プロローグ 5
後で発表があります
「キメヤ!そっち行ったぞ!」
「OKわかった!!」
俺は背中から【死ヘノ誘イ】を抜き、スキルを発動する
『相手の防御力を下げました!』
サンキュー!
「デスリング!』
剣で丸を作りながら相手を斬る。
地味にリアルで心臓が弱い方にはお勧めできないゲームだ。
あの後数時間して知ったことだが、ゲイバーはかなりの古参らしい。
自分に合わない、とのことで使っていないが、【シークレットレア】の武器をいくつか持っているらしい
「えーっと、今の時間は………キメヤ、もうすぐ閉幕祭り始まんぞ!」
「やばっ!急げ!」
あれからゲームをし続け、何時の間にか一日経っていた。
友達っていい物だな………。俺一人じゃこんな楽しめずに動画お蔵入り、もしくは半ネタ動画として出す所だったよ
その後、何とか俺等は間に合って、花火を最初から見る事が出来た。
「綺麗だな」
そうゲイバーが言う、俺は「ああ、そうだな」と返した。
『この花火が終わると、私とお兄ちゃんは離れ離れになってしまうんですね………』
………俺も寂しい、俺に妹なんて……家族なんて、いなかったからな。
……たった1日だけだったが、ここでの日々は夢のようだった。
始めて友達が出来て、妹が出来た。
昨日は視聴者を増やす為だけに始めたゲームでしかなかったが。
………もしかしたら、今まで何のいい物もくれなかった神様が、気を効かせてこのゲームを終わりにしてくれたのかも知れない(会社にとっては最悪だが)。
それが今、もうすぐ終わる。
そう考えると、目から涙が流れる。
そして、最後の花火が、散った。
静寂、永遠とも感じられる数秒。
その静寂は、スキルの言葉によって終わらせられる。
『!!お兄ちゃん!上に謎の生物が!』
一体何だ?
そう思い上を見上げ、目を見開いた
そこには、この世界にはいない筈の………天使が居た。
……いや、正しくは一人だけ居る。
このゲームのストーリー的ラスボス、『堕天使 ルシファー』。
強力な攻撃強化系スキルで敵を圧倒し、魔術反射系のスキルを使ってくるらしい。
大半のプレイヤーは挑んでいるが、未だ初討伐の一人以外クリア出来ていない。
インターネットに画像が載っていたが、ルシファーは、禍々しいオーラを放っていて、黒い翼にうねった角がある筈だ。
だが、その天使にそれと似通った部分は無い。
この為だけに作ったのか?……いや、あり得ない。
そんなことの為だけに使う金が有るなら別の事に俺なら使う。
じゃあ何か、大体わかった……ツヤリが行った通り、生物なんだ。
ここはVR世界、生物はいない、いるはずが無い。
《愚かなる人間共よ、聞くが良い。我が主君、神からの伝言だ!!》
オォォォォォーーーーー!!!!!
全員、盛り上げる為だけのNPCだと思っている、ツヤリでもいない限り、一瞬でそんな事考えるやつは居ないだろうからな。
《貴様等には、急遽異世界を救ってもらう事になった!今すぐ転移を行なう、する気の無いものは即刻立ち去るがよい!》
数百名がログアウトする、別ゲームの宣伝と感じたのだろう。
俺は残る事にする、丁度現実にうんざりしていた所だ。
《……少し数が減ったか、だが精鋭が残ってくれて感謝する!》
オォォォォォォーーーーーーー!!!
《ではゆくぞ!■■■■■■■■■転移!》
視界が白く輝く、目が潰れてしまいそうだ。
輝きが薄れていき、視界が戻る。
見える景色は変わらない、だが、マップが完全に変わっている。
本当に、異世界へ来たのか…………。
思わず、頬が緩んだ