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第23話 聖域の番人

遅くなりました。






もう少しで聖域の森の結界に着くという所で、先ほどのクラネイアとガブリエルの対話を思い出していた。


正直言うと、俺自身は助かったと思っている。


というのも、本来であれば俺自身がなんとかしようと思ってはいたのだが、俺 (人間)の言葉を彼女が聞くとは思えない。

それならば起こりうる可能性を考えると、いくら話し合いをしようとしても最後には戦闘になってしまっていただろう。


もちろんその場合でも、彼女達に危害を加えるつもりはないが、タマモとリーエを守りながらこちらはダメージを受けず、彼女にダメージを負わせないで無力化するというのは、今の俺の力では無理だと考えざるを得ない。


どちらかに必ずダメージを残してしまうだろう。

そして無力化出来たとしても、戦闘を行なってしまった結果、遺恨を残して しまう事は間違いない。


それを考えたとき、ガブリエルが介入してくれた事はありがたいと感じた。


考えてみると今までずっと自分一人で、そして自分の力だけで全て乗り越えてきたし、自分だけで出来ると思っていた。

だから“聞く”事はあっても、誰かに“頼る”という事が無かった。

でも、偶には誰かに頼るのも悪くは無いのかもしれないと思った。


(サンキューな)

(ん~?何か言った~?)

(いや、何でもない)


自分が頼ったことで礼を言うのは少し恥ずかしかった為、ガブリエルに頭の中で小さく礼を言っておいた。



「あの辺りから結界です」


リーエが指を差して結界の場所を教えてくれる。

歩を緩め結界に近づいたが、見た感じでは特に変化はない。


「きょうや~、なんか変な感じがするよ」


結界そのものは見えないが、リーエが示してくれた結界の境界線でタマモが手を伸ばし確認していた。


タマモ曰く、結界内に手を入れると何かホワッとするらしい。

タマモなので正確に伝える事が出来ないのは仕方が無い。


「見た感じでは何も変わらないんだがな」


タマモが手を出し入れしている姿を見ながら、俺も辺りを警戒しつつ結界の外と内の違いを確認している。


前にもリーエから聞いた事だが、結界と言っても中に入れないようにしているものではない。


外部の者が中に入ったのを惑わす効果を及ぼす物だ。

入ったとしても直ぐに元の位置に戻されるようになっている。

同じような景色が続く森の中では、元の位置に戻された者がそれに気づく事が出来ず、ほとんどの者がそのまま森の外へと向かってしまうらしい。


今回はリーエが一緒に居る為、結界に惑わされる事はないそうだ。

というのも、この聖域の森に住む者は皆、この結界の効果に耐性があるとの事。


まあ、そりゃそうだ。

何らかの理由で外に出て戻って来られない、なんて事になったら目も当てられない。



「では、行きましょうか」


ここで考えていても仕方が無い。

リーエが先頭に立ち、結界の中に入っていく。

俺とタマモはそれに続いて入る。

ガブリエルは元々、結界とか関係ないので問題はない。

一部の結界は除くらしいが。


結界の中に入ると、なるほどと思った。

タマモの言っていたことが、言い得て妙だ。


確かに何かが体を包み込むような感覚に陥る。

ただこの感覚も、魔力感知などの魔力に関して優れている者でないと気づけないレベルなのだろう。


そのままリーエに付いて行く。

タマモには離れないように注意しておく事を忘れない。

結界の中に入ってから、体にまとわりつく感覚になれないらしく、さっきからキョロキョロしているからだ。


リーエもその様子を見て、何かを考えた様子を見せて口を開いた。


「はぐれるといけませんから」


そういって、俺の左腕に絡み付いてきた。


「あー!」


それを見たタマモも負けじと右腕に絡みつく。


いや、タマモさん。

何を張り合っているのやら。


まあ、はぐれるよりはいいかとそのまま進んでいく事にする。


両腕にマシュマロのような柔らかい山を感じるのは気のせいである。

二人を引き剥がさないのは、決してそれが気持ちいいからとかそんな理由ではない!

はず・・・


いつの間にかガブリエルも俺の後ろから、俺を包み込むように抱きついているが、彼女は触れている感覚がないので放置である。

決して残念とは思っていない!


