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 僕の友人『N』の場合~どうしようもない彼に転機(死に戻りループ)が降ってきた~  作者: 大野はやと
第一章:『青空編』

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第九十七話:どうしようもない彼のわけみは、おおいに自身を謳歌する



さて、そんなわけで完全によっし~さんとのっちゃんの橋渡しな天使マスコットに落ち着いてしまったオーヴェに続い語るのは。


のっちゃんの忠実なるしもべにしてトラブルメーカーな小悪魔的ポジションの、ルプレのこれから、今後の展望でしょうか。



そもそものっちゃんが悪役扱いされたり、大魔王扱いされたり、よっし~さんに熱烈アタックを受ける事になるかも知れないなどのきっかけを作ったのは。

やっぱり彼女の、好奇心からなる自由すぎる行動によるものでした。

 

現実にすら遊ぶなどと言う名のルプレからすれば、異世界の英雄を育てる学園ということで。

まがりなりにもそこに通う事となったのっちゃんも、ある程度は守られるようになり、さほど死に戻り(それでもないわけではないところが、のっちゃんクオリティでしょうか)しなくなってあまりギフトとしても出番がなくなっていたのも、彼女を自由奔放っぷりを助長したのかもしれません。



それでも、彼女のその行動力はオーヴェやマインにはないもので。

のっちゃんにとって有用というか、プラスに働いているのも確かではありました。


そんな中でも一番大きかったのは、天使娘さんをはじめとする、あきらかにいろんな物語の主人公、

ヒロインであろう英雄候補な少年少女たちに目については突っかかって突貫していって、何やかや問題や事件を起こしつつも、真っ先に『仲良くなる』といった、のっちゃん自身の目的目標に導いていった事でしょう。



―――『でも、こんなあたしだって元をたどれば主さまの一部なんだぜ? こういうお茶目なとこあるの、お前らだってわかってるだろう?』


それは、オーヴェやマインが、そんなのっちゃんにとっても非常に役に立っているルプレを羨んでの言葉に対しての、ドヤ顔小憎可愛い彼女の言葉です。


言われてみれば思い出されるのは、かつての故郷での、内に篭るタイプのようでいて。

知らない、特に初対面のひとには結構率先して話題を振り会話を弾ませていたのっちゃんの姿で。



今はまだ、そんな小悪魔なくせに天衣無縫なルプレのように大胆にはいかないでしょうが。

いつかはルプレに引っ張られるようにして、胸を張って英雄や主人公のみなさんの仲間入りするのも、そう遠くない事でしょう。


のっちゃん自身の分霊わけみであるからこそ、ルプレはのっちゃんにとっても大切な家族、妹のような存在であり続けるはずで……。





一方……というか、それこそ手前味噌で申し訳ないのですが。

私、マインの行く末についても記しておきたいと思います。


やんちゃなルプレや、よっし~さんのものになっているオーヴェとは違い、ある意味普段ののっちゃんに一番近いところのあるマインは。

常にのっちゃんを影から支え、時には代弁しのっちゃんの気持ちを翻訳し、地の文でいることもあって、周りの皆さんにもあまり認識されずにいました。



それは、ギフトとしてのっちゃんを守るためにというのもありましたが。

ルプレとともに、あまりいたずらに知らしめてはいい事のない希少なギフトであるため、ルプレとは逆に隠れていたからです。


常にくっついているような感じで、たまには一人にしてくれというか、迷惑がられることもたまにありましたが。

ある時不意に、『……いつもさりげなくフォローしてもらって、助かってる』などといった言葉をいただいただけでもう十分で。

生まれてきて良かったといった日々を送っています。

のっちゃんにしてみれば、まぁマインも大事な家族、妹の一人なのかもしれませんが。



僭越ながらそれでも数少ない功労を上げるとするならば。

沢山の英雄の卵さんたちの中で、のっちゃんと似たようなギフトというか、一緒にいると仲間だと思われるでしょうマスコット的存在……人形サイズの使い魔を扱う主人公さんが結構いて、使い魔同盟というか、ネットワークを構築できたことでしょうか。


そんな同盟のトップめいた位置に落ち着く事になるのも。

のっちゃんの今後の道行きが栄光あるものになるためには、必要な責任なのかもしれませんね。





そして……。

これからののっちゃんの物語を、語り続けるにせよそうでないにせよ、結局一番大きく関わってくるのは、マナをおいては他にいないのでしょう。



この、英雄を育て行く学園……通称『雨上がり』世界でも、なんだかんだ言ってつかず放れずのっちゃんにちょっかいをかけ、のっちゃんの心を揺さぶり、喜怒哀楽を活性化させていく彼女。


マインにも負けないくらい頻繁に側にいて、学園を卒業することになっても当たり前のように共にあるだろうこと何より本人が確信を持っていたはずですが。



彼女はとにもかくにも、のっちゃんに負けないくらい、どうしようもなくややこしいのです。


始まりは間違いなく、のっちゃんにとって友人の一人であったはずのマナ。

それがどうしてのっちゃんのストーリーにとっての一番手なヒロインとなったのか。


早速ですが。

辛抱たまらなくなって、ついにはのっちゃんが聞いてはいけない事かもしれない部分に踏み切った……その一片を覗いてみましょう。




        (第98話につづく)







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