戦いと、召喚獣
「うっ、あ、あぁ………生き、て、いる?」
まだ二重人格の自我を失っていないらしい、流石に凄いとしか言えない
「おい、二重人格。大人しく自我ごと消えてくれないか?こちらもそっちの方が楽だ。」
戦わずに済むならそちらの方がいい。
無駄な争いはそこまで好きじゃ無い。
「……彼がいない……なら、まだ私にも勝ち目はあるッ!!」
「あッ……!!」
どうやら、話し合いは出来ないらしい
二重人格は俺の言葉を聞かず、【乖離剣】を振り回して来た
「【死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね《カイリ》】ィ!!!」
「そこだッ!!」
先程までの隙の無い斬撃とは違う。
どうにか相手を殺そうとし、風を集めに集めて、威力増加、鋭さ向上、等に注ぎ込んでいるので無駄な部分の多く、操り切れていない感じだ。
あいつがいない間にどうにか俺だけでも倒そうとしているらしい。
でも、それだと俺より強い奴が居て、そいつに負けているわけだから、最早最強では無い。
……気が動転しているのか
「うぐぅっ!!あァァァぁァァァぁぁぁぁぁぁ!!!!」
完全に【狂化】している。
元々、大体の願いが叶えられなくなると、【狂化】するのが【二重人格】と言うスキルだ。
今までは、彼と言う存在を知らず、俺になら勝てると言う考えを持っていたが為に、【狂化】していなかった。
だが、彼と出会ってしまい、状況が変わった。
強すぎる相手との遭遇。恐怖感、死の危険、苦しみ。全てを味あわされた。
それにより、何も考えられなくなり狂化か……
「俺が解いてやるよっ!!」
俺は捨て身の一撃にかかる。
今残っているのは【永遠回復】、【魔法吸収・発射】、【結界術】、【飛翔】、【召喚獣】、【必殺槍】、【全力全開】、【打撃吸収】、【ダメージ緩和】、【強化印】、【防御上昇】、【斬撃強化】、【斬撃破壊】、【筋力上昇】、【ステータス強化】、【自動攻撃】、【不死】。
これらは【永遠回復】から順に消えてゆく。
【永遠回復】は、微妙なスキルだから消えて良いとして……【召喚獣】は役に立つのか?
わからない。あのトカゲ龍がどう成長したのかもわからない。
……使うか
「【召喚獣】!」
もし使えなくても、軽く相手を脅かすくらいはぁ…………でかくない?
“どうかしたー?”
何か二重人格にも物凄くでかいはてなマークが出来た気がする
何か、でかくなってない?……えーあー…………紅麗
“うん!ご主人様の為にぱわーあっぷしたのー!!”
そう言って紅麗は、口から紅蓮の焔をまき散らし、二重人格を吹き飛ばし、更に押し潰しで二重人格を一時的な気絶まで追い込んだ。
あまりにも気になりすぎたので、俺は鑑定をしてみた
“神龍”紅蓮火焔帝王 紅麗 ♀ 龍神族 0(54890321)歳 Lv8964790313574272576378390536
「はぁ?」
様々に異常な点に、俺は目を背ける事にした。




