表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Dropbehind  作者: ziure
第二章 合宿編
59/128

第五十九話 合宿終了

開いてくださりありがとうございます。


誤字脱字あったら報告お願いします。

「……ふあぁぁー……ねみぃ……」


 布団から体を起こすと、大きなあくびが出てきた。

 睡眠時間は短いわけではなかったが、なんだかんだで体は疲労を重ねていたみたいで、自分の体の疲労と睡眠時間は比例していなかったようだ。


 体がマジでだるいし、寝たりない。


 とはいっても再び寝直す時間もないので、時間の有効活用のために、なにもしないのは嫌なので帰りの準備をすることにする。



 昨日、先生から踊れという指示が出て、初めは男女ペアでの躍りということもあり、大半の生徒に不評であった。だが、結局、流れで踊るということになった。先生の力というのはすごいなと思わされた瞬間だった。


 流れで踊らされた感が否めない状態だったため最初はあまりやる気を感じなかった。だがその不評の理由のほとんどが男女でやるのが恥ずかしいと言う理由だったようで、最初は嫌々ながらという感じだったが、ノリが出来てくると、それが嘘のように霧散していて、みんなで楽しくやることができた。


 だけど、そんな楽しい時間ほどすぐに過ぎてしまうもので、中央に上がっていた炎が消えると共に、そこで解散となった。


 炎が消えるまでの時間、つまりは躍りを踊った時間は大体一時間半。

 終わった後のみんなの顔は、やりきったみたいな爽やかな感じだったので、先生のアイディアは成功だったと言えるものだろう。


 解散した後は、風呂に入った。朝翔とかが変なことを行わないように、釘を指しておくことは当然忘れない。

 女子の逆鱗には触れたくないからな。まだ死にたくないし。

 まぁ、そんな行動も無駄骨だったけど。すでに恐怖が植え付けられていたのか「……そんなことするわけない」と震えながら答えていた。

 何をされたのかは聞かないでおいた。


 それはそれで、余計な体力が残っていなかった俺は、風呂に入った後はすぐに寝てしまった。



「もう最終日なんだよな」

「……陵か」


 そんな風に昨日のことを思い返していたために気付かなかったが、いつの間にか陵を含め、この部屋のやつらは起きていた。


「ぶっちゃけ昨日が最終日みたいなもんだけどな。朝飯食べたら後は帰るだけに等しいし」


 トシの言うとおり、今日は朝食を食べた後、別れのあいさつとかそういうことをやったらもう帰りなのだ。

早めに行動しないと学校の方に戻るのが遅くなるから、仕方ない。


「始めの方は仲良くやっていけるか心配だったけど、みんないい人ばかりだったからね~。この数日間はホント楽しかった~」

「確かに。その分しばらく会えないっていうのはさびしいもんだよな……」


 先ほどの俺のように、この合宿中のことを思い返したのか、優太がそんなことを言えば、同意するように廉が頷き、しみじみと呟く。

 こんな感じでこの合宿であったことやったことを語り合いながら、俺らはこの合宿最後の飯に向かった。




――――――――




 言えば合宿最後の飯だったのだが、特に変わったこともなく、騒がしくて、楽しい時間が過ぎていった。

 個人的に、別れが悲しくて、しんみりしてしまうものなのかなと考えていたので、ちょっと予想外。とは言ってもしんみりより、楽しい空気の方が良いので、嬉しい誤算だけど。


「――この合宿でのことは一生忘れないと思います。本当にありがとうございました。第六魔法学園一年代表火神美佳」


 そんなわけで、今はもう別れの時間。

 第五学園側の挨拶の後、見てわかると思うが、今度は美佳が挨拶を返した。

 最近は身近すぎて忘れていたが、美佳って学年の代表だったんだよな。


「それでは、最後に五分ほど自由時間をとりたいと思います」


 両方の学園の挨拶も終わり、先生からそう指示が出る。

 生徒たちはこの指示を待っていたかのように一斉に動き出す。


「俺らも動こうぜ」

「そうだな」


 トシから声をかけられたので、俺はそれに頷き、その場から動き出す。

 ちょうど美佳が葵たちのところに向かうところが見えたので、そこに向かって歩くことにする。


「あ、哲也くん。トシくんも」


 混雑したこんな場にもかかわらず、葵は近づいてきた俺らにきちんと気づいて、嬉しそうな表情を浮かべ、俺とトシの名前を呼んできたので、手を上げてそれに応える。


「それにしても意外だな」

「何が?」


 突然のトシの言葉に、葵は首をかしげて尋ねる。


「いやさ、こういうとき泣きそうになったり、悲しそうな顔しそうだけど、そんな様子が全く見られないし、逆に結構笑顔だし」


 確かにしばらく会えない、もしかしたらずっと会えないかもしれないのに、そんな表情を浮かべることはない。


「だってどうせすぐに会えるだろうからね」

「どういうこと?」

「お前らなんにも聞いてない、というか知らないのか?」


 なんにも聞いてないのか何て言われても、全く分からないものはしょうがない。俺はそれに頷くと、呆れたような顔をされる。


「この魔法学園の大きな行事の一つがすぐにあるんだよ」

「そういうこと。だから、そこまで悲しくはないんだ。もしそれがなかったとしても、会おうと思えば会えると思ってるから僕は平気。それに一生の別れと言う訳じゃないしね。まぁ、会えるにしろ会えないにしろ、僕はできるだけ笑顔を作るように努めるけどね」

「そうか……」


 どうやら俺が思っている以上にこういうときの葵は強いようだった。ちょっとした偏見をもっていたことを少し反省する。


「そろそろ出発しますよー」


 先生からの言葉を聞き、お互い見合うようにする。

 そしてどちらが先か分からない、そんな微妙なタイミングで、お互いに声を交わした。


「「またな(ね)」」


 こうして合同合宿は終了した。








 学園に戻って来たときには、空は薄暗くなっていた

 俺は余計なところには行かず、真っ直ぐに部屋に戻る。

 そして、合宿に持っていっていた荷物を整理した後、机にある日記を手に取り、新しいページを開く。



 この合宿で様々なことを体験できた。


 船酔いの恐怖を知った。

 治癒魔法のすごさを間近で見させてもらった。

 新しい友達ができた。

 その友達と料理をした。

 楽しい出来事はすぐに過ぎていった。


 フェンリルと戦闘した。

 油断して敗北しそうになり、助けてもらった。

 それと同時に先生の実力を知った。

 ドラゴンと戦闘した。

 完敗してしまった。

 魔物の恐ろしさを知ると共に、自分の未熟さを知った。

 自分の不甲斐なさが悔しかった。

 これをバネに、俺はもっと強くなりたいと思った。


 一端日記を閉じる。


 この後、俺はシャワーを浴びて、寝巻きに着替えベットの上で横になる。

 やはりというか、疲れがたまっていたのか、明日からのことを考える間もなく、俺の意識は夢のなかに落ちていった。


投稿遅くなってしまいました……

遠征に行って、帰ってきて、またすぐ遠征という感じで全く書く余裕がなかったんです。

本当にすいませんでした。


これで二章は終了です。

気付いていらっしゃる方がほとんどだと思いますが

「一学期編」から「合宿編」に名前を変更しました。


第三章に入る前に、文章の書き方の見直し、というか改変をしたいと思いますので、次の投稿は遅くなると思います。

これまた申し訳ないです……


感想・評価頂けたら嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