の前に出される書類をよくよく見る。するとそこには、新しく採用された物の共通点が書いてあった。
「こ、これって。たまたまってことはないですよね?」
「この国では珍しいからな。たまたまと言うことは、考えにくいだろう。」
ニヤリとカルミアの口角が上がる。
「つまり、森林国境に、何かある。」
こんなの、普通見つかるわけがない。膨大な量の国の全ての資料を片っ端から持ってきて、数字や人の流れそんなものまでに目を通すと言ってきたとき、俺は正直気が狂っているのかと思った。実際調べている間は狂っていたし、まともな人間にできる芸当では無い。やっても無駄になるかもしれない作業にもかかわらず黙々とやり、さらには手掛かりまで見つけてきた。なんなのだ、この男は。一体、なんなのだ。
「キングサリ、お前のお陰だ。ありがとう。」
カルミアは俺の手をとり、笑いかけてくる。いつもコイツは余裕で俺だけがずっと焦っている。なんでなんだ。なんでこいつには勝てない。だから俺は、お前が……………
「いえ。別に。」
俺は、部屋を退室しようとすると、呼び止められる。
「数年前、お前のところにいたドミニクという護衛を覚えているか?」
俺は頭の記憶を遡るが全く出てこない。
「二年前以降の従者の名前はあまり覚えていなくて。」
こう言う時に以前の自分に腹が立つ。どれだけの人間を踏んできたのだろうと思い知る。今では商店街でよく話す店の主人やアイシュなど、しっかりと覚えられるのに、あの時はなぜ覚えられなかったのか。きっと全てを拒絶していたからだろう。ずっと俺を受け入れてくれる人などいないと思っていた。だからだろう。
「あー。今、そいつは俺のところにいてな。随分お前の事を心配していたんだ。だから。」
カルミアはポリポリと頭を掻く。
「お前が今こうして笑って、考えて、生きている事が、本当に良かった。って。まぁ、それを伝えたかっただけだ。」
心臓が、痛い。俺は、ずっと、俺を気にかけてくれる人や心配してくれる人なんて居ないと思っていた。どこかで自分にはそんな価値のない人間だとずっと思い込んでいたんだ。もう、顔も思い出せないのに、名前すら初めて聞くようなモノだったのに。
「なんか…….似てますね。」
「は?」
カルミアはセレナに似ている。そんな気がする。側から見ればタイプは全然違うが、何故か欲しい時に欲しい言葉をくれる。悔しい事に。何故だろうな。
「でも、セレナは譲りませんから。」
スタスタと部屋を出るが、後ろで黒いオーラを感じる。あー。これだから、こいつは、嫌なんだ。腹の中が黒すぎる。でも、こう言う所も割とセレナと似ているかもしれない。アイツも腹黒とまでは行かないが、割と食えないタイプだ。だからこそなかなか俺に落ちてくれない。真っ直ぐな中にある打算的な頭の良さ。こういう奴はセレナの所為で嫌いではなくなってしまっているのだ。
「それは、こっちのセリフだ。」
カルミアの低い声。
はぁ。なんで俺ってわざわざ茨の道を進むのだろうか。こんな怖い人を敵に回すなんて。昔の俺がこの人に何も考えず喧嘩を売っていた事実を今考えると、震え上がるよ。
俺は、後ろから刺されないようにとそそくさ部屋を後にした。
ドミニクは、現在のカルミア付き護衛です。セレナのロイ的な位置にいます。とても優秀であっけらかんとしてる人です。基本的にずっとそばにいますが空気になってカルミアを見守っています。今後も登場すると思うので、どうぞよろしくお願いします!
やっぱり…キャラ増やしすぎて混乱されてないかすごく不安です笑
後書きなどを利用しながらわかりやすく気持ちよく読んでいだだけるよう頑張ります笑
森林国境のストーリーを練りすぎて全て伏線回収できるか心配なおにくでした。
私もそろそろ自粛解除という事で1日一本が難しい日も出てくるかもしれませんがご了承下さい。
なんとか毎日頑張ります! おにく




