第九十九話:次なる異世界は『雨上がり』を冠する世界
何だか随分とお久しぶりな気がしなくもないですが。
『のっちゃん』こと我らがご主人様の忠実なるしもべにして、ギフトという名の分け身のひとつ、マインでございます。
ある友人(未だそこ止まりであることには涙を禁じえないというか、自業自得な部分もあるわけですが)の、荒唐無稽な『願い』でもある、憧れの異世界へ行って大好きな人たちを助ける力になりたい、と言った、大分オブラートに包んでも大それたわがままに巻き込まれて異世界転移することとなったのっちゃん。
初めは、そんな友人……マナの正体にも気づくことができず。
そもそものっちゃんには異世界へ降り立って『おれつえー』や、『ハーレム』などを望むタイプであるどころか、異世界に転移したことですら理解し、納得せずとも受け入れるようになるまで幾星霜……
数百に迫る勢いの、のっちゃんに与えられしギフトによる『死に戻り』を繰り返してきたわけですが。
そんなマナや、マナが力になりたかった異世界のヒロインのひとりである『よっし~』さん。
そして、のっちゃんを支え、もう一人の(わたくしを含めて三人いますが)の自分として、のっちゃんのギフトがアバター化したわたくし、マインやルプレ、オーヴェの存在もあって。
始まりの異世界(音楽に根源を発する、超能力の蔓延る。荒廃しかけた未来の世界)を冒険し。
のっちゃんにとってただ一点の目標である、故郷へ帰るために、やりたくない面倒なことも我慢してこなしていくといった、物語の……ある意味テンプレな道筋にようやっと慣れてきた頃。
のっちゃんからすれば、唐突すぎるくらいに新たな異世界への扉が開かれました。
異世界への転移だけでなく、過去や未来にも渡らせる事ができるという意味で、神様にも等しい存在である、青光りするバスケットボール大の大きさのロボット、『シャーさん』に導かれて。
のっちゃんと相対するという意味で、既に一蓮托生となっていたわたくしたちは。
滅び行こうとしている始まりの異世界を救うためにと、みんなで新しい異世界へと向かうことになったわけですが。
その異世界への扉が、故郷には繋がっていなくて。
口には出しませんが、何が何だか分からないままに、流されるようについてきてしまったのっちゃんがそこにいるわけですが。
幸いにも、わたくしたちとの関係を続けていくこと自体は悪くはないと思っていただいているようなので。
野暮なことは口にはしないと決めまして。
その代わりに新しき異世界(通称『雨上がり』世界)について、これからを語ることにいたしましょう。
果たして、のっちゃんがこの世界でどんな人たちと出会い、何を成していくのか。
滅び行こうとするよっし~さんのふるさとを救うことができるのか。
その流れでのっちゃんがうまいこと故郷に帰ることができるのか。
あるいは『彼女』が『友人』からその先へ向かうことができるのか。
のっちゃんの分身のひとりである、わたくしからすれば、かなりむつかしいとは思いますが。
身内的な意味でも、のっちゃんの人生が豊かになっていくためにも色々と期待したいところですね。
(第100話につづく)




