乖離剣、奥の手
漸く……
私の願いは漸く叶う……
早く………………助けて…………
やっと着いた………
何故か屋上までの階段がクソ長かったが、まぁ気にしない
「漸く来ましたか」
「ああ、早く妹を返してもらおう」
俺は背から天叢雲剣と、エクスカリバーⅢを引き抜く。
「ええ、そうしましょう」
二重人格さんは、歪んだ空間から一つの剣を取りだした。
「それは……」
「ええ、この前貴方の元に使わせたあの上位悪魔の…………なんでしたっけ?あんな雑魚の名前なんて忘れてしまいましたが、まぁ、そいつに渡した剣の原典。【乖離剣 無銘】」
彼には名前ありませんけど、魔皇っていう呼び名があったのに。
それにしても………んだよあれぇ!?攻撃力とか防御力のパロメーターが全部【99999+999】じゃん!!死ぬわ!!
「因みに、この剣は剣であって剣ではありません。どの系統の武器攻撃スキルにも対応出来ます。こんなふうに【死ニ神ノ鎌】」
っ、紹介しながら先制攻撃とかずっる!!
「【死ニ神ノ鎌】ッ!!」
どうにか攻撃が届く前に【死鎌】を取り出し、跳ね返す事が出来た。
因みに、ツヤリ達は防音の透明な部屋で応援してくれている
「いつの間にか、武器を取り出すのも手慣れた様ですね」
「半分あんたの…………99%あんたのおかげだよッ!!」
【死鎌】を仕舞い、仕舞ったエクスカリバーⅢをもう一度取り出し、斬りにかかる
「【星光】ッ!!」
流れ星が燃え尽きる時の熱量が剣を包み込む。
剣は溶けない。まぁ、それで溶けたら泣けちまうしな
「おらッ!!」
「【天地を裂け《乖離せよ》】」
その一言、たったそれだけの事だった
その瞬間、俺の立っていた城が裂け、地面に落下。
そして、技術進歩のための実験等により発生した有害物質により、灰色に汚染された空からは、有害物質が消え、青い空が見えていた。
「おっと、汚らしい汚染物質が私の乖離剣に」
「……………ヤベーイ」
あれは、死ぬ
「それにしても、あれを避けきりますか。」
「そんな事、あるわけないわい……」
5分の4ほどぶっ飛んだわ
…………奥の手確定かよ。
「そうですか。呆気ないものですね、最強の強さが証明される瞬間と言うものは」
「まだ死なねぇ…、俺の体は死んでも、魂は死なねぇ………」
「そうですか……【地理も残さず消し飛ばせ《乖離せよ》】」
霧矢夏芽は、その姿を大気の渦の中へと消えてゆき
ザシュッ
「!!くッ!」
「俺の執念深さを舐めるんじゃねぇぞ」
HP、魔力、共に完全な状態で二重人格の背後に現れた




