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我地藍歌 詩集

恋の囚われ

 僕が好きになったのは

 額縁にいる長い髪の彼女


 きっかけはいつだっただろうか


 僕には好きな人がいた

 放課後は良く公園で鬼ごっこをした

 優しい笑顔のお姉さんだった

 僕はその人の横顔に

 瞬間見せる麗貌に

 こころからだは奪われた


 僕たちは約束をした

 『大きくなったら結婚式をしよう』

 他愛も無い子供の口約束

 少なくとも僕は

 多分僕だけは本気だった

 二人で笑った


 全部過去の話だ

 約束をした彼女は消えてしまったんだ


 互いに歳をとり

 気づいたのだろう

 僕だってそういう知識も増えたし

 そういう対象として見ていた

 それに気づいたときか

 行動はしたが勇気はなかった

 あのとき僕が動いていたら

 今もまだ心に深く刺さっている手紙

 書きかけの便箋が残っている引き出し

 今の僕では手さえ届かない本当に遠くへ

 彼女は遠くへ消えてしまった


 全部過去の話だ

 明日には忘れていて

 新たな恋を見つけるかもしれない

 好かれるという快楽に身を委ね

 メトロノームのように揺れるかもしれない

 嫌われるという恐怖の上にあぐらをかいて

 レスポンスのないキミを好きになってしまう

 そういうこともあるかもしれない


 でも、僕は


 僕は今でも覚えています

 今でもあなたが好きです

 走り回った公園のブランコが撤去されても

 新しかったシーソーが軋んだ音を出しても

 アイスを食べた崩れかけのベンチも

 臭いと笑った銀杏の木も

 全部が風と化して流れ去る


 もう戻れるはずはないのに

 僕は過去に恋をしたまま

 どうやら僕はまだ囚われている

 約束は、声は、どれだけ覚めても寝ても

 決して消えない心の檻の中

きっと今頃、彼女はハンバーガー食べてます。メガメガのメガ盛りのやつです。後はチョコレートとか

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