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閑話 巧妙な罠!?

幕間ではなく閑話です。

響也視点と、第三者視点で交互に入れ替わります。

◇が目印となっております。




「なんかこの感じ、久しぶりな気がするな」


俺達は魔大陸を発ち、優雅にクルージングを楽しんでいる。

特に急いでいるたびではないので、普通の速度で行こうという話になったのだ。

この速度で行けば次の目的地までは3,4日はかかるだろう。


このクルーザーはナルザビア王国のスレイン王から貰ったプライベートクルーザーなので、ビーチチェア?だかサマーベッド?なんかはデッキに元々備え付けられている。

俺は今そこで横になり、日光を浴びている。


今まで薄暗い感じの場所にいたのだし、ずっとせわしなくしていたから、明るい日差しの中こんなに落ち着いていられる事が酷く懐かしく感じた。

それを考えると、表の世界に来ようとする魔族の中には、この明るい世界に憧れている者もいるのではないだろうかと考えてしまう。

ヴィンやリリィのように混乱を招きたいとか、ただただ争いたいと考えている奴の方が多いのだろうとは思うけど、その中には・・・


まあ、考えてもわからない事を考えても仕方がないので、とりあえずは今を満喫することにしよう。



「ええ、ほんとにそうですね」


俺の独り言のような呟きに、左隣のビーチチェアで俺と同じように横になっていたリーエが、日差しに目を細めながら応える。

パラソルもあるし広げればいいのだが、今はなんとなく日差しを浴びていたいと思い広げずにいた。

リーエも俺と同じ気持ちのようで、パラソルを広げなくてもいいと言ってくれた。

ちなみにタマモは、俺の腹の上で狐の姿で丸くなって寝ている。


「こういうのは初めての経験だが、こうしているもの中々にいいものだな」


今度は俺の右隣のビーチチェアで、これまた同じように横になり目を閉じながらルクスが呟いた。

ルクスは今まで魔界にいて、表の世界に来たとしても魔大陸のみだったらしいので、特別新鮮に感じているようだ。


(ふん♪ふん♪ふ~ん♪)


ガブリエルは俺の上を漂いながら機嫌よさそうに鼻歌を歌っており、フェンリルは俺の横で日光を浴びて気持ちよさそうに眠っている。

しばらくは皆その状態でリラックスをしていた。

その内、俺もリーエもルクスもあまりの気持ちよさに眠ってしまった。




(・・・ヤ!・・・ウヤ・・・キョウヤ!!)

「――!!」


ガブリエルの俺を呼ぶ声で目が覚めた。

すると・・・


「なんだこりゃ!?」


あたり一面真っ白になっていた。

というのも、目の前が見えない程の濃い霧が発生していて視界がゼロの状態だった。


「タマモ!リーエ!ルクス!フェンリル!ちゃんといるか?」


隣のビーチチェアすら見えない、今のこの状況に焦った俺は皆の名前を呼んで存在の確認した。


「きょうや?あたしはいるよ!」

「私も大丈夫です!」

「ああ、私もここにいるぞ」

「うむ、我もいるのだ」


よかった、ちゃんと皆いるようだ。


(キョウヤ、皆無事みたいでよかったね~)


