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Dropbehind  作者: ziure
第一章 入学編
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第十三話 嫉妬

開いてくださりありがとうございます。


誤字脱字あったら報告お願いします。

 俺は今、自分の教室を出て学園長室へと向かっている。

 ここから学園長室までは以外に距離がある。そのため俺の足取りは自然と少しばかり速くなっている。階段を降りていき、学園長室がある1階にたどり着きその場所へと向かおうとすると後ろから声がかかる。


「あっ、楠木くん」

「会長、それに夏目さん。どうしたんですか?」


 振り向くとそこには優姉と夏目さん、そして付きまとうような男子がその後ろにぞろぞろと多数いる。教材を持っているところを見ると移動教室のためにこの階に来ているのだろう。


「どうしたって、見かけたから声をかけたの。用事も少しあったし。迷惑だった?」

「それは迷惑でしょう。優奈に声をかけられて喜ぶ人はその容姿のみに興味がある人だけです」


 表情もあまり変えずにさらっと優姉に対してそう言った夏目さんに苦笑してしまう。冗談ということは明らかだが。きっとこの言葉は後ろの人に向けて言ったものでもあるのだろう。一瞬だが目を後ろに向けたような気がした。それだけ後ろの付きまといがうざいのだろう。

 ちなみにその後ろの人達はというと、優姉と夏目さんに話かけられている俺に対して嫉妬めいた視線がぶつけてきている。殺気のようなものまでぶつけてきているものもいるようだ。


「なにその『あなたはいるだけですでに迷惑です』とか『容姿は良くても中身は腐ってます』みたいな言い方は!」


 しかし、優姉は夏目さんのもの言いが冗談といっても気に入らなかったようで少し不貞腐れたような口調で文句を言っている。


「そんな風に聞こえましたか?それはきっと気のせいですよ」


 夏目さんはそんな優姉の文句を気にすることもなく、話を戻した


「そんなことよりも楠木くんに話があったんじゃないんですか?」

「そうだった! 今日の放課後、話しがあるから生徒会室に来てね。内容は主に新しく生徒会のメンバーになるあなたたちの紹介よ」


 後ろの人達は生徒会という単語に反応する。『何であいつが!?』だの『あり得ない……』など反応は様々だが俺を見る視線は、ほぼというか全員鋭くなった。


「分かりました。授業が終わり次第駆けつけますよ」


 俺はこの視線に負けてはダメだと思いそれを気にしないようにしながら返事をした。


「それでは、また」

「じゃあ後でね」


 そう言って二人は歩いていった。




 二人が行った後俺も学園長室に行く途中だったことを思いだし歩き出しところで、さっきまで後ろにいた人達の代表者? が呼びかけてくる。


「おい」


 それは特に気にすることもなくスルー。関わると面倒臭そうだし。


「呼びかけてるんだから反応くらいしろよ」


 すれ違い様にそう言って肩を掴もうとしてくるが、俺はそれをひらりとかわして何事もなかったように歩いていく。

 だが一人をかわしたからといっても相手は多数。すぐに囲まれて歩みを強制的に止めさせられる。

 逃げようと思えば逃げれるが、結局は後々面倒ごとが増えるだけだろう。

 俺は思わずため息をつく。こんな面倒なことが日常的に起こるのは正直なところ勘弁してほしい。自分が思っていた以上に生徒会というのは大きい存在だったか……生徒会の存在というよりはそこにいる人たちの存在かもだが。


「それでなんでしょうか? 急いでいるのですが……そこをどいて頂けないでしょうか?」


 出来るだけ謙虚に相手を上に立てるように応対する。


「やっと反応したか……」

「てかこいつの態度ムカつくわ」

「もっと先輩を立てろよな。礼儀ってもんを知らないのかね」


 なんか色々とめんどくせぇ……てか出来るだけお前らを立てたはずなんだけどな……


「礼儀くらい知っていますよ。これでもちゃんと立てたつもりなんですが……あなたたちが言葉というものを知らないだけじゃないんですか?」


 俺は丁寧にそう言って優しく教えようとしたのだが、


「調子こくなよガキが!」

「お前うぜぇんだよ!」


 いきなり怒鳴られてしまう。今のでも怒られるのか?


