Leve.15 執事と図書館
俺は今重大な極致に立たされている。
…図書館ってどこだ?
冒険者ギルドで聞くか。
困ったときは来てくださいって言われたし。
「すみません。」
「はい、何でしょうか?」
「図書館ってどこですか?」
「すみません。図書館は紹介状を持っている方のみの利用となっておりますので、異邦人の方はご利用できないと思います。」
「あー、紹介状貰ったんで行きたいんですけど。」
「それは大変失礼いたしました。少々お待ちください。」
「あ、はい。」
「……こちら簡単なものですが地図を描いたのでご利用ください。」
──『始まりの街図書館』が〈マップ〉に登録されました
──プレイヤーが〈マップ〉に施設を登録しました
「ありがとうございました。」
「何かありましたらまた来てくださいね。」
おお、意外と近いんだな。それなのに今まで分からなかったっていうのは、マップに登録しないと認識できないってことなのかな。
「こんにちは。図書館の利用に来ました。」
「紹介状はお持ちでしょうか?」
「はい持ってます。」
「では、その方にお聞きしたかもしれませんが、推薦状について説明させていただきます。
推薦状には銅、銀、金の三つのランクがあります。
銅ランクはその図書館限定の利用が可能になり、一般図書までの閲覧と貸し出しが可能になります。
銀ランクは提携している全ての図書館の利用が可能になり、魔法書や一部の禁書などの閲覧が可能になります。
金ランクは銀ランクに加え、一部を除く禁書の閲覧が可能になります。また、銀ランクで閲覧可能になった書物の貸出可能になります。これらは王族や一部の偉人の方のみ推薦可能になっています。
と言っても、銀ランク以上の方なんてほとんどいないんですけどね。では推薦状をお預かりします。
……ってえー!?
これ、どうしたんですか?銀ランクじゃないですか。っと失礼しました。」
「師匠?にいただきました。」
「すごい方なんですね。」
「そうなんですかね?成り行きで弟子になったんで実は名前も知らなかったり……。」
「えーと…。マ、マーリン様!?」
「どうかしました?」
「い、いえ何でもありません。では規則を説明します。って言ってもさっきのランクと、あとは貸出期間ですね。一週間で自動的に返却されます。また、利用の際に毎回補償金を支払っていただきます。銀ランクは1000Gですね。本を汚してしまった場合はここから支払われます。ですが、銀ランクなので登録料は無料になります。銀ランクから閲覧可能になる書物は地下にあります。以上になりますが、何か質問はありますか?」
メモを取るのはメモ機能もスクショもあるからいいか。
「大丈夫です。えーと、吸血鬼について本はありますか?」
「それは地下になります。矢印に沿ってお進みください。」
おー。何か出てきた。
これに沿って進めば良いんだな。
それにしても受付の女の人、最初はクール系かと思ったけど、意外と表情豊かだったな。
あった。『吸血鬼について』
んー。何々?
「吸血鬼は全種族中最多の血中魔力量を誇る。これは、他の種族が魔力回路を別個に持つ中、吸血鬼の場合、血管がその役割を持ち、魔力が血液に宿っているためである。これは、最強の種族と呼び声の高い竜種や、血肉に魔力が宿る人魚と同じく回復薬になる。
(これはポーションを代表する魔力を多く含む液体が身体機能を向上させることに目を付けた研究者が、竜や人魚の血液には不老不死や万病に効くなどの効果があると考え、実験されたことによって実証されている。ここで吸血鬼の血が試されなかったのは、吸血鬼に吸血されるとその吸血鬼の眷属となると信じられていたからである。不用意に血を用いて眷属化するのを防いだわけである。
後に吸血鬼の血液に回復効果があり、用いても眷属化することは無い(飲むことで眷属化することもある)と判明したが、どちらにしろこの研究は危険度が高いためなされなかっただろう。)」
まあ、俺が気を付ければ吸血鬼にはならないんだよな。
でも、なるほど。魔力が血液のように流れていると感じたのはあながち間違いじゃなかったようだな。
心臓と血管をイメージ。心臓にある魔力の塊が血を媒体にして全身を回るイメージ。
──【血魔法】を習得しました。【吸血】が統合されました。レベルが平均値になります。
血ねえ。
道具屋でポーション瓶買ってその中にでも入れておくか。
「ありがとうございました。また来ます。」
「いらっしゃい。何をお求めで?」
「ポーション瓶をいくつか。」
「一つ1Gですが、1ダースなら10Gにおまけしますよ。」
「商売上手だな。他に何かに使うかもしれないし、2ダースで。」
「はいよ。20G確かに。毎度あり。」
1ダース分詰めとくか。
でも、自分の血液じゃ回復できないし、イナバ用かな?
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