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Dropbehind  作者: ziure
――終章――
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第百二十八話 その後

開いてくださりありがとうございます。


これで一応最終話です。


誤字脱字あったら報告お願いします。

 大通りの人混みの中、おっかなびっくり様子を伺いながら歩く少年が一人いた。

 その姿は鬼に探されておびえる子供で、一歩踏み出してはきょろきょろと周りを見渡す。


「よお」

「ひっ」


 が、その努力も空しくその少年は標的に見つけられてしまい、ぽんと手を肩を乗っけられて声をかけられる。その瞬間少年はビクッと肩を震わせ、なんとも情けない声が出てしまう。


「おいおい、そんなにビックリすんなよな。俺とお前の仲だろう」


 その言葉に付け足して、脅すように凄みを利かせて「な?」とさらに迫ってくる。

 怖い、と少年は思った。

 体は硬直し、脚ががくがくと震えだす。


「ちょっとあっちの方へ行こうか?」


 裏路地の方を指さしながら、そう言ってくる男。

 また理不尽なことをされる。

 そう分かっていても少年から断る、逃げるという選択肢は選ばれない。

 自分には力がないと分かっていて、逃げたところで無駄だと分かっているし、捕まった後が逆に恐ろしい。

 少年はただただこくりと一回頷くだけで、フラフラとした足取りで男の後ろについていった。



――――――――




 気づいたときには、複数人が集まっていて来た道は完全に塞がれる。


「最近、殴るのも飽きてきたんだよなっ」

 

 そんなことを言いつつ、少年を動かせなくさせるためか、腹部に一発拳をたたきつける。


「そういうわけで、今日は魔法の実験をしようと思うんだよ」


 蹲る少年を、男は見下ろしながらニタァと口角を釣り上げ、そんなことを告げる。

 魔法が絡んで来れば命にかかわってくるというのに、当然のことながら周りは全員少年の敵なので、それを止めることなどだれもしない。

 むしろ囃し立てるように騒ぎ出し始める。


「おい、誰かこいつを抑えろ」


 腹部を抑えていた腕を取られ、後ろから押さえつけられる。

 完全に拘束されている少年の姿を見て、よしよしと頷く男。

 そして距離を取り魔法の詠唱を始める。

 

「喰らえ!」


 声と共に、目の前から迫ってくる火の玉。

 

 それを見ながら、なぜ自分がいつもこんなことをされるのか、なぜ誰もこの状況を助けてくれないのか、と疑問に思った。

 実力がものをいう世の中だと知りつつも、魔法の実力がないだけで、ここまでされるなどあんまりだと思う。


 あたったら痛いんだろうなと、諦めのせいか呑気な思考に変わることを自覚しつつギュッと目を閉じる。

 が、やってくるはずだった衝撃はいつまでたってもやってこない。


「全く、一対多なんて良くないぞ」


 その代わり聞こえてきたのは一人の男の声。


「そうだよ、良くない!」


 次いで聞こえてきたのは男とも女とも取れる中性的な声。

 瞑っていな目を開けると、拘束していた男はいつの間にか倒れていて、自分の目の前には二人の男が経立っていた。


「なんだよ! お前ら!」


 魔法を放った男がそう言い終えるかどうかの瞬間、男のうちの一人の姿がその場から消え、


「強いて言うなら今は弱い者の味方かな」


 姿が見えた時には、そこにいた全員を一瞬にして倒して、そう告げる。


 突然の出来事に少年の頭の理解は追いつかない。


「強くなりたいか?」

「えっ?」

「こいつらみたいなやつよりも強くなりたいかを聞いている。お前は強くなれる」


 少年は少しの間戸惑いを隠せず答えられずにいたが、結論はスッと出てきた。


「強くなりたいです」


 そう少年が告げると、少年を助けてくれた男は嬉しそうによしっと頷く。


「ならついてこい」


 男はそういって踵を返しすぐに歩き始め、その隣にもう一人の男もそれについていく。


「すいません、あなたたちは何者なんですか?」 


 その言葉に男はピタッと立ち止り、少年の方を振り返る。


「Dropbehindっていう名の、ちょっと特殊な育て屋だよ」






あんまりうまくまとまり切れはしませんでしたが、とりあえず完結まで書ききったことにほっとしています。


ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

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