獣王の、飯処
ただいまー
潮風が船を揺らす
俺は今海の上にいる
鯨(予想)が俺達の新たな旅ヘ祝福するかの様に潮を吹く
「そう…俺達の冒険は、ここから」
「お兄ちゃん、無理やり終わらそうとしないでください……」
「お兄様、暇なのはわかりますがここで物語を終わらそうとしないでください」
「君たちやめなさいよ、人がスッキリ台詞を吐いている時に現実的な事言うの……」
あ~暇、超暇……てか何さあの適当さ
『これ予約しといた宿の場所と宿代ね』
『へ?』
それに船よ、何この小船、この船で3日過ごせとか酷くない!?俺人間だよ!?
「そんなに荒ぶらないで下さいよ………それやり見て下さい!!絶望の3日間を乗り越え、遂に【獣人国 ライオネル】が目の前ですよ!!」
「おお!!まじか!!!ようやくこの船から降りれるのか!!!」
「ここから先は全力で行きます、お兄様は飛ばされないようご注意を!!」
「OK!!」
「「「ついたーーー!!!」」」
「よしまずは何がいい?」
「ご飯って皆が言っています!!」
「よし行くぞ!!」
〜飯処 獣王亭〜
飯屋の名前に使っていいのかよ
「おっちゃん、この店で一番人気の〜」
「はいよ!」
威勢がいいな………ライオンの獣人かな?
「へいお待ち!!」
これは………炒飯と餃子と拉麺……だとぅ!?
まさかこの世界でこいつが食えるとは………いつも家で冷凍の奴食べてたっけ…………
「じゃあ食うぞ、いただきます!!」
「「「「「「「「いただきます!!!」」」」」」」」
まず一口……美味い!!取り敢えず今までの人生の中で一番美味え炒飯だ……次は餃子……これも美味いな!!何!?中華の達人でも雇っているのか!?
「美味しい!!」
「美味です」
「美味しいです!!」
「「おいしー!」」
「美味しい……」
「美味、しい」
「美味しいね、これ!」
「だな!」
こう考えてみると、一年前の俺じゃ考えられない光景だよな……
「お、ラーメンを最後まで残すとはあんたわかってるね!!」
やっぱり拉麺なんだ……いやラーメンか
俺は汁を啜り始める………うめー
「ラーメンはいよ最後までとっておいて最後に汁を啜りながら食うのがいいんだよ、なぁ、獣王陛下!!」
俺は汁を吹き出した。
良かった、前に誰もいなくて…………じゃ無くて今なんて言った!?獣王陛下!?
「おい兄ちゃん、大丈夫か?」
「いや、貴方が獣王陛下と呼ばれていたのにびっくりして…」
「なんだ、知らずに入ったのか?ここは獣王陛下が経営する飯処、獣王亭だぞ?安い、美味い、多いの3つが揃った超有名店」
「いやそうじゃなくて!!獣王陛下がこんな所にいて大丈夫なのかなって事ですよ!!」
「なぁに心配するな、仕事なら全部補佐に押し付けて来た!!!」
「それ更に駄目じゃない!?」
「お、そうだ勘定だよ兄ちゃん」
「あ、はーい……て安っ!?これ明らかに赤字じゃないですか!!」
「いいんだよ、国家予算から抜いてるから!!!」
「それ本当に駄目じゃない!?」
この日、新しい王様の友達が出来た
ではでは




