Level.10 パーティプレイ
「お兄ちゃん!ホワイトラビットテイムしたんだって?わあ、この子?可愛いー!」
「ああ、シルフィとりあえずは落ち着け。お前のお友達も困ってるぞ。」
「もふもふいーなー。……ハッ。ごめん。うっかりしてたよ。」
タクとの狩りを終え、タクはパーティメンバーと集まり、俺は街に戻る頃にシルフィから「パーティメンバーを紹介したい。」とチャットが来たので集合したのだが、イナバを見つけるやいなや突貫してきた。周りのメンバーらしき人達は置いてけぼりだ。
「私達の事もちゃんと紹介してくださいな。」
「そうだぞー。」
「(コクッ)」
上からあらあらうふふな感じの大人の女性。姉御肌って感じのお姉さん。無口なチミっ子といった所か。
「ごめんねー。紹介するね。こっちが私のお兄ちゃん。こっちの大きい子がウィンディ。普通な感じのがサラ。平らなのがノー胸、じゃないノームね。」
ウィンディは耳が尖っているので恐らくエルフ。サラは特に特徴が無いから人間。ノームはドワーフかな。
「普通か…。喜べば良いのか悲しめば良いのか。」
「……紹介の仕方に悪意を感じる。シルフィだって似たようなもの。」
「私は美乳ですから。」
「……微乳。」
「何を!」
「……そっちこそ。」
「あらあら。」
「……いつもこんな感じなのか?」
「ああ。大体シルフィが喧嘩を売るか、ノームの毒舌によって喧嘩が勃発する。」
「いつもうちの妹がご迷惑をおかけしてます。」
「どうもご丁寧にってな。歳も近そうだしタメ口で良いぞ。」
「そうか?じゃあ、そうさせてもらうよ。」
「では私も敬語でなくても良いですよ。距離を感じてしまいますし。」
「分かったよ。よろしく。ウィンディも敬語じゃなくていいぞ。」
「いえ。私のこれは癖ですから。」
そんな感じで親交を深めている中、
「ロリ!」
「…ブラコン。」
「「むーっ。」」
向こうもなかなか上手くやっているようだ。
「あいつらいっつも喧嘩するほど仲が良いって感じなんだよな。」
「あらあら、素晴らしい事じゃないですか。」
「それもそうなんだけどな。……っと、終わったみたいだよ。」
「「ゼーッ、ゼーッ。」」
「君がノームちゃんで良いんだよね。」
「…ん。」
「それにしても、ドワーフって本当に小さいんだねえ。」
「お兄ちゃん。ノームの体型は自前のもの。つまり、リアル準拠。」
「あー、ごめん。」
「…ん。いつもの事。気にしてない。」
「そ、そうなんだ。」
やっぱりいつも言われるのね。
でもドワーフって髭生えないんだな。
「私はノーム。お兄さんよろしく。」
「おう。よろしくな。」
「私達はこの4人でずっとパーティを組んできたんだよ。それで結構有名になったんだ。」
「ほう。そうなのか。」
「それでお兄ちゃん。このままみんなで狩りに行かない?私達のパーティプレイを見せてあげるよ。」
「そうだな。もう夜だし俺も動きやすいしな。でも、お前たちのパーティプレイを見せるんだったら俺って戦っちゃ駄目なのか?」
「最初の1回は見てて欲しいかな。」
「了解。」
「ジーヴスさんは夜だと動きやすいんですか?」
「種族が吸血鬼だからな。」
「へえ、そうだったのか。」
「…納得。」
「だから回復魔法とかポーションも基本的にダメージになるから俺には回復かけないでくれ。」
「分かりました。」
「じゃあ行こ。」
「夜は戦いづらいのに加えて、敵も強くなっていますから草原にしておきましょうか。」
「おう。」
そんな感じで森に来た。
今日初めてあった人とのパーティだから少し緊張するな。
そういえば、タクとの狩りが終わってからステータスをちゃんと確認してないな。レベルが上がったらステータスを振ってすぐ狩りって感じだったから見る余裕がなかった。
ジーヴス Lv.11
吸血鬼 (ユニーク)
職業:剣士Lv.11
HP 390/390
MP 310/310
筋力 26 29[+3]
防御 2 5[+3]
知力 23 26[+3]
精神 2 5[+3]
器用 2 5[+3]
敏捷 20 23[+3]
幸運 2 5[+3]
スキル
【吸血Lv.3】【鑑定Lv.4】【夜目Lv.MAX】【剣術Lv.5】【闇魔術Lv.4】【状態異常耐性Lv.1】【再精Lv.1】【闇無効】【筋力強化Lv.3】【防御強化Lv.3】【知力強化Lv.3】【精神強化Lv.3】【器用強化Lv.3】【敏捷強化Lv.3】【幸運強化Lv.3】
称号
〈吸血鬼〉
〈夜の住人〉
〈カラーの名付け親〉
〈チュートリアルをすべて受けし者〉
〈レアモンスターの第一発見者〉
〈テイムの先駆者〉
装備
鉄の片手剣
旅人の服
旅人のスボン
布のマント
革のブーツ
いつの間にか新しいスキルが増えている。
効果を見るとMPの回復速度が上がる感じか?
