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セブンストリート4

良い・悪いそれぞれの情報で参加を模索するライム他メンバー全員の中で果たしてセブンストリートに行くのは?

それじゃーあたたまった所で俺の出番だ!!

ゲームモード×2と心に念じながら俺は髪をかき上げた。

潜在的な記憶からゲームのストーリー(テロップ)のようにベストなワードが選ばれ台詞へと積み上げられる。もちろん俺のマシンドールに弾(台詞)切れという文字はない。単語の連続発射武器言わばワードマシンガン!!

口火がでないならマシンドールに台詞をリロード(再充填)するまでだ!!

タイミングを見計らい俺は疑問符を投げかけるッ!


「他にゲームの事で質問はありませんか?」


これはただの確認のための質問、全員に再探索(Re・Quest)してもらう。


全員が恐怖するものはおそらく敵の攻撃による怪我や死。ゲームで例えるならモンスターや罠や他の物事。他の物事は経験者でも頭を多方面にめぐらせてもすぐに答えはでないと思う。


「・・・」


やはり質問は・・・なし。


「それではアプリコットさんの話を聞いて参加したい人、挙手をお願いします」


すぐにアプリコットさんとシロップが手を上げみゃあがそれに続いた。


俺は彼女たちのその無謀な行動(挙手)を見過ごすわけにはいかないのでモニカさんの顔色を伺いながら恐る恐る挙手した。


参加する理由は子どものシロップ様と異世界を知らない少々天然で無知のみゃあ様が参加するから。おまけに二人とも、か弱い女性ときた、危険な目にあうのがオチだ。

男かつ異世界経験者かつ実はゲーム知識豊富な俺が彼女たちを見捨てるわけにはいかない。


も・・・もし危なければ俺が全員即座にログアウトさせるッ!

逃げるが勝ちとは思わないが回避は可能ということにする。


ただ三人の後に続いて俺も挙手したわけだが仲間を騙したようでどうも気が重い。嫌な予感がすると言えばするししないと言えばしないし、せっかく戻ってきたのにまた行くのもどうかなーと思うもん。

それに歴戦を乗り越えた仲間以上のもはや友人であるモニカさんもいる。


みゃあがハイキングに行くような雰囲気で楽しそうに微笑んでいる。


マズいかも


シロップとアプリコットさんがキラキラした目をしている。


マズいかも


モニカさんは渋い表情で顔が赤い、ぷるぷる震えている。


マズいかも


どうしよう~


「・・・はぁ~、しょうがないわ~。私も参加するわよ。ただし危なくなったら、すぐにゲームやめるからっ!!」

モニカは溜息一ついれると信じられない言葉を発した。


「—―—―」


ゔぅんまぁーねぇ~と愚痴をこぼしながら仕方なさそうに返事・挙手するモニカさんに一同が驚嘆!!みゃあはきょとんと目を丸くして首を傾げアプリコットさんとシロップは口をパクパクと動かしていた。


へっ?

え、ええぇぇえええー!!!

何言ってんの?あんたそれ洒落にならんぞ。なんか言いたいけど俺も言葉にするのは無理。


——---・・


じゃない踏ん張れ俺!


「本当に参加する気ですか?」

「本当に参加するわよ」


「モニカさん、本当に一緒に来てもらえますか?」

「うん」

モニカは目を細めて頷いた。


その目はおばあちゃんの真似?うわぁ楽しそう。一緒に冒険、どんな世界が待ち受けているんだろう、わくわくドキドキ。なんてそんな筈はない。あれほど反対したモニカさんが参加するわけない。何かあるはず。


「また~ご冗談を」

「しつこいわね。冗談で参加の返事なんてできないでしょ」


「それもそうですね」

これは冗談で言えることではない。またチャンスだ。よし、ここで異論を唱えないように最後の確認だ。


「本当に皆さん、参加しますか?」

リ・クエストする(再探索)する。

あろうことか機械化した俺がモニカさんの突然の参加に動揺してしまった。もしかして俺のモードはAIなのか?と考えてみたり。

皆に自問自答させて選択肢の間違いがないかや覚悟が本気で本物か再確認してもらおう。シロップたちはここで辞退されたくないだろうが一度ゲームが始まれば簡単にやめられない。