いや・・・

マジな話、いつもガブリエルだけ誰とも触れ合えないんだよな、と考えた時少しだけ寂しく感じガブリエルの方をチラッと見た。

それでも楽しそうにしているガブリエルの姿を見て、俺はフッと笑ってしまった。


そのうちいつかは・・・



さらに進んでいくと、段々と霧が出てきて視界が狭くなってきた。


警戒を強めながら、そのまましばらく進んでいくと複数の気配を感じた。

気配と言ったのは、結界の中に入ってから魔力が渦巻くように張り巡らされており、魔力感知が正常に働いていない為に第6感に頼るしかなかったからだ。


まあ第6感に頼るまでもなく、これだけこちらに対し敵意をむき出しにしていれば気づくのだが。


リーエとタマモもそれに気づいているようで、俺の腕から離れ戦闘できるようにしている。

感覚的なものだけで言えば、二人は俺以上に敏感なのだから当たり前だが。


リーエの場合は戦闘するためというよりは、何かあった時に対処する為に神経を張り巡らせているのだが。

タマモはいつでも戦えるようにしているが、一切攻撃はするなと言ってある。



警戒しながら少しずつ進んでいるのだが、気配がさらに増えてきた。


ビュン!


その時、俺の顔を目がけて一本の矢が飛んできた。


俺はその矢を難なく受け止める。


さらに追い討ちをかけるように、あらゆる角度から矢が飛んできた。


「よけろ!」


俺は二人に指示を出す。

それに反応した二人は、上手くかわしていく。


もちろん飛んでくる矢の数が多いので、全部はかわしきれない。

かわしきれなかった矢は、リーエは風の魔法を使い矢の軌道を変え、タマモは矢に合わせて自分の前に狐火を出して焼き尽くす。


俺もなるべく避けてはいたが、避けた先が二人に当たる軌道の矢に関しては、風の魔法で打ち落としていた。


「あっ!」


矢に気を取られていたタマモの足に何かが絡みつき、タマモが引っ張られていく。

それを見つけた瞬間にストレージからダガーを取り出し、タマモの足に絡み付いていた何かを切りタマモを抱えて直ぐにリーエの側に戻った。


「ご、ごめん、きょうや」

「ああ、気にすんな」


タマモの足に絡み付いていたのは、張り巡らされた木の根だった。

それを引き剥がし回りに注意を向ける。



さすがにきりがないな・・・



そう考えた俺は、俺はリーエをタマモの腕を取って近寄せ多重結界を張った。


これである程度の魔法も物理攻撃も無効化できる。


案の定、矢は結界に当たって落ち、それに気づいた彼らは魔法を使って攻撃してきているようだが、それも結界に阻まれここまでは届かない。


それでも彼らは攻撃の手を緩めようとはしていない。

仕方が無いので、出来る限り最大限の殺気を魔力に乗せて飛ばしてやった。

その上で言葉を投げかけた。


「攻撃をやめて話を聞いてくれ!俺たちにお前らを攻撃する意志はない!」


俺が殺気を飛ばし、言葉を発したのと同時くらいに攻撃が止んだ。

しかし姿を見せる気はないようだ。


あれだけの殺気を飛ばしたのだから、それも仕方の無い事だろう。


「俺達は何があっても攻撃をしないと約束する!だからとりあえず話を聞いてくれないか?」

「・・・・・・・その前に、その殺気を鎮めてくれ・・・」


俺は周りを囲んでいる連中全員に聞こえるように声をかけた。

まさか本当に応えてくれるとは思っていなかったのだが、俺の声に反応を示してくれた。

さすがに声はすれども姿は見せてこない。


俺はすぐに放っていた殺気を抑える。


「これで姿を現して話を聞いてくれるか?」

「・・・それは出来ない。あれだけの殺気を放つような奴の前に、おめおめと姿を見せることなど出来るわけがない」


まあ、そりゃそうだよな。


「攻撃をせずに話を聞いてくれるのであれば、それでも構わない」

「お前の話を聞くつもりも無い。お前達に求める事は唯一つ、即刻ここから出て行け!」


話には聞いていたが、やはり一筋縄ではいかないか。

クラネイアの話に度々出ていた“彼ら”と呼ばれた聖域の森の番人とは、こいつらの事なのだろう。


「悪いが先に進ませてもらう。どうしても行かなければならない」

「ここから出て行かないというのなら、先程と同様に力ずくで追い出すまでだ!」


「それは出来ない事を教えてやったはずだが。さらに言えば、姿は見えなくても俺達を囲んでいるお前らの場所はわかっているぞ?その上で俺達に攻撃の意志はないと言っているんだが・・・」

