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植物園視察⑤

「おおお!!派手にやったねぇ!!一体どんなご令嬢だい?!」


ボロボロになったかわいそうな扉をヨッと踏みながら白い白衣の男??の人が割と騒ぎながら入ってきた。この方が医者?なのかな?


「殿下殿〜〜〜。こんな所で密会とはやりますなぁ!!私も青春にかえりたいなぁ!!」


ゲホッゲホッと、カルミア様が大きくむせてこの医者を睨む。


「お、お前はっ…ゲホッ………思ってもないことを言うな。断じて…違う。」


そんなカルミア様を見てゲラゲラ笑い、ヒーヒー言っている。この方が、医者??


私が怪訝な顔をしていると首がグルリとこちらを向いた。


「ご紹介が遅れました。姫君。(わたくし)、バンと申します。前にも後ろにも、何もつきません。ただのバンです。」


「あ、はぁ。えと、セレナ・ディ・スカルスガルドです。」


キャラが強すぎてなにも言えない。真白の綺麗なストレートの長い髪を後ろでまとめている、個性的な髪型で、すごいすごい美形だけど、一応私の記憶上ゲームの登場人物にはいなかったはず。肌も髪の色も全て真っ白。なんか、なんだか、すごくすごく、


「綺麗。」


あっ。今口に出てた。パッと口を押さえると、ロイもバン様も、カルミア様もみんな私もびっくりした顔で見ていた。


「な!!!なんと!!!なんて素晴らしいご令嬢なのでしょう!殿下殿婚約解消のご予定は?」


んな!!!


「ダメです!!!」


無意識にまたもや口から出てしまっていた。

やってしまった。


カーッと顔に熱が集まる。顔があげられない。


「殿下殿〜ふられてしまいましたぁ。っておやおやぁ?その顔はぁ?どうされたのですかぁ?」


えっ?どんな顔だろうと私が顔を上げると、その瞬間にベットに潜り込んでしまった。見たことないような表情ならちょっと見てみたかったのに。


「んもー、すーぐ拗ねますね!本当に!拗ね拗ね殿下殿とおよびしますよぉ?!」


「ぜっったいに…やめろ……というか、早く診たら…行け。」


かしこまりましたぁ〜と殿下の身体を見ようと寝具を脱がせようとしたので、私は席を立った。


「では、私はお暇させていただきますね。本当にいきなり押しかけて失礼しました。約一年ぶりでしたのに、沢山の無礼を……お許しください。」


肌を露出するのに異性がいるのはよろしくないかなと支度を始めると、カルミア様はゆっくりと身体を起き上がらせた。


「セレナ……今日は本当にありが……とう。助かった。体が戻ったら文…を出す。気が向いたら返…事をくれると…嬉しい。」


私はすごくすごく嬉しい気持ちになった。どうしよう。私ばっかり嬉しい気持ちになっている。


「はいっ。必ず。待ってます。」


私は笑顔で部屋を出た。


私の覚悟も、カルミア様との関係も一歩前進したような気がする。


思ったよりも植物園編が長くなりました。さらっと書くつもりだったのだけれど。

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