「はい」

「参加します」


「本当にいいですか?」しつこいが念のため再確認。念を押すことで決意は固くなる。



「ええ」

「いいですよ」

「うん」


「では参加が決まった所で参加の証としてアプリをインストールします!」


全員でセブンストリートをDL&インストールして見せ合うというわけだ。

というわけでセブンストリートに参加することが決定した。


「希望する時間や曜日はありますか?」

リクエスト(Request)を聞く。


「ライムさん、夜がいいって言ってませんでした?」

俺は軽く頷いた。

「それなら20時にしませんか?」

「20時からなら22時までの2時間がいいと思います」

「私はそれでいいわよ」

「俺も」

「こちら二人もOKです」

「ゲームの初日は土曜日がいい」

「んー、ねぇねぇ土日空いてる?」

「空いて、る」

「大丈夫」

「急に用事が入ったりして」

「いつでも休む時は言って下さい」

「休む時は私にMeellして下さい」シロップ、いやここからはゲームにちなんでゼロと言おう。ゼロはすかさずアプリコットさんの言葉の後に言う。女子中学生に報告・連絡・相談か、連絡帳みたい。しかもゼロが先生。

「分かった」

「ゼロにMeellする」

「メールね」

「はい」


「では、これでひとまずセブンストリートの話は終了しまぁす」


くそっ、最後の台詞を言うときに禁断症状が出てイントネーションがおかしくなった。台詞をリロード(再充填)しすぎて鉛球を浴びすぎたのか声が震え上ずってしまった。


とりあえずゲーム化はここで終了~。


ゲームのメタモルフォーゼまでとはいかないがゲーム化はこの修羅場を切り抜けるツール(魔法)になったようだ。


俺はふう~と心の中で安堵の息をつき胸をなでおろした。



うん?アプリコットさんが俺たちの様子を伺っている。


「皆さん力をお貸し頂き、ありがとうございます。実を言うと私は以前の仲間がいなくなってしまい諦めていました。そしてゲームすらやめよう・・」


「アプリコットさん、それはもういいから」

「そうそう」

「言っても始まらないし」

「次が始まっちゃったし」

「勝手に一人だけやめないで下さいね」

「それはもちろん」

「それで決まったことですが最初のゲームは来週の土曜日から始めます」みゃあが言う。

「ちょうど土曜日から経験値とゴールド2倍イベントでゼロが優勝!!」

「むーむー優勝!」

良からぬことを企んでいそうな含み笑いの二人の顔がいかにも怪しい。トランプで言えばジョーカーを持つ時と同じ顔。ババ抜きなら負け、大富豪やポーカーなら最強カードになりうるので甲乙つけがたいがこの場合のジョーカーは曲者かな、気をつけよう。


「ところで職業や性別、装備はどうなっているの?」


「それは前もって説明するより実際プレイする方が早い話です。

簡単に説明すると種族や職業から背の高さや体重、身に着ける服(装備品)まで全部違います。また年齢は現実が反映され老若男女に振り分けられます。ゲームの進行度合いや戦闘スタイルにより高価なフルメイルを装備したプレイヤーの人もいれば無防備に近いプレイヤーも」


「へぇ~、わざわざ年老いて戦闘なんてしなくていいのに」


「それはプレイヤーの自由ですし顔は違います、変わった種族を選んだら何歳かは誰も分かりませんよ。ほら、この人気ゲームのキャラクターに似たセクシーな女性プレイヤーもいます、またローブとマントを羽織った女性のエルフを使っている方もいます」


