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ホワイト  作者: かなしみ
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第灰話②

※アピニス視点  白い部屋に閉じ込められている女に会う4時間前



私はこのサーカス団で働くアピニスという名のネズミです。今日もゴレッド(彼はチンパンジー。)の訳の分からない話を聞かされています。



「だから、Bボタン連打で進化が止まるんだって!この話何回目だよ!」

凄く怒ってらっしゃいます。

「ああ、そうでしたっけ?すいません・・・その・・・そういうメカな事がまったく分からないもので・・・。」

「いや、俺もやったこと無いけど俺の進化後である人間がな、良くやってたんだよ。その『ゲーム』ってやつをな。他にもなんかよく分からんけど石を持たせると違う姿に進化したりしなかったりするんだってよ!本に書いてあった!!」

私はまたゴレッドが図書館で得た知識を聞くのに飽きていましたが、そつの無い返しをしました。

「石を持たせると進化・・・。確かによく分かりませんね。現実にもあるんでしょうか?」

「さあな、よく分からん。そろそろ帰るわ。おまえ、もうすぐ公演時間なんだろ?」

「ええ。ぜひ観に来てくださいね。」

「おう。楽しみにしてるわ。客席からバナナの皮投げ込んでやるよ。」

「・・・危ないのでやめてください。」

自分のしたい話をして去って行く彼に営業スマイルで公演の宣伝をした私は結構やり手なのかもしれません。




○●☆★○●☆★○●☆★○●☆★



 公演間際にピコがステージ裏にやってきました。ピコは私がサーカスに入る前から仲良くさせてもらっています。このガジェット村で1番仲の良いかもしれません。彼はインコなのに無口な性格をしているのですが、最近はある少女の話を良く聞かせてくれます。少し抜けているところがありますが、そこも彼の個性で私は好きです。ですが、今日はどんなご用件なのでしょう?



「ピコ!急にどうしたんだい?!」

「うん。ちょっと相談があってな・・・。最近、丘の上に住む女の様子が良くないんだよ。」

「ああ、いつも話してくれる少女のことかい?」

「そう。そいつがな、前は愉しそうに笑っていたのに最近ふいに悲しそうな顔してるんだよ・・・。」

私は誇らしげに言った。

「それはいけませんねー。じゃあ今度、私を連れてってくだされば、元気づけてあげられますよ。」

ピコが珍しく勢いよく返してくる。

「本当か!!いやぁーよかった!やっぱりアピニスならそう言ってくれると思ってたぜ!」

ピコがほんとに嬉しそうだと私も嬉しくなってしまいます。親友とはこういうことを言うんですね!互いの喜びが自分の喜びになっているなんて最高じゃないですか!そう思いながら私はピコに優しい笑顔を向けていますと、ずんずん近づいてきて、おもむろに私のしっぽをくわえました。(下ネタでは無い)私はまさかと思い、ヒヤリと体中から汗が染み出しました。


「・・・え?・・・なにしてらっしゃ!!!!!!え!今から??!ちょ!!うわああああ!!!」

「あむばあばぁれうなよ。おひるかもひれなひへ?」(あんま暴れんなよ。落ちるかも知れないぜ?)




私の断末魔は丘の上にある白い箱に辿り着くまで続きました。

辿り着いたそこには質素な布の服を着た、黒髪のうら若き女性が待っていた。綺麗な黒髪に私は一目見て、なにか力になりたいと心から思った。きっとピコも同じ気持ちなのでしょう。


それぐらい儚げで守りたくなる少女がそこにはいた。

ゴレッド

本が読めるチンパンジー。アピニスは少しめんどくさいと感じている。




ガジェット村

動物たちが暮らす村。まだいくつもあったりなかったり。

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