再開、それは世界の秘密を教えてくれるものだった
平常心だ、平常心を保ってオドロキを相手に悟らせるな、俺!
「………まさかその技が使える者が生き残っていたとは……いや、現れたのか?召喚された勇者よ」
何か話しかけてきたよ…こっちはあんたの無対策ぶりに驚いてるんだよ
「残念、俺は勇者じゃなくて勇者の知り合いだよ。勇者より強いけどな」
「ほほう……でも召喚されたと言う所は否定しないのだな?」
「ああ、実際神に召喚……というより招待されたからな」
「そうかそうか…ははは!!やっぱ変わんねーな、お前!!」
「は?」
急に骸骨みたいな魔王が笑いだしたと思ったら謎発言してきた
今もなんか「あの話し方疲れるんだよなー!!」とか言ってたし
「あー、キメヤって呼んだほうがいいか?」
骸骨の魔王が黒い全身マントを脱ぎ捨てる
その中には見覚えのある服を着た骸骨がいた
「お前……倒して手に入れたのか?」
「俺がそんな事されるわけ無いと知ってるだろ?キメヤ」
黒いタンクトップに軍服のズボンのような物、背中には大剣と黒い羽、腰にはサバイバルナイフのような物が3本
「じゃあ、なんでお前がそんな事をするようになったのか聞こうじゃないか………」
間違いない
「ゲイバー」
ゲイバーだ
キメヤと別れた後、向かうあても無く荒野を彷徨っていた
「……てくださ…!」
何処からか女性の声が聞こえる
(助けに行かないと!!)
ゲイバーはそう判断し、聞こえた筈の方向へ走る
(ここら辺の筈なんだが……)
辺りを見渡すも荒野が広がるばかり
(聞き間違え………か)
ソラヲ見上げ、そこで見た
(っ!?)
巨大な檻を持った天使が降ってくるのを
急な事だった為、対処ができずに簡単に摑まってしまった
「おい!!ここから出せ!!」
「だめですよ、これは女神様からの命令です」
それに答えたのは天使、キメヤ達をここに連れてきた張本人の天使だった
「なんで俺が連れてかれるんだよ!!」
「この先の世界(展開)に登場されると面倒なんですよ……と女神様が言ってました」
「じゃあなんであの時別々に飛ばさなかったんだ!!」
「途中から二手に分かれて、再び出会うと片方闇落ちしてるのは王道展開!…と言っておられました。これに関しては私もしかねます」
「闇落ち?お前は一体何を」
「そろそろ強制的に切り上げますね。数百年前の世界で勇者としての冒険を頑張ってください」
ゲイバーの周りが魔法陣で囲まれる
「なっ!!……くそ!!俺は絶対闇落ちなんていないからな!!」
その話の後、ゲイバーは伝説を語り始めた
王都に妖精の勇者が現れた
その勇者は平民にも優しく接し、国に災厄が訪れようとすればすぐに退治してくれた
遂にその勇者は旅立った
その頃の勇者には妻と養子がいた
その二人の額に口付けをし、勇者は旅立った
三年の時が経ち、その勇者帰還する
それを祝す祭りは三日三晩続き、音楽が止むことは無かった
勇者に広い領地が渡された
その領地には街ができ、その街は平和だった
だが、それをよく思わない輩がいた
それは昔から国に仕える貴族達だった
貴族達は団結し、その街に暗殺者達を放ちこう命じた「街の者達を殺せ、報酬は十人に付き金貨18枚出す、だが月に40人までしか殺すな、それを守ったならばさらに金貨21枚出そう」
勿論暗殺者達はそれを守りながら何ヶ月も続けた
そこで貴族達が噂を流し始めた「勇者は魔物の殺しすぎで精神が異常になっている。殺すのがやめられなくなって街の人々を殺して快感を得ているのだ」と
その噂は妙に信憑性があった為に王の耳にも届いた
そしてその現場を見たと言う貴族が現れた
最終的にはその勇者は斬首、さらにその一家までもが斬首され終わるはずだった
その貴族達は、その数日後を最後に連絡が途絶え、さらに数日後にはその貴族達の家の者全員が斬首されるという事件が発生した
勇者の呪いと言われ、それに協力をした他の貴族達は天を仰ぎ、暗殺者達は誰にも知られる事もなく、静かに自害したと言われている
そして、その現場で謎の勇者の姿をした骸骨を見たと言う噂が流れている。
「これが、俺が落ちるところまで落ちた理由だよ」
「……………そうか」
こいつはまた、優しさを利用されたのか
「そうだよ、お前が思っている通りだと思う………んじゃ、やろうか」
ゲイコツ(命名)が背負う大剣に手を掛ける
…………………やる気か
「……おう、いいぜ」
俺も腰の剣に手を掛ける
「いっせーのーせで行くぞ…」
「おけ…」
「「いっせーのーせッ!!!」」
今日は東日本大震災から丁度七年です
当時の私は何もできず、『ぽぽぽぽーん』を見るしかやる事もありませんでした(丁度インフルエンザだったので)
被災者の方々や亡くなられた方々の事を思い、今を生きる自分の幸せを感じて下さい
真面目な話をしましたが頭を打った訳ではありません




