いやな予感
俺は目を見開いた。
――――――…え?
辺りは大きな森、一面に緑が生えている。森だと言うことくらいは見たら分かる。分かるけども。俺はさっき家に居た。というかそこから一切動いていないのだ。ほんの一瞬目を瞑っただけだ。武器が無いなら仕方ないと、モンスターに激突したのだ。
「あーくそ!何で武器が出なかったんだよ…」
俺は一人、叫んだ。それに返答する者はいない。というか、誰も居ない。一体ここはどこなんだ?俺は自問自答を繰り返しながら、溜息を付く。溜息をついた所で俺のいる場所が分かる筈もない。結局俺は歩くしか選択肢がなさそうだ。
「おーぃ、誰かいねぇか?」
俺は確かに家でゲームをしてた。そして武器が出なくてモンスターから逃げた。だけどそいつに激突したんだ。それで気が付くとここにいた。
俺死んだのか?ゲームの世界で多分俺は死んだのだろう。死んだと言ってもセーブポイントに戻るだけの筈。…ちょっと待て。俺がモンスターと戦っていた場所はどこだった?
…俺は確か、森の中でモンスターと戦っていた。
…つまり、ここは――――
ゲームな中か?
いや、あり得ない。そんな奇妙な事起こってたまるか!!
あり得ないだろう?そんな出来すぎた話。
だけど、もしそれが現実だとしたら…
ここモンスター出るんじゃねぇか?
俺は怖くなって辺りを見渡した。