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第20話 激動の一日 結末

予定を変更し短いですが載せる事にしました。







・・・

・・・・・・

・・・俺には誰も守れない・・・


・・・俺はまた守れない・・・


・・・俺はこの世界に来てまだ誰も守れていない・・・


・・・俺は無力だ・・・


・・・みんな俺に関わったからか・・・?


・・・俺は思いあがっていた・・・


・・・俺には守る力があるのだと・・・


・・・俺は無力だ・・・


・・・俺は自分の世界でも、自分が嫌われようと目に映る者を守っていたつもりだった・・・


・・・でも本当は・・・?


・・・俺は関わるべきではなかった・・・?


・・・俺は無力だ・・・



・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・・


・・・いや、違う!


・・・俺はまだ何もしてはいない!


まだやるべき事、やらなければならない事があるだろう!


ルチの罰は俺だけが受けるべきなんだ!

彼女達が俺と一緒に受けるべき罰ではない!


俺だけが受ける罰なら受け入れる!

だが、それに関係ない彼女達を巻き込ませるわけにはいかない!


関わってはいけないのではない!

もうすでに関わってしまっているのだ!


彼女達はまだ生きている!

だったら何が何でも守って見せろ!


自分が弱い事をルチのせいにするな!

自分の弱さを受け入れろ!


俺には誰も守れない?


守れないじゃない!守るんだ!


俺はこの世界に来るとき何を望んだ!?


そうだ!助ける為、守る為の力を望んだはずだ!


その時の気持ちは偽りか!?


いや、違う!


それは口だけか!?


いいや、違う!


俺には守るべき者が出来た!


未だにこの世界に受け取った力が何かはわからない。

それは俺がまだその力を使えるほど強くないからだ!

だったらそれを使えるほど強くなればいい!

今はそれを使わなくてもできる事があるはずだ!


それにミランダを倒す時、決めただろう!


修羅にでも身を落とすと!


ならば俺がする事は守れるか守れないかじゃない!


守るんだ!



それを決心したとき、心のそこから湧き出てくる力を感じた。


その時、『称号:修羅により一時的に全ての能力の開放、称号:揺ぎ無い意思により一時的に痛覚無効』


と頭の中に声が流れてきた。

基本的に称号を得てもどういう効果があるのかわからないが、何らかの条件で発動した場合はわかるらしい。

まあ、そんなものはどうでもいい。


この状況で発動してくれたのは好都合だ!


今は動けるだけでも構わない!


俺は手を足に力をこめて立ち上がる。

奴は俺が起き上がった事に気づいていない。



タマモとリーエは俺との約束のために、俺がやられていてもユーリを逃がそうと入り口近くまで進んでいた。

その三人のすぐ近くまでクラウンは移動していた。


タマモとリーエはユーリを寝かせ、守る為に戦う事を決意し構えている。

その二人にクラウンは剣を振り下ろそうとしている。



させるかよ!



