第百三話 内容
開いてくださりありがとうございます。
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舞さんとのやり取りもあり、気付けば朝の登校時刻がもうすぐ過ぎようとしていた。
そのため俺は急いで教室に向かう。
「おはようございます、楠木くん」
「夏目さん、おはようございます」
その途中でばったりと夏目さんと会ったため軽く挨拶を交わす。
いつもならこういう風にあってもこれだけで別れて行くのだが、今日は話があるのかすぐに別れることはなかった。なんというか話があると空気で訴えてきている感じだ。
「今日の生徒会なんですが、いつも通り集まってください」
何か拍子抜けなことを言われた気分だ。
夏目さんが自分から呼びとめてまで(その空気を出していただけだが)話そうとしたことがこれだけというのは……違和感を感じえない。
それに生徒会の集まりがあるのは、夏目さんが言っている通りいつものことだ。わざわざ確認する必要などない。
そういうこともあって、俺は目で訴えかける。
無言でいる時間が少しだけあって、夏目さんはようやく口を開いた。
「……美佳さんの方はもう帰って来ましたか?」
なるほど、きっとこれは優姉が帰ってきていないことを心配しているのだろう。
「いえ、まだ帰ってきてないようです」
「そうですか……」
思った通り少しだけ憂うような様子が見れた。
「そんなに心配なんですか? 一応行方は分かっていますし、それに六家で話し合いって言うくらいですから、規模的には大きなものでしょうし、それなりに遅れがあっても不思議はないと思うんですけど」
「それはそうかもしれませんが、過去数回ありましたが、こういう風に時間の遅れがあるなんて経験はありません。集まっているのはあの六家ですから、例え何かしらの襲撃があったところで、問題はないとは思っています。どちらかというと持ち帰ってくる話の方が怖いですね。それだけ話が長引くほどの何かがあるということでしょうから。それが優奈の負担にならないといいのですが……」
なんだかんだ憎まれ口をたたいたりすることもあるが、やっぱり優姉と仲が良いんだなとしみじみ感じる。夏目さん自身の人の良さもね。
「俺たちが今心配してもどうにでもなることでもないですよ。本当はどうしているのか分からないんですから」
「確かにそうですね……出来ることと言えば待つことだけです」
「そうですね」
俺は仕方ないですよと意味を込めて曖昧な笑みを浮かべながら肯定を示した。
「わざわざこんな話をしてすいません。ちょっと愚痴が出てしまいました」
「いえいえ。これくらいなら気にしませんよ」
俺がそう答えると、夏目さんはもう一度頭を下げてから「それでは放課後に」と言い残して自分の教室へと向かっていった。
俺はその背中を見送ってから、もうすぐ時間になることを思い出し、慌てて教室に向かって駆け出した。
――――――――
急いで席について数分後、両手に山になりそうな書物を抱えながら、器用に足を使ってドアを開けた岡嶋先生が教室に入ってきた。
「おらー、席につけー」
夏だというのにまだ暑いということと、新学期初日ということと、荷物が重かったこともあっていつも以上に声には張りがなかった。張りがないどころか緩みまくっている。
ちなみに岡嶋先生のやる気が一番あるのは、学期の最終日だったりする。あとは週末がちょっとだけ元気になる。
「一人一冊だからな」
持ってきた書物もとい資料を配りながら岡崎先生はそう指示を出した。
配られてきた資料はそれなりの厚さがあった。手にとって表紙を確認するとそこには『学園祭について』と書かれたものだった。
「表紙に書かれてるとおり、これは学園祭についての資料だ。先輩とかから聞いている奴もいるとは思うが、規模はかなり大きい。そういうわけでまだ学園祭まで結構な日数があるが、早めに準備に取り掛かることになっている」
岡崎先生からの説明にふんふんと頷きながら、続きに耳を傾ける。
「今日は学園祭についての大まかな内容とクラスでやるべき内容、あとは最低限知ってもらわなければならないことを教えるから、ちゃんと頭に入れとけよ」
岡島先生は自分自身の手元にもある資料のページをめくりながら、説明を続けていく。
「まず表紙をめくると目次があるから、わかんないことは最初にそこを見てこの資料で確認しろ。大体のことは書いてあるはずだから。それでもわかんないときのみ俺に聞け。それでもわからなかったら学園長のとこにいけ。それじゃ次は――」
大まかな内容をまとめてみようと思う。
まず日程だが俺たちの学園の開催日は今日からおおよそ一ヵ月後くらいで、開催期間は三日間となっている。
大まかな内容としては魔法競技大会と同様に各学園ごとで競うようにして行われるらしい。方法としてはくじ引きで決められた順番(既に決められているらしい)で学園祭を開催し、中立となる立場の代表者の人がそれぞれのところを回り、評価するという仕組みになっている。他の学園の生徒も参加できるようにその期間は学園祭シーズンという名のもとの連休となっている。
なぜ生徒、先生に評価させないかと言われれば、公平に物事を進めるためだとか。なんでもこれに優勝するとしないでは大分待遇が変わるらしいからだ。要は学園に大きな収入が入ってくるのだ。
クラス単位でやることは何かしらの出し物を考えてそれをやるらしい。よくあるのは喫茶店みたいなものとか、演劇みたいなこととかだ。この説明をしたとき岡島先生から「今度何やりたいか聞くから考えておけよ」と言われた。
他には学園単位で何かをやるという説明があった。何をやるかはまだ決定していないらしいが、これまた大がかりなことだろう思う。たぶん生徒会で話し合うんだろうなぁ……ちゃんと何かしら考えておこう。
「次は知っておけっていう内容の部分だ」
さっきまでの軽い感じとは違って、少しだけ表情にスイッチが入ったようになった。
暗に生徒たちにちゃんと聞けという風に訴えかけている感じだ。
数か月という間だが、岡島先生のこういう風に切り替えたときの意味をこのクラスの人たちは知っているようで、全員がさっきまでとは違った雰囲気で岡島先生のほうに意識を向ける。
「資料を見ればすぐにわかるんだが、魔法学園で開く学園祭は警備の仕事がある。いつもは各学園の生徒会と風紀委員会とかがその仕事に当たるんだが、今回は本格的に警備をするような奴がその仕事に当たることになった。具体的に言えば、ギルドの頭領かつ土御門家現当主の土御門隆次を中心とした精鋭部隊、それにプラスして六家の当主たちだ」
クラスのあちこちから固唾を呑む音が聞こえてきた。
それも仕方のないことだろう。大規模とはいえ、所詮は学園の生徒たちよって催される学園祭の警備にこの世界における最大と言っても過言ではない六家の勢力が集まるのだ。
つまり、それだけの勢力を集める必要性があるという示しているのだから。
「今ので分かったと思うが六家が集まらなければならないほどのことが起きるかもしれないということだ。つまりそれだけの危険がどこかに潜んでいる、それが起こる可能性があるということだ。何事もなければそれに越したことはないが、もし何かが起きたときは、絶対に自分から何かをしようとは思うな。クラスの担任である俺や先生の言うことは必ず聞くようにしろ」
「いいな?」と最後につけたし、クラスの全員が静かに頷くのを見て、岡島先生は満足げに今日の朝のホームルームを終了した。
最近お気に入りがそれなりの勢いで増えてきていてうれしいです!
すごくどうでもいいですが、今回の話はジャスト三千字でした!
本当にどうでもいいですね、すいません。