8話 師匠
タルク「おかしい…ここのはずなんだが…」
タルクは新聞に書いてあった住所に着くも建物から聞こえるのは銃声、おそらく射撃練習場のような
場所だった。
タルク「…」
タルクは何度も新聞の住所を読み直しても、スマホのマップに入力してもここが出る。
タルク「…(なんなんだ…これ…)」
カッ…カッ…
その時だった、横からブーツの足音がする、拍車の
音も混じったブーツの音は西部劇そのものだった。
男「なにかお探しかな?」
タルク「いや…(まさか…バスターの回し者か…?)」
タルクは念のため警戒しながらマップを見てるふりをして観察する。
タルク「…(俺の経験上…奴は武器を持っている…)」
男は白髪の混じった長い髪に伸びたヤギ髭、さらにカウハットと今の時代では中々みたい姿だった。
タルクは念のため話しかけてどうにか情報を探ろうとしてみる。
タルク「ところで…そんな格好してるってことは…
この射撃練習場に用が?」
男「そんなところだ…」
男は葉巻をポケットから取り出してはマッチを手に
持つ、よく見るマッチとはなにか違う、男はゆっくり足をあげてはブーツに擦り火をつける。
タルク「マッチで吸う葉巻はうまいのか?」
男「俺にはこれが一番に感じるんだよ…
"売人"さん…」
タルク「っ…やっぱりなにか知ってる男だな?」
男「言っておくが敵でも味方でもない…以前…発泡事件があってな…調査しているところだ…犯人は…中背で筋肉質としか分かってない…あと…事件は駐車場で起きたと…。」
タルク「…ってことは…」
男「探偵だ…名前は…スタルダスト・ハーパー…」
タルク「はっ?」
カール「冗談だ…カール…カール・ポンスキン」
カールは葉巻を吸いながら愚痴をこぼすように言う
カール「俺はターゲットを極限まで調べあげる…お前の滞在中のホテル…同伴者…偽名…すべて知ってる」
タルク「…知ってるか…昔はそういうのをバウンティハンターと呼ぶし…今もそうだ…」
カール「俺は首を切り落として持って帰るような
仕事をしてる訳じゃない…」
カールはひたすら葉巻を吸い続けている。
カール「発泡事件の以来もただ駐車場の持ち主に
頼まれただけだ」
タルク「で…今回のあんたの本題は?射撃場?俺?」
カール「どちらも合わせた…と言える…ちょっと来い…」
タルク「…」
タルクは周りを見渡しながらも着いていく。
カールは歩きながら話をしてくる。
カール「バスターという男を探しているな?実は
偶然にも…駐車場の持ち主の名前が…スバター…簡単なアナグラムだ…バスターは俺に依頼し俺の功績を
知りながらもお前を探させようとしていたらしい」
タルクは少し驚きながらも。
タルク「ずる賢いやつだ…」
カール「その通り…」
カールは受付に近づくとなにやら金色のカードを見せては受け付け係が裏へと案内する。
タルク「今のは?」
カール「ここでは俺は顔が知られているんでね…射撃場も特別な空間が用意されてるんだ…」
タルク「そうとう射撃に自信があるんだな?」
カール「あぁ…50代後半の射撃技術を舐めると痛い目に合うぞ」
タルク「そんな感じはするが…」
裏の空間に案内されるとそこは案外広く的の他に
ビン、缶、のような昔ながらの的も用意されていた。
タルク「エコな空間だな」
カール「その通り…さて…射撃を教えてやろう」
タルク「は?」
カール「俺はどちらの味方でもないが…正義でありたい…バスターを調べあげたが…奴は悪だ…なら俺は
より正義に近いほうにつく」
タルク「でも…俺は射撃は…」
カール「みていろ…」
カールはビンから6m離れた場所に立ち構える。
タルク「…(なんなんだ…このじいさん…)」
カール「…」
カシャッ!パリン!バンッ!
瓶の割れる音が銃声より先に響く。
タルク「流石にそれはおかしいだろ」
…
カール「射撃時はとにかく息を吐いていくんだ…リラックスだ…集中と言えばそうだが…少し違う…」
タルク「…分かっている…」
タルクは集中する。
カール「…わぁっ!」
タルク「っ!」
カールの驚かせる声にびっくりし標準がずれる。
タルク「じじい…てめぇ…」
カール「はっはっ…やっぱり集中力はまだまだ若いな」
タルク「そうかもな!」
タルクは拗ねながらももう一度構える。
パン!パリン!
タルク「…ふぅ…」
カール「悪くない…あとはもう少し腰を─…」
一方その頃…クロエは
クロエ「うぷぅ…もうお腹いっぱぁぃ…」
ルームサービス「おかわりはいりませんか!」
クロエ「いらなぁぁい…」
ルームサービス「そうですか!」
ガチャ…バタン!
ルームサービスの元気な若者はパパッ!と出ていく。
クロエ「んぅー…あぁー…暇ぁ…タルク早く帰ってこないかなぁ…」
クロエはなんとなくベットに横たわりながら考える。
クロエ「…(クロエが小さい頃はこんなお腹いっぱいに食べれなかったなぁ…)」
断片的な記憶が思い返される。
ベットに寝てた生活も気付いたら段ボールの上
路地裏、汚れていく感覚。
家でかすかに聞こえる両親の喧嘩の声。
母「あの娘の格が落ちるのよ!?あの娘は薬物を始めたの!!絶対に許されないわ!!今すぐ捨てるべきよ!!!」
父「だからって捨てるわけにはいかないだろう!あの娘はまだ小さいんだぞ!それに!あの娘がそんな事をしだしたのも俺達のせいだ!ストレスが
溜まって…」
…
クロエ「…(頭痛いぃ…)」グスッ
クロエは気付いたら涙を流してもいた。
思い出す度に辛くなる思い出、思い出す前にヤクは助けてくれた…
クロエ「…(ヤクはクロエにとっての神様ぁ…ふぁ…)」
コンコンッ
クロエ「んぅ…?」
クロエはフラフラしながらもドアに近づく。
タルク「俺だ…」
ドア越しのタルクの声にクロエはドアを開ける。
タルク「はぁ…ふぅ…良い娘にしてたか?」
クロエ「…タルクぅ!!!!」
クロエはさっきの思い出しからタルクのような人間がいてくれるだけでも心に余裕ができたのだった。
続