「そうですかー」やっぱりゲームはロマンだよね、とても嬉しくてたまらないが平静を装う。


「ねえちょっと思ったんだけどライム、そのスマートフォン古くない?」


「モニカさんフリーターの俺はこれでいいんです」


「フリーターほどハイスペック、高速で機械処理するスマートフォン使うべきじゃない?」


「その方がいいと思います。フリーターでも持ち物や着るもので志が高い、応援したいって時給上げてくれたり昇進した方がいる話は聞いたことがあります」


「そんなことあるんだー」


「それより何かにつけて注意されません?」


「ううん、ない」


「みゃあさんもそう思いますか?」


「私は聞かれることがあるけど男の方は詳しいと思われているんだと思います」


「俺、機械は苦手な方で」


みゃあさんにくすくす笑われた。


男の俺なんていつもこうだ。雑な扱いで育った、だからなんでもアリだ。女性はいつも贔屓される。


モニカさんは、あれからお姉さんが心配してくれてよく見に来ると話していた。

それから、ゲームのプレイ中のように毎日何食べてる?休みは何してる?あの音楽聞いてるなどの会話を交わし二時間が経った。


「そろそろ終わろう」


「帰宅時間に間に合わなくなっちゃう」


「いや~長いさせてしまったようでスミマセン」


歩きながらカウンターへ、そして会計をする。割り勘ではなく注文した各自がその商品のお金を支払う。


俺は少し息が詰まり体が震えた。



「皆さんと会えて楽しい時間を過ごせました」

「うん、中々個性のある皆だった」

「今日は話ができて楽しかったです 、実の所私も心細かったー」

「まあ~大丈夫」


そうだろうな、俺も同じ立場だったら気が気ではない。


「それでは、私は電車の時間があるのでここで失礼します」

「アプリコットさん、また会いましょう」

「また会うのが楽しみ~」

「ゼロ、皆さん、また会いましょう」

アプリコットさんは皆を見ながら手を振り街の消えていく。



「それでは失礼します」

「さよなら」

「また会いましょう」

「はい」


「それじゃあ、俺たちも帰ろう」

「私はシロップ途中まで送っていくから」


面倒見のいいモニカさん、ありがとう!


俺の心は離れ離れになっても心が繋がっているような温もりに包まれていた。




いくつかの電車で乗りかえる。


脂汗が額を伝う。


自転車に乗り風を切る。


はぁはぁはぁはぁ・・・・。

自宅に到着。ぜぇ、はぁ、やっと着いた。


よし!俺はここまでだ。


「こわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわいこわい恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い」

「うわぁ~~~あぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」

「また同じ世界に連れ戻されるなんて呪われてた~」

「今度は帰ってこれないかも」

「も、もし死んだら・・・どうなるんだ」

「あああああああぁああぁあああぁあああああああぁああああああぁあああああああああああああああぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあああああああああああああああああああ」


俺は部屋に入るとベッドに身をゆだね布団を被って唸るように悲鳴を上げた。家に着いた途端、急に力が抜けて温もりがどこかから吹いてくる臆病風にかき消されてしまった。

奇跡的に元の世界に戻れたが俺は無力で弱い人間だ、本当、俺に期待している人に謝りたい。


息がとまらないというより落ち着くため何度も息を吸い呼吸が乱れてしまった。


俺は俺は・・・。


鳥肌が立って震えが止まらなかった。寒いわけでもないのに寒気がして身が竦む。行動が億劫になる。

よく昔一緒に遊んだ友達に小心者と言われたが否定しない、俺はガラス細工品(鳥)より繊細で壊れやすい、絶対危ないとに近寄らない人間だった。


さっきはマシンドールで偽りの自分の職種リーダーを果たすため行動や話をしただけで日常生活はああはできない。何かあってもただ茫然と見ているだけで動けず喧嘩があっても仲裁すらできない。


あの時の恐怖が鼓動となり俺の全てに襲い掛かってくる。異世界の恐怖が心臓を揺さぶりドクン、ドクンと音を立てる、今度はその心音が大きくなり耳に押し寄せ耳の奥に入り波打ち広がる。気づくと体が揺れて震えていた。


「リーダーが怖がってたまるか、負けてたまるか。かつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつかつ勝つ勝つ勝つ勝つ勝つ勝つ勝つ勝つ勝つ勝つ勝つ勝つ勝つ勝つ勝つ勝つ勝つ勝つ勝つ勝つ勝つ勝つ勝つ勝つ」

「恐怖に立ち向かう俺は勇気がある人間だ!だから希望だってあるし光が俺を照らす」

「この先、人生に恐怖がないっていったら嘘になる。こんな事で弱音は吐かないぞ」

「自分頑張った、今日はお疲れ様。よくやった偉い!尊いー!」


揺れをしずめるため()()()()()を並べ立てたり自分を励まして気を紛らわす。陰と陽、負と正を調整する。


「はぁあ・・・苦しかったー・・・」


誰だって人は他人の前(学校や会社)で別人を演じている。

それは、その方が周囲と上手く関係をつくれるからで素の自分は家族や友人の前でしか見せない。弱みを握られるわけでもないが自分の全てを他人に知られるというのはあまりいい事とは言えない感じがする。ずっと演じるのはとても疲れることだ。俺は自宅では素の自分でいた、そうすることがなにより休息になった。