俺は縮地を使いクラウンに一気に詰め寄る。

さっきよりも体が軽く早い気がする。


クラウンの後ろに立った俺は、剣を振り下ろそうとした奴の腕を左手で掴んだ。


クラウンは俺の接近に気づく事ができなかったようで、自分の腕をつかまれた時に初めて接近に気づき驚いた表情を見せた。

タマモとリーエは、そんな俺を見て安堵の表情を浮かべた。


俺は左手に力を入れ強く握る。

掴んだクラウンの腕からミシミシと音を立て、クラウンが苦痛に顔をゆがませた。

そして俺は右腕でクラウンの腹に思いっきり拳を叩き込む。


クラウンは殴られた勢いで、体をくの字に曲げたまま吹っ飛んでいく。

そのまま着地を出来ずに背中から地面に落ちる。


「くっ!がはっ!・・・なぜ・・急にここまでの力を・・・」

「さあな、そんなことはどうだっていい。わかる事は、お前を倒す事が出来るって事だ」


俺はそう言いながら起き上がろうとするクラウンの顔面に蹴りを叩き込む。

クラウンは成すすべなく、後ろに吹っ飛んでいく。


「・・・なぜ!・・・なぜだあああああ!ぐふっ!」


急に形勢不利になった事で叫ぶクラウンの横っ面を左足で蹴りつける。

横に吹っ飛んだクラウンに、さらに追い討ちをかけるべく追いかけ腹に蹴りを数発入れる。

俺はクラウンの服に手を入れ、魔石を取り上げる。


「お前みたいな奴にこんな物を持たせておくと危険だ」

「それは・・貴重なものですよ・・・大事に扱ってください」


ぼろぼろになりながらも、貴重な魔石の扱いを正そうとする。

そんなクラウンをさらに踏みつける。


クラウンが弱ってきたところで首を掴み持ち上げる。


「お前は俺が誰も守れないと言った。確かに俺はお前に比べてまだ弱い・・・でもそれがなんだ!?守れないんじゃない!何が何でも守るんだよ!俺がどうなろうともな!」

「・・・くっ、それが・・貴方の力の源ですか・・・」


クラウンは苦痛に顔を歪めながら、俺の力の根源を探ろうとしていた。


「くっくくくくくっ・・・」

「何がおかしい!!」


「・・いやはや、まさかここまでになるとは思いもよりませんでした・・・貴方との戦いは私の負けです・・・しかし、私を殺した所でユリエス王女はどうにもなりませんよ?」

「なに!?どういうことだ!!」


「・・・ユリエス王女にかけた眠りは禁術の呪いです・・・貴方では解除は不可能です」

「お前!!だったらお前に解除の方法をはかせるまでだ!」


「・・・無駄ですよ・・・それとユリエス王女の呪いを2週間で解除できない場合、呪いが定着し眠ったまま永遠に目を覚ます事はないでしょう」

「!!お前えええええ!!」


俺は叫びながら『吸収』を行なう。

さっきはクラウンが俺よりも圧倒的に強かったから奪えなかったが、今なら奪える気がしたからだ。

クラウンから力が流れ込んでくる。

やはり俺の考えは間違っていなかったようだ。


「くっ!・・こ、こんな力があったとは・・・!」


クラウンが力を奪われている事に気づき懐から何かを取り出した。

その瞬間、光に目が眩んだ。


奴が取り出したのは閃光弾だった。


目が眩んだ俺が手の力を緩めてしまった為に、クラウンは俺の手から逃れた。

そしてぼろぼろになりながらも、なんとか距離をとったクラウンは息も切れ切れながら言った。


「・・・全てが私の想定外でした・・・聞いていた情報だけでは足りなかったようですね・・・私の力もある程度奪われてしまったようですが・・おかげで貴方の情報をかなり収集できた事だけでもよしとしましょう」

「お前、俺が逃がすとでも思ってんのか?」


「くくくっ、逃げられるかどうかはやってみないとわかりません・・・そして最後に一つだけ言っておきます・・・貴方はユリエス王女を救えない」

「・・・・・」


俺は怒りに任せ、クラウンを殴りつけるため距離をつめようとした所に、奴が手に何かを握っているのを見つけた。

そして・・


「ではまたお会いしましょう。その時は貴方とは戦いたくはないですが」


そういい残し、クラウンは握っていた手を上に翳すと奴が光に包み込まれ、その瞬間には消えてしまっていた。


くそっ!

油断していた!

もっと奴を調べておくべきだった!


クラウンがいなくなった事で、タマモとリーエが俺に駆け寄ってきた。


「きょうや大丈夫?」

「キョウヤさん大丈夫ですか?」

「ああ、大丈夫だ・・・しかし、逃がしてしまった・・・」


「最期に使っていたあれは、召喚転移核ですよ。魔石から取り出した核を使って、転移術式を組み込んだ使い捨ての道具です。予め記録した場所に転移、もしくはその場所から召喚することができるものです」


リーエの説明を聞き、クラウンが常に奥の手を持ちながら戦っていた事に気づかされた。

俺はいつもなら、自分自身も奥の手を残すようにしていたはずなのに、それを失念してしまった。

今更悔やんでも仕方のない事だが。


そして俺もユーリの所へ行こうとしたとき、急に力が抜けてきた。

そういや、力の解放は一時的っていっていたか・・・


膝からガクリと落ちたところで、俺の両端から支えられた。


「ちょ、ちょっと大丈夫!?」

「大丈夫ですか?キョウヤさん!」

「あ、ああ、大丈夫・・・じゃないかもしれん・・・それよりもユーリを頼む・・・あと監視者に気を・・つけ・・・ろ」


と言い終えると、俺は意識を失ってしまった。




予定を変更したというのは、本当はこの話と次の話がセットの予定だったのですが

話的にはここで一度区切っておくべきだと考えた為です。

そのためかなり短めになりました。


激動の一日で

頭の中で書きたい事と

実際に書いている事が上手く合っていない部分や

何度か後から付け足したりしているので

言葉や文脈がおかしかったりした場合は申し訳ございません。


次話が終わったら、2,3話くらいSSを挟もうと考えてます。

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