表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

1話「引きこもりは超が付くほどの美人でした」

約一年生活し続けた双葉荘ででも、もう一人の学生の住居者を黒はいまだに見たことがない。そのため存在すること自体信じてはいなかったが始業式の朝、監視教員の姉から連れて来られるように脅され起こしに行ったが・・・

 双葉荘。私立倉岡学園の所有する数ある寮のうちの一つで、現在住居者数は3人。監督教員である姉林原はやしばら 那月なつき。自由気ままだがやるときはやる頼れる俺の姉だ、もう1人の住人は201号室に住んでいる佐倉さくら しろだ。姉曰く、髪は長くとてもサラサラでとても美人らしいのだが、実は俺が入居して1年が経つが未だに髪の毛一本すら見たことがない。世に言う引きこもりだ。そして3人目の住居者はさっきまで双葉荘の事を説明してきた1階の101号室に住んでいるこの俺。成績・容姿ともに普通、友達も多過ぎず少な過ぎずクラスでも暗過ぎず明る過ぎずいたって普通の生活を送っている普通の高校2年生の林原はやしばら くろ。佐倉さんとは名前が少し似ているが一切関係がない。


「クロ~。佐倉さん起こしてきて~。流石に始業式には出席させろって校長がうるさいから~」


「え~。なんで俺なんだよ姉貴~。監督教員なら姉貴が連れて行けばいいじゃん。俺話したことも見たことすらないのに。」


「姉弟とはいえ教員にそんな口をきいていいと思っているの~?成績下げるわよ~?」


「卑怯!そんな姉貴嫌いになるぞ!」


「嫌いになってもいいけど佐倉さんを始業式に連れて来ないと成績下げるわよ。」


「そんな横暴な・・・」


 俺は2階に上がると佐倉さんがいるはずのドアをノックしたが返事はない。はぁ。なんで俺がこんな事・・・

そんなことを思いながらドアノブに手を伸そうとした瞬間。目の前のドアがガチャと開いた。


「ーー!」


目の前に立っていたのは俺の言葉じゃあどう言い表したらいいのか分からないほど美しすぎる女の子が立っていた。


「あなた・・・誰?」


「・・・・・。あ!初めまして佐倉さん。同じ双葉荘に住んでいる林原黒です。」


「林原・・・?那月の弟?」


「そうだよ。その姉貴から佐倉さんを始業式に連れてくるように言われたんだ。」


「始業式ぃ?今日だっけ?すっかり忘れてた。久しぶりのお風呂に入るから私の部屋を漁って学校に行く準備しといてねぇ。」


「え・・・?あ。いやちょっとまっーーー」


バタン!勢いよくお風呂場のドアが閉まり、俺は諦めて佐倉さんの部屋に入り驚いた。


「なんだこれ。」


目の前に広がるのは佐倉さんの容姿からは想像ができないほどに散らかった部屋である。


「ハァ。時間があるからとりあえず部屋の片付けから始めよう・・・あわっ!」


 部屋にある時計を確認し、俺が片付けを始めようとして最初に手に取ったものは下着である。恐らく、いや確実に佐倉さんのである。俺は驚くのと同時に投げてしまった下着の方を見ると1台の電源が付いたままのノートPCがあったので興味本位で画面を覗いてみた。


「「ひきこもりによるひきこもりの為のひきこもりライフ」・・・?この小説ってこの前本屋さんの前を通った時に新刊のコーナーに並んでたような・・・」


「私の小説知ってるの?」


「あ!すいません勝手に見てしまって。」


「いや。それは問題ないのだが、質問の答えを聞いてもいい?」


「えぇ。でも知ってるっていうか、この前本屋で見かけただけです。」


「じゃあ内容は知らないのか?」


「はい。全く知らないです。」


「そうか・・・。じゃあこれ。」


そう言うと、本棚から出した1冊の本を俺に向けて来た。


「え?この本がどうかしたんですか?」


「・・・・。これ私が書いてる本。読んで感想をお願いする。」


「あ・・・。わかりました。じゃあこの本借ります。今日学校から帰ったら見させていただきます。」


「まぁ。そんな事は置いといてあれ止まってるから。」


そう指を指した方向を見ると先ほど俺が確認した掛け時計があった。


「え!じゃあ今何時・・・!!!」


スマホで時間を確認すると8時を過ぎていた。


「やべぇ!今からすぐ出ないと遅刻じゃねぇか!佐倉さんも早くこれを着て準備してください!」


「あー。うん。わかったけど私足遅いから走っても間に合わない。だから自転車で連れてって。」


「自転車なんて俺持ってないですよ?」


「私のを使えばいい。」


「わかりましたから早く服着て髪乾かしてください!。」



「とりゃぁぁぁぁぁぁ!」


「もっと急がないと遅刻するぞ。頑張れ」」


「くそぉ!なんで俺がこんなことをー!」


自転車があるから少し安心していたがこんなにおんぼろなんて聞いてないぞ!チェーンがすぐに切れそうだし、かごは穴がたくさん空いている。


(もっと急かして早く出ればよかったー!)


「今もっと早く出ればよかったと思ったろ。」


「なんで思った事が分かるんだよぉぉぉ!超能力者かぁぁぁぁぁ!」

ここまで読んでいただきありがとうございました。次の更新がいつになるかわかりませんができる限り早く更新することをお約束しますのでしばしお待ちくださいませ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