Level.11 新装備
今回少し短めな気がします。
新装備とは一体!?
「知らない天井だ。」
晩御飯のためにログアウトし、再度ログインすると、目の前には見慣れない天井が広がっていた。
「まあ、初めてログアウトしたし当然だよな。」
どうやらログインする時は宿屋で寝ていることになっているようだ。じゃあ、外でログアウトしたらその場で倒れるってことか?それは危ないな。ちゃんと宿屋を使うことにしよう。
そして、部屋を出て宿屋を後にしようとすると、
「あ、お兄ちゃん。奇遇だね。」
「…ん。奇遇。」
「奇遇って一緒に飯食ってただろ?ノームは……久しぶり?」
「おーう、また会ったな。」
「ジーヴスさんこんばんは。」
「また今度会った時には狩りに行こうぜとか言ったのに、もう会っちまったな。」
「吸血鬼の真骨頂を見せてくれるんだっけ?」
「やめてくれ。何かすげー恥ずかしい。」
「私達は夜の間にある程度レベルを上げましたし、買い出しに行こうかと思ってたんですが、ジーヴスさんはどうします?」
「俺かー。どうしよう?」
「お兄さんも付いてくると良い。」
「そうだな。ベータの時の知り合いも紹介してやるぜ。」
そうして来たのは大通りに面するちょっと大きめのお店。
中で出迎えてくれたのはヒューマンの女性だった。
「いらっしゃーい。あら?ウィンちゃん達だったの?そちらの方は?」
「私のお兄ちゃんです。」
「ジーヴスと申します。」
「そんな丁寧じゃなくていいのよ。私の名前は照衣。裁縫師をやっているわ。シルちゃん達の装備も一部は私が作っていたりするのよ。」
「もうお店持ってるなんて凄いですね。」
「あら、そうじゃないわ。βテストの引き継ぎ特典で店舗と資金を引き継いだのよ。でも、私達生産職の成績は装備を担当した戦闘職の成績が関わってくるからシルちゃん達のお陰でもあるわね。」
「そんなことないよ。それより、お兄ちゃんの装備見繕ってくれる?あとは、これより性能を上げられるなら私達のも。」
「シルフィ達は装備を引き継いだんじゃないのか?」
「ああ、引き継げる物には制限がかかっていてな?イベント報酬みたいな特殊な物はある程度レベルが上がるまで封印状態での引き継ぎ、特殊ではないが強過ぎる装備なんかは引き継ぎが不可能なんだよ。」
「基準はさっきあげた鋼の剣くらいまでだね。それで、今の装備より強いのがあったら欲しいなあって。」
「うーん。鉱石系はまだ報告が上がってないし、タイラントベアーとまでは言わないけど、ブラウンベアーやグラスウルフリーダーくらいの毛皮は無いと大して上がらないかな。もしあってもそこまでは上がらないからね?」
「うーんじゃあ、お兄ちゃんのだけでも作ってもらおうか。」
「どんな感じのがいいの?」
「軽めで、ある程度の防御力があればいいです。」
「形とか色に拘りはある?」
「あー。執事服でお願いします。」
「お兄ちゃん執事になるの?じゃあ、私お嬢様ね。」
「はいはい、お嬢様。」
「むー。」
「素材は持ち込みでお願いしているのだけれど、何があるかしら?」
「使えそうなのはラビットの毛皮とグラスウルフの毛皮、キャタピラーの糸くらいですかね?ほとんど納品しちゃったんで余りみたいなもんですけど。あと、グラスウルフリーダーの毛皮も少しあります。」
「うーん。性能的にはグラスウルフリーダーが圧倒的に良いんだけど、数が少し足りないかな。」
「じゃあ、これも。」
「シルフィ!?いや、流石に妹からこれ以上貰うのは。」
「いーの。じゃあ、今度返してもらうから。」
「うーん。じゃあありがたく受け取るよ。」
「爪とか牙とか持ってたりする?」
「それはリーダーのが大量にあったりします。」
「ええ。それだけあれば十分ね。こういうのは加工して、金具の代わりだったり、ボタンだったりに使うのよ。」
「へえ。そうなんですか。」
「ええ。だから、使わないからじゃなくて、どう使えるかを考えるのよ。」
「生産職って奥が深いですね。」
「生産職だけじゃなくて、あなた達にも言えるのよ。
お値段は800Gになります。できたら呼ぶからフレンド登録よろしくね。他にも作るものがあるからちょっと時間はかかるけど、街を見ている間にはできているはずよ。」
「意外とするんですね。はい。こちらこそお願いします。」
「そりゃ、照衣さんって言ったらベータでも有名人だからね。」
「そうですよ。これでベータ最高の裁縫師なんて呼ばれてるんですから。」
「これでって。」
「私達姉妹なのよ。ウィンディが妹ね。」
「言っていいんですか?」
「別に隠してないもの。でも、まさかお姉ちゃんがこうなるとは思ってなかってけどね。」
「まあ、お陰で良い装備を手に入れたんだよ。」
「じゃあ、私達はこのままレベルを上げて新装備のための素材を集めるけど、お兄ちゃんはどうする?」
「装備ができるまでこの街を見て回るさ。」
「…ん。それが良い。私達もベータの時は圧倒された。」
「そうそう。住民たちも本当に生きてるみたいでさ。」
「お兄ちゃんも楽しんでね。」
「ああ。わざわざお前が手に入れてくれたんだ。精一杯楽しむよ。」
ここ数日で一気にランキングが落ちちまったぜ。一体どういうことだ?
というわけなんですが、何故でしょう。
やはり執事が出て来なかったからでしょうか?
実は、この物語である程度プロットが決まってるのって第三の街と王都くらいなんですよね。
その頃には戦闘スタイルも確立して、執事感が(口調以外は)完璧に出ている予定なので、これからもよろしくお願いします。
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