第黒話③
書き貯めが無くなった・・・。
※アピニス視点
泣き疲れたであろう彼女はベッドに突っ伏して眠ってしまった。
「寝てしまいましたね。」
「アピニス、なにもあんな唐突に言うべきじゃなかったんじゃないか?」
不満そうな顔をして私に詰め寄る。私は淀みなく答える。
「早い内に言っておいた方が彼女のためなんですよ。なにより彼女はここを出たいと心から望んでいる。外に出たら真実に気づくのも時間の問題なんですよ。この事はこの場で言って正解だったんです。確かに少し、直接的ではありましたがね。そこは反省しています。」
私は少しばつが悪くなり、話題を変えようと試みました。
「じゃぁ、早い内に脱出方法を考えますか!!」
「そういえば、そんなことそいつと約束してたな。どうするんだよそんな約束して。変に希望を持たせたら可哀想じゃねぇか。」
ピコは本当にこの子を心配しているんだと感じました。この子が泣いたらきっとピコの心も痛むのでしょう。だから笑顔で居て欲しい。そう思ってるんだなと勝手に推測しました。
「なぜ、この建物が在るか分かりますか?」
その質問に首を傾けて必死に悩むピコ。
「うーん・・・よく分からん?住んでたんじゃ無い?家族で。」
「そのためにしてはずいぶん強固な守りをしてますよ?」
「え?」
「ここの施設を空を飛んでるときに確認しましたが、かなり頑丈にできていました。核シェルターみたいなものでしょう。それにしては狭すぎます。たぶん、彼女を守ろうとして作られたのかも知れません。推測で言うしかないんですがね。」
「・・・ギャーギャー騒いでたのによく余裕あったな。」
「紳士はどんなときにも平常心ですから。」
キメ顔で言ったのですが、素知らぬ顔をされて悲しいです。
「じゃぁ、悪意からくる監禁じゃ無いってことか?」
「たぶん・・・違うとみて間違いないでしょう。その証拠に食事が出されるんでしょ?しかも栄養バランスの取れた。」
「ああ、そいつは病院食みたいでうんざりしてたみたいだけどな。」
「じゃあ、1度外に出て鍵を探しましょう。きっと誰か助けに来ると思って、鍵をどこかに閉まってあるかも知れません。今までは人間が絶滅して誰も来なかったのでしょう。」
「でももう夜だぜ?明かりが無きゃキツイぞ。」
私はその問いにはもう答えを用意してあった。
「蛍株式会社(有)に連絡してあります。・・・絶対に食べたらだめですよ・・・。」
その言葉にピコはよだれを垂らした口元を右翼で隠した。
やれやれと思いましたが注意したので大丈夫でしょう。たぶん・・・。
蛍株式会社(有)
夜道に彼らが居ると心強い。暗い夜道を明るく照らす。