そうなった今の俺は生身の人間、鉄壁の心もなくてクラスの委員長のように皆をまとめるリーダーシップ(統率力)もない凡人だった。


多分皆にはバレていないはず。


ありのままの自分なら怖気づいてあの場から逃げていたと思う、あの時、モニカさんよりキレて怒ったし絶望絶叫したと思う。


本当もう限界、無理ー、疲れたー、いやだー、だるいー、

うぅ~・・・・くたくただー・・・。

など愚痴ってしばらく俺は項垂れていた。


しばらくして心が落ち着いてきた。こんなことは一時的である。


リーダーは冷静沈着で勇気があり、仲間を常に一番に思う。その意識が保てたのは俺が成長した証。昔だったらこんな事出来なかった。


なんだかんだ言って結局ゲームに参加することになってしまった。

ゲームするのはいいけど昔のゲーム感覚が今の自分は全くない状態だし、仕事のオンとオフのように記憶や動きを使い分けられるか?


あぁ~、久しぶりに人と話して疲れたぁ~。ゲーム仲間だからと言っても初めて会うから気が抜けないしあれから、ずっと一人だったから緊張した。




Meellが吹き出していた。


今日は私の都合に時間をとって頂きありがとうございました。無事に終わって安心しました。

アプリはそのままで土曜日までお待ちください。土曜にまたメールします アプリコット


こんにちは、ゲームの準備の事で質問があったら私がメールで答える、あとは知らない ゼロ


それは無責任じゃないかな?ゼロちゃん!!ゼロのメールにアプリコットさんの文も書かれていた。


一その後——-


俺はこれからの人生が怖いから仕事を探した、大人だし生活もある。ゲームをやっていて仕事をしていないなんて言い訳にもならない。

ゲーム仲間と会って対人恐怖症ではないが緊張感が薄れた感じがあり新しい仕事につけた。攻略の鍵は案外日常にあるのかも。



Meellでのやりとり


準備するものはスマートフォン以外にこのグラスだけでいいんですか?

【うん、それだけ。あとはアプリを起動し左↑のボタンを押してテストして下さい。


みゃあさん、もう買ったんですか!?

はい、どうなるのかやってみたくて仕事帰りに家電ショップに行きました。

オープニング画面みたら早くやってみたいなと思って。別の世界に自分が立っている姿を想像すると興奮して眠れません。


へぇ~、すごそう。


じゃあ俺も探しに行こう!



サーバは選べないようね。


そうですね、人が多いからかもしれません


種族や性別など全て設定完了!


私も完了~!


ログイン画面が表示されていますか?


表示されているわ


ブルートゥースより直接つなぐ方が良かった?途中で接続が切れるとゲーム落ちる?


どちらでも構わないけど不安定ならコードを接続した下さい。あと少しくらいなら読み込み待ちの渦巻きを待っていれば普通に戻ります。エラーと接続切れの文字が目の前に出ると接続切れです。



ゲーム開始当日の土曜日ー


Meellが吹き出す


今日の20時からゲームをはじめます ゼロ


OK!!

了解~

分かった


7時57分か、さっ準備準備!


じゃあ早速はじめよう。


ログイン!! 


中央にゲームスタートの文字が浮かびあがる。


前方が白い光に包まれ中央が七色に輝いている。

中央から放射した光が拡散するように流れていく。


画面中央に文字が表示された。




『私たちとセブンストリートのゲームに参加する条件』

・条件は1か月後まで大都市『テラリウム』に辿り着く

・辿り着かなかった場合は参加を認めません(アンインストール)

・冒険者の心得をよく読んで下さい


  アプリコット&ゼロより



えっ!?聞いてないけど・・。なになに参加する条件はテラリウムに辿り着くこと。ははん、さてはどこかに隠れて驚かすつもりだな。騙そうったってその手には乗らないよん。


時、同じにして

フフっ、条件ですか、面白い趣向です、褒めてあげましょう。たしかに二人の挑戦状は受け取りました。


所変わって

ゲームのルール?これが最近の流行りなの?また厳しいアプリね。

アプリコットを協力したい気持ちがあり全員はセブンストリートの参加の決意をした。

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