ガブリエルは俺の考えている事がわかるかのように、声をかけてきた。

魔力感知を持つ俺が、なぜこんなに焦ったのかと言うと・・・


この霧のせいなのか、魔力感知が全く働かないのだ。

さらにいうと、気配を探る事すら出来ない。

視覚や聴覚でしか確認が出来ない状態なのだ。


しかしその視覚でさえ、濃い霧のせいでほとんど見えない。

従って声で相手の位置を確認するしかなかった。


そして声の方向からすると、タマモは俺から離れ別の場所にいたようだが、他の皆は俺が寝る前と同じ位置にいるようで少し安心した。


中々晴れない霧に少しだけ不安を覚えたが、しばらくすると目の前が明るくなり、さっきまでの霧が嘘のように晴天の青空の下、眩しい日差しに当てられた。

しかも後ろを振り返っても、さっきの霧は影も形も見当たらなかった。


「どういう事だ?」


俺は疑問の声を口に出しても、それに答えられる者は誰もいなかった。

そして前方を見ると、一つの島がある事に気が付いた。


「も、もしかして・・・い、いえ、まさか・・・」


その島を見た時、隣にいたリーエがボソッと呟いたのを耳にした。

リーエは何か知っているのだろうかと思ったのだが、それよりも俺は綺麗な砂浜と緑豊かなその島に目を奪われていた。

やはり島と言えば男心、探検欲をくすぐる。


特に島なんて、日本にいた時ですら行った事が無い所か見る機会すらなかった。

TVで、特に海外の島を見て一度は行ってみたいと思っていたのだ。

ましてや目の前に広がるのは、まさにTVで見たような美しい島なのだ。

テンションが上がらないわけがない。


急ぐ旅でもないのだし、この機会を逃すわけにはいかない。

という事で、引き寄せられるように島の浅瀬まで近づいたクルーザーを流されないようにする為に、アンカーを降ろして固定した。

それはもちろん島に上陸し探索する為。

これは決定事項なのだ。


誰にも意見を聞かずに勝手にした事なのだが、俺の行動があまりにもスムーズだった為、他の連中は俺の行動に口や手を出す暇もなく、ただただあっけに取られている。

いや、フェンリルだけは特に関心なさそうに、日向ぼっこを楽しんでいた。


「と言うわけで、俺はこの島を探検してくるわ!」

「「「・・・」」」


うんうん、皆も納得してくれているようで良かった。


「・・・って、何がと言うわけなんですかあああ!!」

「そうだよ!きょうや何も言ってないじゃん!!」

「そうだぞ!脈絡が無さすぎて、呆然としてしまったではないか!」

(キョウヤ、ウキウキしているね~!)


違った。

別に納得してたのではなく、言葉が出なかっただけのようだ。

ようやく3人が我に返り、口を開いたと思ったら出てきた言葉は俺に対する文句だった。

ガブリエルだけは、いつも通りマイペースだ。


「いやいや、男と言えば島、島と言えば探検、これ常識」


島にテンションが上がっている俺は、もはや自分でも何を言っているのかわからなくなってきた。

でも、そんな事はどうでもいい。

俺にとっては、登山家に対して「なぜ山に登るのか」という質問に、「そこに山があるからだ」と答えるようなものだ。


「ちょ、ちょっと待ってください!この島はですね、おそらく・・・」

「ああ、いいからいいから」


リーエがこの島について知っているのか何かを言おうとするが、それを俺は遮る。

折角、何も知らない状態でこの島を探検し、発見するというワクワク感を得ようとしているのだ。

それなのに先に答えを言われてしまっては、それも半減してしまうという物だ。


「ちゃんと聞いてください!この島は危険なんですよ!」

「大丈夫だって。悪い気配も感じないし、万が一何かあったとしても問題ないだろう」


探検に危険は付き物だ。

そんな物が恐くて探検など出来るはずもない。

むしろ望む所なのだ。


「てな訳で、俺は一人で探検してくるからな。そんなに大きな島じゃなさそうだし、数時間で戻って来れるだろう」

「だから、ちょっ・・・」


俺はリーエがまだ話している途中にも関わらず、クルーザーから飛び降り駆け出して行った。


・・・

・・・・・・




◇◇◇




(キョウヤ、あっという間だったね~!)

「全くもう!キョウヤさんたら!こうなったら早く追いかけないと!」

「いや確かに、キョウヤが勝手な行動を取った事に怒るのは無理ないだろうとは思うが・・・しかし私は知り合ってまだそんなに経っていないとは言え、あんなにイキイキとしているキョウヤは初めて見たぞ?少し自由にさせてやろうではないか」

