アンジャの、情報
アンジャの話は皆には伏せておく事にした。
皆にやる気出されて、全員がほんとに死ぬなんて事は絶対に避けたいからだ。
イニの好意で……かはよくわからないが、異世界に飛ばされたときは全員助かった。それなのにまた命を危険に晒させるなんてあり得ない。
「………ま、とにかく準備だな。」
俺は机の上にボロボロで、所々ひびや欠け等のある、鉄の色をした軽鎧を置いて、修復を始めた。
どうせアンジャを倒せばこのゲーム辞めるんだし、精一杯身に馴染んだ鎧を着けて戦おう。
俺は次の日、最後のメッセージを確認した。
『最有力人物を見つけた。
名前はアンジャ。どういう事かわからないけど今まで名前が出て来なかったのに急に検索に引っかかった。
アンジャは【プレイヤーハンター】で、プレイヤーを倒して所持金をドロップさせてそれを奪うらしい。
でもそれだけじゃ無くて、襲われた人達は全員上位プレイヤーで、【危険察知】や【気配察知】のスキルをほぼ最大まで上げていたのに、斬られるまで気づかなかったらしい。
人生を舐めた様な目をしていて、時折凶悪な目つきもしていたらしい。
そして低身長。一番写真に近いよ。
これで終わります_(._.)_』
急に、か………もー明らかに神の力が利用されてんなぁ………。
まあ、俺の予想が合ってりゃ、あいつに非は無いからな。取り敢えず仕方無いって事にして置こう。
俺はメッセージに『センキュ』と返し、あいつの弱点が無いかを探し始めた。
イニが敵である以上、流石に攻撃法等は違うとかんがえよう。もしかしたら違くないかもしれないが、一旦その考えは捨てる。
相手のスキル無視は神魔法にある。
つまり相手は神魔法を普通に使ってる訳で、俺との戦いでも神魔法を使ってくる可能性が99%程ある。
そして、数発で上位ランカーを倒す実力………と言うより、手加減してもその実力……。
決めた、俺は全力で挑む。
魔法も、装備も、スキルにも制限はかけない。
相手を倒す為だけに挑む
それから3週間後、予選が始まった。
64名定員で、俺とかの特別枠【特別枠は全員参加した】は予選無し、実質54人定員だ。
ぐるめいく達は参加しないらしい。武器とかが無いかららしいけどよかった。仲間同士の潰し合いは嫌いだから。
………なんか、俺の周りからの評価ってかなり辛辣なんだよな。
ツヤリたちとマイワイフ、それ以外は俺の事化物って思ってるみたい。泣いた。
参加しなかったの、俺が怖かったからとかじゃ無いよな?
そして、漸く当日を迎えたのだった。




