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ホワイト  作者: かなしみ
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第蛍話②

※ピコ視点の続きです。




「まいどありがとうございます。蛍株式会社の代表取締役。ピエールです。いつもアピニス様にはご贔屓にしていただいて感謝しています。あ、今度また営業来てくださいね!」

スラスラ営業トークを喋るピエールに少し引いていたが、顔に出さないように気を付けているとやはりそれに気づいたのかアピニスが対応してくれた。

「ええ。またサーカスのみんなで公演させてもらいますよ。でもピエロの帽子にまでロゴを入れようとするのはやめてくださいね。」

そこでピエールとアピニス、その他蛍たちはどっと笑った。やばい居心地が悪い。俺いらない子な気分になってきたぜ。

「それでは、探しに行きましょう。あ、私たちもそのキーを探すの手伝いますよ。ここに来る途中も部下に手分けして探したんですがなかなか見つかりませんでした。」

残念そうに言うピエール。

「じゃぁ、上にあるみかんの木を目指しながら探していきましょう。ピコは上からなにか建物がないか探してくれませんか?」

「おう。任せろ!みかんの木にも案内してやるよ!」

自分に使命が出来たことに嬉しくなって、声が大きくなる。よし、見つけてやるぞ!!






○●☆★○●☆★3時間経過○●☆★○●☆★





みつからねぇぇぇぇぇぇ!!!!!!そして遠いいいいいい!!!!みかんの木までまだ結構あるぞ・・・。空を飛んでいた俺は仲間達がいる地上へ下りた。そこにはステッキに体重を預けて歩いているアピニスと点滅する力が弱々しくなっているピエール達がそこには居た。3時間歩くだけならまだしも鍵という小さい物を探しながら歩くのは、結構しんどいものがある。

「お、おい、みんな大丈夫か?」

肩で息をしながらアピニスは答える。

「ハァハァ・・・え?もっかい言ってくれませんか?」

・・・完全集中力が下がってるよ。疲れてそれどころじゃないんだな。

「私たちはこの程度でへばるわけないじゃないですか。ねえ?」

苦しそうな顔と笑顔が混ざったピエールは部下達に聞く。部下達も「そうだそうだ!」「全く疲れてねぇですぜ!」「お家帰りたい。」などの声が聞こえた。最後のは完全に本音だったが聞かないことにしておこう。





○●☆★○●☆★○●☆★○●☆★





そのままずっと歩き続けてやっとみかんの木に辿り着いた。その木にはまだ青や黄緑色のみかんがなっていた。

「これはみかんじゃなくて(ゆず)の木ですね。どおりで、先ほどから柚子(ゆず)の香りがしてると思いましたよ」

疲れ切ったアピニスがそう言った。そうか、これは柚の木なんだ。知らなかった。

「じゃぁ、1度ここで柚子でも食べながら休憩しませんか?」

と、ピエールは笑顔2割、苦悶(くもん)の表情8割な顔でそう提案した。

「良いですね。私ももう足が限界で・・・。ステッキが無かったらどうなっていた事やら。」

そう言いながらアピニスは木の近くに、座り込んだ。どちらかというとへたり込んだと言った方が良いかもしれない。その瞬間アピニスは飛び跳ねた。

「痛ああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!」

びっくりしていると、アピニスはおしりを摩り(さすり)ながら下を見やった。

「何ですかこの地面から出っ張ってる角は、私は初めて殺意というものに目覚めましたよ。」

すごい形相(ぎょうそう)で花模様の角を睨むアピニス。

怖い・・・。俺もアピニスに恐怖したのは初めてだ・・・。普段怒らない奴が怒るとこんなに怖いなんて・・・。今度から怒らせないようにしよう。

その角を何度も蹴り飛ばしているアピニスをよそにピエールが言った。

「これって箱なんじゃ無いですか?なにかの入れ物かも知れませんよ?」

みんながそれを聞いてポカンッとなり徐々(じょじょ)に息を呑み始める音が聞こえだした。

みんな(俺も含め。)疲れを忘れてその角の周りを掘り出した。一心不乱。無我夢中。そんな四文字熟語が俺らには当てはまっていた。掘り始めて少し経つとピエールの言う通り、花柄の綺麗な箱が姿を現した。

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