「うん、アタシも、嬉しそうなきょうやを見る事はあっても、あんなに目がキラキラ輝いているきょうやは初めてだから、止めるなんて事は出来なかったけどな」


ご立腹なリーエに対して、ルクスとタマモが響也をフォローするように、そしてリーエを宥めるような発言をする。


「確かに、さっきのキョウヤさんは母性本能を擽られます。しかし、違うのです。違うんですよ!」

「何が違うんだ?」

「??」


どうやらリーエは、響也が勝手な行動をした事について怒っているわけではなかったようだ。

ルクスとタマモは、リーエが何を言いたいのか全く検討もつかなかった。


「いいですか?この島はおそらく・・・私の予想が正しければ、管理者として世界を見ていた私ですら実際に目にした事の無い幻の島だと思われます」

「ほう?」

「へえ、そんな島があるんだ?」


「ええ、私が巡回している時に小耳に挟んだ噂話なのですが・・・もちろん、管理者であった私ですら知らない島などありえないと、その時は一笑に付していましたが・・・その噂話に出てくる島と、この島は類似する部分があるのです」

「それはどんな所がだ?」


「それはですね・・・晴れていたと思ったら急に視界を遮る濃い霧に襲われ、しばらくすると今度は急に霧がなくなり、これでもかといわんばかりの綺麗な青空が広がり、その先にはまた美しい島が現れたと聞きます」

「うむ、確かに私達の状況と似ているな」

「そうだね、きっとその人も同じ体験をしたんだね」


「暢気にしている場合ではありません!問題はその後です!噂が真実ならキョウヤさんの身が!!」

「きょうやならきっと大丈夫だよ~!」

「それに私達もいる事だしな」


「そういう事ではないんです!キョウヤさんに危険だと言ったのは、実はこの島は・・・」


・・・・・・

・・・・

・・


「な、なんだと!?」

「ちょっと!それが本当なら、こんな事している場合じゃないじゃん!!」

(ああ~、それはキョウヤやられちゃうかもしれないね~)


リーエから島についての噂話を聞いたルクスとタマモは焦り、ガブリエルは相変わらずマイペースだった。


「だから私は最初から言っていたんです!」

「そんな事を言っても今更始まらない!」

「そうだよ!今からでもきっと間に合うから急ごうよ!」

(キョウヤの事だから、きっと手遅れだよ~!)