「・・・それでもだ!それが俺達の役割だからな!」


「シュタイナー!お願いだから話を聞いてください!」


俺は最初から普通に説得するのは難しいと考え威嚇して引いてくれたらと考えていたのだが、それでも引かない彼らにどうしようかと思考を巡らせていると、業を煮やしたリーエが口を開いた。


「・・・リューンエルス様?」


シュタイナーと呼ばれた男は、まさかリーエが居るとは思っていなかったらしく驚いて、木の枝の上に姿を現した。


「何か懐かしい気配がすると思ったら、リューンエルス様だったのですか・・・」

「はい。シュタイナー、お願いです。私達を通してください」


シュタイナーはエルフだった。

金髪の長い髪をオールバックに流し、端正な顔立ちでエルフ特有の長い耳を持ち合わせていた。


「・・・でしたらなおさらの事、ここを通すわけにはいきません」

「そんな・・・」


リーエは元々彼らの上司に当たるわけだから、リーエに対し言葉遣いは正したのだが、通してくれる事とは別のようだ。


「貴方様は、我々を見捨て聖域から立ち去ったのです。掟により貴方は排除対象なのです・・」

「もちろんそれはわかっています。私が何を言っても言い訳にもならない事も・・・でも彼女も・・・クラネイアも納得はしていないけど通してくれました」


「クラネイア様が?あの方と会われたのですか?」

「ええ、クラネイアは結界の外で私達を排除するために現れましたが、話を聞き入れ通してくれました」


「・・・クラネイア様が・・・ですが我々には何も伝えられておりませんので、我々の判断に委ねるということでしょう。それならば、やはりあなた方をここから通すわけにはいきません」

「・・・」


彼らの言い分もわからなくはない。

ずっと掟に従って生きてきたのだし、ここで俺達を通してしまえば今まで掟に従ってきた自分たちを否定する事にもなる。


今までの自分の考えを変えるという事が難しい事を俺自身も理解している。

一人で生きてきた俺にとって、例えば“仲間が居た方が楽しいよ”と言われたとしたって、それは相手の考えであり俺の考えではない為に安易に受け入れる事は出来ない。


ただ今はタマモやリーエが仲間に居てくれて楽しいと思えるようにはなった。

それは自分自身が経験したからであり、人に言われたからではないのだ。


誰だって、一度でも経験すれば考えが変わるかもしれないが、経験のない状態で人から言われた言葉だけでは考えを変えることなど難しい。


クラネイアもガブリエルという本来なら手も届かぬ存在に言われた事で、無理矢理納得してくれたようなものなのだろう。


何度もガブリエルの力を借りるわけにもいかないし、おそらく彼らではガブリエルの存在は認知する事は出来ず適わない。


リーエとシュタイナーだと平行線を辿るだけだな。



「なあ、あんたらの言う事は理解できるんだが、俺達は大事な仲間の為に聖樹にいかなければならない」

「それは出来ないと言っている!」


「まあ話は最後まで聞くんだ。俺達を通さない理由は、外部の物が入り込む事で聖域の森の調和が乱されると考えているからなのだろう?出て行った者を受け入れないのも、外部から唆されている場合や、余計な知識や病気なども含め不穏分子を入れないためなのだろう?」

「ああ、そうだ」


「俺が森に害を成すと考えているのなら、それは杞憂だ。なぜなら、もし俺達がその気だったのなら、わざわざ話し合いをしてだまし討ちにする必要性がない。何も言わずに殲滅すればいいだけの話なのだから。さっきのでわかっているだろう?」