「なぁ、みんなでこいつに礼儀ってもんを教えてやろうぜ」

「いいな、それ。やっちまおうぜ」


 怒ったと思ったら男達はニタニタと嫌な笑みを浮かべた、とか思ったらすぐに切れたような表情をして一人が殴りかかってきた。

 右、左と振るわれる拳を難なくかわしながら状況を把握する。

 人数は6人……全員大したこと無さそうだ……良くても今殴りかかっているやつくらいだろう……そんじゃ、速攻で決めて学園長室に向かうとしましょう!

 俺はいったん相手と距離をとり……足を体氣で強化する。

 強化している間にも当然相手は向かって来る。その間に仕掛けてこない数人はビビったのか?とかほざいていた。

 それもつかの間、相手が俺との距離を詰めて右の拳が俺の顔に当たる


「ぐっ……」


 わけもなく俺は上体を下げてその拳を避けて、流れのまま鳩尾に拳をいれる。相手はそのまま崩れ落ちる。要するにさっきの呻き声は殴りかかってきたやつのものだ。


「てめぇ!」


 仲間が殴られたことで相手は俺に突っ込もうとする。が俺は相手が一歩踏み出すときには、すでに間合いを詰めていて、愕然としている相手の空いている脇腹に足を横に振るって叩き込む。

 俺に蹴られた相手は勢いが消えることなく廊下の壁にそのまま叩きつけられて倒れる。

 残りの四人の方を向くと唖然として呟いていた。


「あの二人が一瞬で……」


 まぁそういう風に言いたくなるのも分かる。さっきの二人は残りの四人と比べると格段に体格が良かった。

 それに俺は見た目的に、さっきの二人と比べたら明らかに劣ってみえる。その二人があんなに簡単にやれてしまえば唖然としてしまうのも無理はないだろう。

 俺は残りの四人を睨みつける。するとビビったようでガタガタとしながらも早足で横を通りすぎていった……

 それを一瞥した後、意識はあるものの未だに起き上がれない二人を無視してそのまま学園長室へと向かった。




 学園長室に着きとりあえずノックをすると、舞さんの声が聞こえてきたので俺はドアを開ける。


「失礼し……うわぁっ」


 部屋に入ろうとした瞬間に舞さんが飛び付いてきたのでとっさに体をそらしてかわす。舞さんは俺が避けたせいで勢いをそのままにズザーッとヘッドスライディングのごとく倒れた。


「うぅ……ひどいよ哲ちゃん……」

「すいません。ビックリしてしまって、つい」

「つい……じゃなーい。哲ちゃんのばか!」


 涙目になっている舞さんに軽く罪悪感を覚えつつ謝る。

 しかし何でいきなり抱きつかれたから避けただけの俺が、策略を企てて自分から勢いよく飛びこんできた舞さんに謝らなければならないのだろうか? しかもバカとまで言われたし……理不尽なような気がしてならない……


「ホントにすいません」


 そう思いつつも謝ってしまうのは相手がこの人だからだろう。


「まあ良いわ。それじゃ、そこのソファーに座って待ってて」


 俺は舞さんに促されるままにソファーに座る。


「わりぃ、わりぃ、遅れちまった。思ったより時間くっちまってな」


 俺が来た数分後、岡嶋先生はやって来た。てかなんで岡嶋先生より後に出て、ゴタゴタまであった俺が岡嶋先生より早く着くのだろうか……

 でも岡嶋先生の恰好を見て遅れた理由は納得をした。防具をいくつかつけていて、剣を腰にかけている。これには確かに時間がかかるだろう。でもなんでいかにも戦闘しますよって格好でここに来たのだろうか……

 舞さんに顔を向けると、俺の思考を読んだかどうかは知らないが舞さんはただにっこりして言ってきた。




「これから哲ちゃんには岡嶋先生と模擬戦をしてもらいます」




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