4人は何だかんだ言いながら、急いで響也を追いかける事にした。


「・・・むう、何か我は蚊帳の外だな・・・」


フェンリルは一人寂しそうに呟いていた。




◇◇◇




やはり島を探索するのであれば一人で行動するに限る。

まあ、皆でワイワイしながらもいいのかもしれないが、俺は自由に見て歩きたい。


現に木々の中を歩き回っているのだが、色んな野生生物に遭遇したり、珍しい植物を発見したりとあちこちフラフラしながら歩き回っている。

非常に楽しくて仕方が無い。

思っていたよりも広い島のようで、中々探索のしがいがある。


しばらく木々の中を歩き続けていると、美しい野鳥の鳴き声が聞こえてくる。

その声に顔を向けると少し先に、これまた見たことの無いような美しい野鳥が木の枝に留まっているのが見えた。

赤や黄色、エメラルドグリーン等の数種類の色が見事なコントラストで彩っている。

体長は40cmくらいだが尻尾が長く、尻尾の先まで入れると1mくらいはありそうだ。


その美しい野鳥に惹かれるように、徐々に近づいていく。

すると、ある程度近づくとバサッと羽の音を立てて俺から遠ざかるように飛び立ち、少し先の木の枝に留まる。

さらに俺が近づくと、また同じように飛び立ち少し先の枝に留まる。


なんかどうにも俺を案内してくれているような感じなのだが、特に嫌な気配もしないので野鳥に導かれるように後を付いていく。

しばらく同じ事の繰り返しを続けていると木々が開け、そのまま野鳥はその奥に飛んでいった。


俺もその後に付いて行き木々を抜けると、最初に目に入ってきたのが白い砂浜と底が見えるような透き通った綺麗な海。

そしてその周りを囲むように高い丘がそびえていた。


どうやらここは島の入り江のようだ。

入り江の海側の入り口もそんなに大きくない為、おそらく島の外からでも見えにくくなっている事だろう。


俺はその光景に心を弾ませながら、砂浜に足を一歩踏み入れた。

するとそこで俺を待ちうけていたのは・・・




◇◇◇




「急いでください!早くしないとキョウヤさんの身が・・・!」


リーエは焦りの声を上げた。


「わかっている!が、しかし、キョウヤがどこにいるかわからないのだろう!?」


4人は響也が向った方向へ駆け出したのはいいが、その後は木々の中をさ迷っていた。

というのも、魔力感知が上手く働かないため、ルクスが言うように響也の位置を特定出来ずにいたのだ。


「急がないと、キョウヤに危険が危ないよ!」


タマモも焦っている為に、何を言っているのかわからなくなってきた。


(これはきっと、キョウヤはやられちゃっているね~!)

「「「――!!」」」


暢気なガブリエルの言葉に息を呑む3人。

ちなみにフェンリルはクルーザーの番も含め、お留守番中である。

今頃はきっと、ぽかぽかな陽気に当てられお昼寝しているのであろう。


「い、急ぐぞ!!」

「そうですね!」

「早く見つけないと!」


ルクスが走り出した事に、リーエとタマモも後に続く。

本来であればバラバラに探した方が効率的なのだろうが、魔力感知が働かず互いに位置を把握できない今は、一緒に行動するべきと考えていた。

そんな中、ガブリエルは一人楽しそうにその後についてきている。




◇◇◇




「くっ、くそっ!なんて事だ!こんな罠が待ち受けているとは!」


俺はまさかの事態に驚愕し、全く抗えずにいた。


「俺はもう駄目だ・・・皆、あとは頼んだ・・・」




◇◇◇




どのくらいの時間を探し続けたのだろう・・・

4人は響也を導いた野鳥に出会う事もなく、ずっと探し続けていた。


「くっ!こんなに時間が経ってしまっては・・・」

「まだ諦めるのは早いです!」

「諦めたらそこで・・・終了だよ!!」


ルクスが諦めかけたのだが、リーエはまだ諦めきれない。

タマモが何を言いかけて(ツグ)んだのかはともかく、彼女も諦めてはいない。


(もう無理だよ~。キョウヤがやられてないわけないじゃ~ん)


ガブリエルは、もう手遅れだといわんばかりだ。


「くっ、貴様はキョウヤと一番長くいて心配ではないのか!?」

(え~?私が何を心配する事があるの~?)


ルクスが問いかけた事に、キョトンとするガブリエル。


「もういい!貴様にはもう聞かん!」

「ガブリエルさんの事を気にしても仕方ありません。それよりも、まだ探してない場所を探しましょう!」

「うん、そうだよ!こっちに行ってみよう!」


焦っている3人とマイペースな1人は、まだ行ってない方向へと向っていった。


しばらく進むと木々が開け、そこを抜けた先の光景は響也が見たものと同じであった。

少しだけ違ったのは・・・


「ああー!遅かったか!!」

「キョウヤさん!なんてこと!!」

「きょうや~!!」

(あ~あ!あれはもう駄目だね~)


ルクスは天を仰ぎ、リーエは膝が崩れ座り込み、タマモは怒りと悲しみを含んだ顔で目の前の光景から目を離さなかった・・・




◇◇◇




「ん?」


俺は海に仰向けで浮かんでいて、叫び声に気づきそちらに顔を向けた。


「ああ、あいつらか」


4人の姿を確認するとボソッと呟いた。

俺は今、あいつらに構っている場合ではない。


まさかこの島に、こんな罠が隠されているとは思いもしなかったのだ。


俺は今、数匹・・・いや、数人に囲まれている。

抜け出す事など不可能である・・・


なぜなら・・・




この島は人魚島だったからである!


そう、何を隠そう、俺の周りにいるのは全て美しい人魚なのだ!

抜け出せるはずも無かろう!

しかも彼女達は俺を見て逃げ出すどころか、人懐っこく寄って来るのだ!


そりゃ、リーエのようなエルフやタマモのような獣人も、実際に見てみたいとは思っていたさ。


だがしかし!