「そ、それはそうだが・・・」


「お前達がいくら俺達を攻撃しようと、こちらには攻撃の意志は一切ない。何も抵抗をしないものをいたぶる事がお前達の正義・掟なのか?」

「・・・・」


「それでも納得は出来ないのだろうな?だったら、どうすれば信用してくれる?俺が自分で腕の一本でも斬り落としていけば信用してくれるか?」


「「!!(!!)」」


タマモとリーエ、ガブリエルがビックリしたように、一斉に俺のほうに顔を向けた。


「そうだな、それならば少しは信用してやろう!」

「ちょ、ちょっとキョウヤさん!何バカなこと言っているんですか!そしてシュタイナーも煽るのをやめなさい!」


「よし、わかった!」

「よし、わかったじゃありません!」

「きょうやはバカなの!?それともバカなの!?」

(キョウヤ~本気~?)


え~?タマモさんや、それって一択じゃないか?


俺が意気込んで返事をしたことに、リーエとタマモ、ガブリエルが各々声を上げる。


それらを無視して俺はストレージから剣を取り出し鞘から抜き、鞘を持ったままの左手を前に伸ばし、剣を持った右手を左腕に向かって振り下ろした。


「「ちょっ!」」



が、少しだけ腕に食い込んだだけで止まった。


もちろん自分で止めたわけではない。


俺の発言が本気だとは思っていなかったうちのお姫様方は、油断していて反応が遅れたのだが、それでもタマモは俺の右腕を、リーエは真剣白刃取りの様に刃を受け止めていた。

何も出来ないガブリエルは、ハラハラしながら見ていた。


少し切れた腕から血が下に垂れ、剣の刃にも伝い(ツバ)から血が滴る。



「キョウヤさん!バカですか!?いえ、バカですね!?ええ、大バカですよ!!」


あれ~?

リーエが三段活用で自己完結してしまった。

リーエは涙目で睨んでくる。


「う~、きょうやの・・・バカバカバカバカバカバカバカバカ~~!!」


タマモは涙目どころか大泣きしてしまった。

タマモにここまで、バカ言われてしまうとは・・・


(キョウヤのバカ~!ビックリさせないでよ~!)


ガブリエルにまでバカ呼ばわりされてしまった。



「ちょっと、お前ら落ち着けって!」

「落ち着けるわけないじゃないですか!本気で斬るつもりでしたよね!?」

「そうだよ~!きょうやはバカだよ!」

(女の子を泣かした罪は重いんだよ~!)


リーエは本気で怒りながら、俺の腕に回復魔法をかけている。

俺はタマモにバカ認定されてしまったらしい。

いや、ガブリエルさん?なんか怒っているベクトルが違わないか?


「これで信用してくれるなら安いもんだろう?」

「だったら私もやります!」

「あたしもやるよ!」

(私もやる~!)


俺の発言にリーエとタマモ、ガブリエルまでが口をそろえて同じ事をすると言い出した。

いや、ガブリエルは見えてないんだから意味ないだろう。


いやいやそういう問題じゃない。


「バカな事を言うな。お前らまでやる必要はないだろう」

「バカはキョウヤさんです!」

「バカはきょうやだよ!」

(キョウヤの甲斐性なし~!)


もう俺はバカに定着してしまっているらしい。

ガブリエル!

ドサクサに紛れて何言ってやがる!


「わかったわかった、もうやらないから落ち着いてくれ」


さすがにこれ以上はきりがなさそうだから、素直に謝ることにした。


「すまんな、という事で俺の腕を落とすのは無理みたいだ」

「・・・茶番だな」


シュタイナーに言われたように完全に茶番になってしまい、逆に申し訳なさが出てきてしまった。


「ああ、本当にすまんな。俺も予想外だったんだ」

「・・・もういい、気が削がれた」


「・・・?」

「ここを通してやると言っているんだ」


お?

なんだかわからないが結果オーライか?


