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無気力少年
深紅に染まっている赤黒い制服
安全国家日本とは思えないような鈍く制服に付いている色と同じ液体が滴る日本刀
黒く長いパッツン髪から覗く無感情な瞳が俺を見つめる
靡く黒髪から香るシャンプーのような匂いと彼女を中心に円を描くように広がっている液体溜まりから広がる鉄のような臭いが混ざり鼻をくすぐる。
普通じゃないのは理解しているが、あまりの驚きに逆に冷静に観察してしまう。
(なんで…こんな面倒な事になったんだ?)
現実味のない現状から現実逃避するように俺こと柳小路 郁弥今朝からの出来事を思い出す。
ーーーー今朝
同じ朝を繰り返し続けて16年
高校二年になった俺は今日重たい身体を起こして目覚める。