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Dropbehind  作者: ziure
第一章 入学編
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第二十話 作戦

開いてくださりありがとうございます。


誤字脱字あったら報告お願いします。

「勝者、火神のグループ!」


 審判の先生から俺らのグループの勝利の判定が告げられる。

 その声に響いていた悲鳴が沈黙へと変わり、やがて沈黙から一段と大きい歓声へと変わり俺らの耳に届いた。


「……もう起き上がってもいいわよね」


 その歓声が響いた後すぐに、美佳はボソッとそう言って起き上がった。

 その体には、所々小さな傷があるものの気絶をするような大きな外傷は見当たらない。

 その美佳の姿を見て観客はどよめき、攻撃をした赤江の仲間は驚愕の表情を浮かべている。その顔には「何であんなに余裕で起き上がれるんだ……」と書かれているようだ。

 俺らはそんな相手の様子を気にすることなくその場を後にしようと踵を返す。


「おい! ちょっと待てよ!」


 が後ろから先生の治癒魔法のお陰で復活した赤江の呼び掛ける声が聞こえてきたので、無駄なことを言うことなく無言で振り返る。そして敗者に用はないと言わんばかりの視線を向けた。

 その視線に憤慨したように俺らに向かって少し声を荒げて言ってきた。


「何でお前らの勝ちなんだよ! お前らの代表者を先に倒したのは僕たちだろう? おかしいじゃないか。審判の先生も一体何を見ていたんだか……」


 最初は勢いよく、最後には哀れむような雰囲気で語ってきた。

 それにしても新ためてこいつがアホだということを思い知らされる発言である。逆にこいつの脳みそを哀れんでやりたい位だ。

 そんなことを考えているうちに、審判の先生が何かを言いそうだったので、その前に俺が赤江に言ってやることにした。


「お前さ、未だに美佳が代表者だと思ってるみたいだけど、俺らの代表者は美佳じゃないぞ」

「……どういうことだ? 代表者はグループで一番強い人……つまり火神さんがやるべきだろう?」


 本当にアホだな……心のなかでバカにするが表情に出すことなどせず、そのまま説明をする。


「いや、別にそんなルールないからな。まぁお前がそう思い込んでくれることを予想して、俺はこの作戦を立てたんだけどな。ホントお前がアホで助かったわ」


 俺の最後の言葉に赤江は無言で俯き、腕をプルプルさせ怒りを隠せずにいた。

 しかし数秒の後すぐに立ち直ったように顔を上げて言ってきた。


「まぁ負けたのはもう忘れるとしよう……それよりも火神さんを倒せた価値は大きい」


 うわ! 現実から目をそらしやがったぞ、こいつ。しかも、もうひとつのことに気付いてないみたいだから、教えて上げることにした。


「残念だけど、今回美佳を倒したことは、大した価値にならないぞ」

「何を言っている? 協力して倒したからか?」

「それはあったとしても一割程度だな」

「じゃあなんだ。わざとやられたとでも言いたいのか?」

「そうよ」


 俺が赤江をよくできましたー、と誉める前に美佳が頷いていた。


「はっ、負け惜しみもやめてもらいたいものだね」


 その頷きは受け入れることができないようで、鼻で笑い馬鹿にしたように言ってきた。


「負け惜しみねぇ……」


 美佳は呟くようのそう言ってからその時の状況を赤江に話始めた。


「確かに私はあの攻撃に当たったわ。あなたが見てもわかったと思うけど、まともに喰らったら普通に気絶する威力だったわね」

「なら――」

「人の話は最後まで聞く!」


 美佳は説明の途中で口を挟む赤江を、有無を言わせない声音で、ピシャリと咎めて、続きを話始めた。


「さっきも言ったけど、まともに喰らったら気絶はしたでしょうね。まともに、だけどね」


 それでやっと赤江は気付いたようだったが、納得は出来ないとばかりの顔をしかめている。


「そういうわけで私はその攻撃をまともに受けることはせず『ファイアウォール』の応用というよりは簡易版かしら、とにかくそれを使って威力を少し緩和したわ。全部消し去ることもできたけど、それじゃあ立てた作戦が崩れちゃうからね。そしてダメージを受けた振りをして倒れる。まさかこんな作戦が、見事にはまるなんてね。下手したらそのままやられるっていう可能性だってあったんだけど……哲也の作戦も捨てたもんじゃないわね」

「……楠木……覚えてろよっ」


 美佳の解説を聞き終えた赤江は、こんな作戦に引っ掛かってしまった自分の恥ずかしさと、はめた俺に対する怒りによって赤くなった顔で憎しみを込めてそう言ってきた。

 そんな赤江の姿をみんなで一頻り笑った後、観客席へと戻った。




「火神さん、大丈夫なの?」

「気絶しちゃってたよね……」

「少し休んだ方がいいんじゃないか?」


 観客席に戻ってきた瞬間すぐさま取り囲まれて美佳を心配する声がかかる。まぁ派手に喰らったように見せて、倒れまでしたわけだししょうがないか……心配されてる本人は困惑しているようだった。美佳は人気者だなと他人のようにその姿を端から見ていると、


「やるじゃねえか!」

「最後の一撃スカッとしたぜ、楠木」

「補助魔法を使ってもらってたとはいえ、よくあの赤江を一発で仕留められたな」

「かっこよかったよ!」


 俺を評価するように声がかかり始めていた。ちなみにトシと朱里も同じような状況だった。

 正直こういうのはめんどくさいと感じた。でもこういう人との関わりも悪いものではないと思う俺だった……




 すべての模擬戦が終了した後、舞さんからのありがたい話をしてもらい解散となった。つまりは放課後。




 俺は生徒会室へと足を運ぶ……





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