「いいのか?」

「ああ、お前のような奴が聖域を荒らすような事はないだろう」


そういいながらリーエの方をチラッと見ている所を見ると、シュタイナーも本当はリーエに攻撃をしたくないのだろう。


「ありがとう!シュタイナー!」


満面の笑みでリーエが礼を言うと、シュタイナーはそっぽを向いた。

その横顔が少しだけ赤くなっていたのは、気のせいではないのだろう。


シュタイナーが手を上げて合図をすると、今まで隠れていた者達が続々と顔をだした。


ホビットが10数人、エルフがシュタイナーを含めて5人。

樹人種(トレント)も居るのだが、こちらは木に顔があるというだけなので、ぱっと見では普通の木と見分けがつかず、正確にはどのくらい居るのかはわからない。


シュタイナーは聖域の森の守護隊長らしく、彼が認めたのならば他の連中はそれに従わないといけないらしい。


秩序を守るためとはいえ、聖域の森でこんな上下関係があってもいいのだろうかと疑問に思ったのだが、立場は対等であっても指揮を執ったり纏めたりする人が居ないと、いざという時に動けないとの事だ。


特に今回のように戦闘になった場合なんてなおさらだ。

相手の強さや状況を見極め、時と場合による戦略を立てないといけないが、それを負かされているのがシュタイナーなのだ。



今はシュタイナーに連れられて聖樹へと向かっている。

その間にリーエがシュタイナーに今回の件について話しているようだ。


森を出た理由についても簡単に説明をしていたようだが、リーエはまだ何も成し遂げていない上、今はそれどころじゃないからと詳しくは話さなかったようだ。


シュタイナー以外のエルフも全員美形で髪の色は金髪が多いようだが、他にもエメラルドグリーンやブラウンもいるようだ。

リーエのような白金色(プラチナブロンド)はめったに居ないとの事だ。


そしてそのエルフ達は、シュタイナーの後ろを歩きリーエの話を聞いていたようだ。



そして俺達と一緒に付いて来ているホビット達は、俺達と接していいとわかると以外に人懐っこかった。

ホビットは大体1m前後くらいで、頭の位置が俺の腰くらいの高さだ。


さっきから話を聞きたいらしく、俺のズボンの裾をあちこち引っ張られて質問攻めにあっている。

タマモはどちらかというと野生に近いのだから、直ぐになじんでいるようだ。



リーエがシュタイナーとある程度話し終えた所で、俺の側までよってきてさっきの事の説明を求めてきた。


「いや、まあ、もし俺が腕を落としたとしても、生えてくるかと思って?」

「生えません!それに何で疑問系なんですか!」

「だってきょうやはバカだもん」


タマモ、まだそれをひっぱるか!?


「それは冗談だけど、実際リーエも回復魔法使えるわけだし、俺も使えるから何とかなるだろうと思っただけだ」

「だとしても!・・・だとしても、もう二度とやらないでください。キョウヤさんがやるくらいなら私がやります!」

「あたしもきょうやの代わりにやる!」

(キョウヤの甲斐性無し~!)


っておい!ガブリエル!


「ダメだ!女の子にそんな事やらせるわけにはいかない!」

「お、女の子だなんて・・・も、もう!キョウヤさんったらお上手なんだから~」


え?いや、どこに食いついてんだ?

リーエは両手を頬にやって顔を真っ赤にしながら体をクネクネさせている。


「きょうやのえっちぃ~!」


おいこらタマモ!

人聞きの悪い事を言うな!

タマモもリーエに合わせて、同じような仕草をして体をクネクネしている。


(キョウヤの甲斐性無し~!)


いい加減にしようか?ガブリエル君?

ガブリエルまでが同じような仕草で体をクネクネしている。


はぁ~・・・


3人を横目にため息を吐きつつ聖樹に向かって歩いていった 。




・・・あれ?おかしいな・・・


5000文字ちょっと位で終わるはずだったのに・・・



前話のクラネイアの時も、今回のシュタイナーの時もそうですが

随分と素直に引いてくれると感じた方もいらっしゃると思いますが

本気で書いていくと、まだまだ長くなりそうなので

必要な部分 (それでも今回は長くなってしまったけど)だけをかいつまんで

納得させたようにしています。


その短いやり取りの中で、お互いの言葉や態度、かもし出す雰囲気などから

相手の強さを量ったり、腹の探り合いをした結果と考えていただければと思います。


今回も読んでくださり有難うございます。


次回の投稿は未定です。

一週間以内には投稿出来ればと考えています。

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