魔王は元の世界に帰りたいようです
俺の名前は佐藤 佑真
1年前に剣と魔法の世界に転生されこの魔界を支配することになった。
そう
俺は 魔王 だ
そして今長ったらしい机の上座に座り、月に一回の会議をしようとしていた
「ではこれより・・会議をー
「んなことより肉だぁああ!!肉を喰わせろぉ!がははぁ!」
はい早速話を遮ってくれてありがとう。龍神ダハーカ君。
彼は炎の龍神の末裔らしくひどく人間を嫌っている。勿論肉というのは人間の事だ。まぁじっとしてくれない。いつも肉喰わせろといって場を盛り上げてくれる。
「ダハーカ…魔王様の御前であるぞ…口を慎しみなさい…殺されたいのですか?」
君も冷静に魔法をぶっ放して壁に穴を開けないようにね。
自称魔王の秘書 悪魔メフィストフェレス君
僕に一番忠実なんだけど一番話を聞かない一番厄介な奴。本人は幹部の中で一番頭がいいと思ってるけど話を聞かない奴には今みたく魔法をぶっ放して城を破壊する。うん。君も脳筋だね。
「魔王様♡会議なんてやめて私とイ・イ・コ・ト♡しませんか?♪」
そんなに胸を近づけても魔王になってから性欲が全くないから何も感じないんだ。寧ろ暑苦しい。ごめんね。
サキュバスとメドゥーサのハーフ ラミアちゃん。豊満なボディで相手をイチコロ♪じゃなくて石ころにする。
「ねぇねぇ魔王様!人間チョキチョキしてきていい?キャハ!」
さらっと怖いこと言わないようにね。
戦闘狂幼女 マスタードールちゃん
継ぎ接ぎだらけの顔立ちと大きな裁ちバサミがトレンドマークの愛されキャラ。彼女の部屋は大抵謎の肉片と血が飛び散っている。何を切っているのかはあまり考えないようにしよう。うん。
「魔王様〜部屋に戻っていいっすか?一人来てねぇし…あーあ…面倒くさい…」
うん。そうだね。君の言う通りだね。てか帰らないで。お願いします。
自称怠惰の堕天使ラファエル君 毎回そう言いつつ会議に出席してくれる真面目君。一番まとも。実力は三番目らしいけど一番強いのでは?そういうキャラってよく裏切るけど君は大丈夫だよね?ね?
「ラファエル…魔王様が開かれるこの会議を面倒くさいと…そう仰いましたか…?」
いや、もういいからこれ以上穴を増やさないでお願いその禍々しい魔弾をしまって
「いやいやいいよいいよ気にしてないから…そもそもメフィストフェレス君が毎月会議しようって言ってたよね?忘れたの?」
「魔王様…して…今月の議題はいかがいたしましょう?」
あれ?スルーされた?あれ?
「そういえばダハーカ君が見当たらないんだけど…?」
「ダハちゃんならさっき空いた穴から肉が俺を呼んでるって言って出てったよ!キャハ!」
いや!おい!!今人間族と停戦中!まずいまずい!戦争終わったばっかなのにまた勇者と闘うハメになるでしょうが!
「ごめん!ラファエル君…ダハーカ君の所へ行って貰えるかな?」
「また俺っすか…!?面倒いんですけど…」
「いや頼むよおお…君しかいないんだよぉ…お願いぃ…」
いや、本当お願いします土下座するほど君しか頼れる子がいないの。君以外全員脳筋で血気盛んなの
「はぁ…わかりました…これ貸しですからね?」
と言いつつ転移魔法ですぐ行ってくれるラファエル君まじ天使。あ、元天使か。
「ありがとおおお!…あれ?他の皆んなは?」
腰をくねくねしつつラファエル君を見送り後ろを振り向くと…
メフィストフェレス君は笑顔でこう叫んでいた
「はい!魔王様の意図を組んで全員をダハーカの元へ転移させました!また始まるのですね!人魔大戦が!」
はい?
いや!ちがあああう!違う違う!
そういう意味で行かせた訳じゃないから!お前ふざけんなよ!勇者つええんだぞ!?
戦争終わらせるのに一年かかってんだぞ!?
あ、終わった。
人間族の悲鳴が聞こえる
…
俺の苦労を返してくれえええええ…!
「はぁ……元の世界に帰りたい…」