今までは戦闘中は回復しなかったけど回復するようになり、普段の回復速度も上がると。
このスキルははMPが1割切ってから自然回復でMP最大まで持っていくことが条件らしい。HPでも【再生】とかありそうだな。吸血鬼にはデフォルトで付いていても良さそうだけど。
MPもHPも座ってたり寝てたり、立ってても寛いでたりする時に1番回復量が上がる。戦闘が終わって街に帰っている最中や、早めに着いてヘルプとか掲示板とか読んでる間に全回復していたらしい。後半は魔法の頻度も減っていたからな。
【鑑定】はずっと戦ってばかりであまり使えなかったからレベルの上昇は少なめ。【状態異常耐性】は状態異常に一度もかかっていないからレベルは一切上がっていない。
それと、Lv.11になる時にステータスの上がり方が変わった。
今までは全て自分で振り分けられたのだが、幸運値を含め、全てを平均的に振った後に残りを自分で振ることになった。
まあ、このまま上昇値が増え続けるとステータスを振るのも大変だろうしね。
草原にやって来た。
流石にラビットだとパーティプレイを見せるのには向いていないので、グラスウルフと戦うことになった。
夜間はウルフ系のモンスターはリーダー格が現れて昼間でも厄介な連携の統率をとりだすから戦いづらくなっている。
だが、ノームがスキルかアーツでヘイトを稼いでから身の丈よりも大きな盾で攻撃を防ぎ、サラが大剣で薙ぎ払う。そこをシルフィが後ろから強襲しては離脱のヒットアンドアウェイを繰り出し、ウィンディは適宜指示を出しながら水魔法で援護。時折回復もさせる。良いチームだが俺に入る余地があるのか?
……杞憂だった。
みんなが周りをよく見ているから俺も邪魔になりにくいし、ウィンディも指示を出してくれる。
初めてのパーティプレイって感じだな。今までのは個の集まりで狩りをしてたし。
「お兄ちゃんもパーティプレイの楽しさがわかったかな?」
「ああ。今までタクとやってたのはパーティプレイじゃなかったんだな。」
「ふふっ。そうかもね。またこのメンバーでやろうね。」
「ああ。ステータスが低いのが申し訳ないけど、そっちがいいんだったらまた組ませてくれ。」
「ジーヴスだったら大歓迎さ。」
「人柄も申し分ないですしね。」
「…ん。またやろう。」
「次組む時には究極の大器晩成型種族の真骨頂を見せてやるよ。」
「楽しみに待ってるよ。じゃあそろそろ晩御飯時だし落ちるね。」
「ああ、俺も落ちるよ。みんなまたな。」
ノー胸の下りはノームねを変換する時の変換候補から思いつきました。
つまんなくてスミマセン。
それと、ジーヴスの独り言に反応する形でサラが答えるので、最初はタメ口聞いてるような形になっています。
夜の狩りについてですが、夜はモンスターの凶暴度が増し、ステータスも微上昇します。
【夜目Lv.MAX】は吸血鬼とそれ以外で効果が違います。吸血鬼は夜は暗いのは分かるけど、何故か昼と同じように見える感じ。吸血鬼以外は暗いのを目を凝らして見る感じになっています。
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