人魚といえば、男の憧れと言っても過言ではないだろう。


しかしそれでも、まさか俺がここまでやられるとは思っていなかった。

リアル人魚にここまでの破壊力があるとは思ってもみなかった。

俺は人魚を甘く見ていたようだ・・・


現に、食べやすくして差し出された新鮮な魚介を、直接人魚の手から食べさせてもらったりしている。

俺は今、人魚と楽しく戯れているという状態だった。




◇◇◇




「・・・まさかこんな事になろうとは」

「だから最初からキョウヤさんを止めるべきだったのです!」

「今更そんな事言っても始まらないよ!早くきょうやを連れ戻そうよ!」


3人は我に返り、思い思いを口にする。


実際、先ほどリーエが皆に聞かせた話がこうだ。


噂では急に現れた島に辿り着いた者が島をさ迷い歩き、行き着いた先に現れたのは人魚であったのだと。

ただそれだけであれば、そこまで焦らなかったのだろう。

しかしリーエが続けて説明した事で一変したのだ。


――異世界人の男は人魚が好きで、メロメロになり骨抜きにされるのだ!――


と。

それを聞いたルクスとタマモが焦り、自分で言っておきながらさらに焦りを募らせたリーエ。

もちろん噂なので大げさにされているのだが、悲しき現実が目の前の光景となって現れている事が、噂は正しかったのだと実感させられる。


しかし3人は、こんなことでめげるわけにはいかない。

なんとか気力を振り絞って、一歩ずつ響也へと近づいていく。


その様子を楽しそうに見ているガブリエルだった。




◇◇◇




随分と大人しいなと思い、ふと3人に目をやると徐々に近づいてきている様子が見えた。


-俺を連れ戻そうとしているんだな?


しかし、悲しきかな・・・

俺の心は既に決まっている!


「よう!お前らには悪いけど、俺は一生この島に住む事にしたから!もう一緒には旅する事が出来ないけど、達者でな!」


俺はこの楽園(エデン)を見つけた事で、俺の旅はここで終末を迎えるのであった・・・






完!






「完!じゃありません!キョウヤさんはバカですか!?バカなんですか!?」

「ああ、キョウヤはバカだな!バカ以外何者でもない!」

「きょうやはバカだよね?バカでしょ!バカに決まってるよ!」

(キョウヤのばかばかばかばかばか~)


皆からバカにされた・・・


いや、ルクスさん?

俺はバカ以外の何者でもあるぞ?


タマモさん?

君は二人に比べてバカの回数が一回多いよね?


ガブリエル・・・

お前はただ言いたいだけだろう・・・

顔が笑っているし・・・



その後、強制連行される俺を、人魚が寂しそうにしながらも見送ってくれるのであった。


俺も名残惜しい・・・

と考えていると、3人から睨まれた・・・



予断ではあるが、この島が発見されない理由は、霧が島を守ってくれているのだとか。

魔力を帯びた霧が、悪意を持つ・もしくはこの島にとって害のある者を判別し、その様な者達はそのまま霧の外へ戻され島に辿り着く事はない。

悪意・害意の無い者だけが、霧を素通りし島に辿り着けるのだそうだ。

そしてそれを知っている人魚も、この島に来る人は良い人ばかりであると考え、俺を受け入れてくれたのだそうだ。



俺は強制連行されながらも、いずれまたこの島に来ようと固く誓ったのは言うまでもない。







「・・・我の出番は?」


悲しげなフェンリルの声が聞こえたような気がするが、気のせいである。





お読みいただきありがとうございます。


幕間ではなく閑話とさせていただいたように、本編に沿りつつも直接はあまり関係していません。

無駄話として楽しんでいただければ幸いです。


以前から申し上げておりますが、中々執筆が進んでおりません。

というのも、平日はあまり書く事ができず、ほとんど土日のみとなっておりますが。

土日もやることあったりなんだりと書けない事が多くなっております。


なので今まで読んでくださっている方には申し訳ございませんが、

1ヶ月に1回ペースになるかもしれません。

それでもお付き合い頂けるのであれば、今後もよろしくお願いいたします。


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