魔将が襲来しましたが、あまりにも弱すぎました
数日後の夜 王都近くの荒野
そこに動く黒い影、馬車だった
いや、馬車と言うより車と行ったほうが良いのだろう
自動で動いているのだから
「ねえーそろそろだるいんだけど、人間の街まだなの??」
車の中には4人、異形ながら人形の生き物が乗っている
その中の黄色い異形が仲間に話しかける
「もうそろそろ見えてくる筈」
それに対し、赤い異形が返答する
「なあ、一番攻撃は俺にさせてくれよ……もう待ちきれねぇんだ……」
次は紫の異形が話す
「いいぞ」
それに対し、また赤い異形が返答する。彼がリーダー格なのだろう
「へへっ……あんがとよ………」
「えー、僕も撃ちたいのにー!!」
黄色い異形が反論する
「あいつの言ってきた事邪魔すると俺等まで殺されかねん。死にたいなら勝手にしろ」
「てなこった……」
「えー………」
その様な、ふざけた雰囲気のまま車は進む
王都を潰しに
そう、彼等が、配下の一人すら連れて来ずに来た彼等こそが、魔将なのだ
「……………あのぉう、もう見えましたよ?」
「【死王列断】!!!!!」
緑の異形がその言葉を発した瞬間、紫の異形が何処から出したのかすら分からない鎌を横にスイングしながら技名を言い放つ。
死王列断、当たった相手を確実に殺害する効果を持つが同じ攻撃力の技で簡単に相殺出来てしまう鎌術最高位の技。
ドゴォォォォォォォン!!!!!
砂煙が巻き上がる
「あー!!!やっちゃった!!絶対人間の街全滅した!!!」
「お前、地味に俺も楽しみにしてたんだぞ?最強の人間と戦えると聞いて………」
「えと、僕は〜……別に」
「へへ…この程度で死ぬんじゃ相手すら暇も勿体無い……」
「とか言いながら、今使える最高の技使ったじゃないか!!!」
「うむ」
砂煙が晴れる
「………あ?」
「え?」
「マジかよ」
「……凄いね」
そこには無傷の城壁が立っていた
そして、無傷の男も立っていた
「これだけかよ、最高位鎌術の中の最低位じゃないか」
その男、キメヤはそう言い放った
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ある意味参ったね………死ぬかもだから家待機なとか言ったのにこの程度とか。
さっきのが限界なら、一発で行けるかな
「【完全ナル剣・一閃】」
死ヘノ誘ナイを抜きながら攻撃する
「くっ………ってあれ?」
魔将達に外傷は無い
「まさか……空振り?」
「ぷっ!!何が【完全ナル剣】だよ!!ただの素振りじゃん!!」
「本当にそうだと思うか?」
剣の達人は切りたい物だけ切れるとか孤児院の人が言ってた。
「何が…………!?」
【完全ナル剣】とは、それを元に作ったスキルシリーズ、【一閃】の場合は
「なっ、何だこれ……傷もないのに……痛いッ!!!」
魂を斬る
ゲームの時は、1回のみ防げる護符が普通に販売されていたので簡単に防がれてしまう可能性が高かったため、使う者は少人数だったが、そんな物が流通していないこの世界では最強に近い最高位一刀流スキルだ
「あと1分くらいもがいたら死ぬから」
俺は車から出てきて攻撃してこようとした3人に対して、腹パンを決めながらそう告げた




