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23話 異変

~クロエ~


クロエは冷たいような暖かいような、よく分からない牢屋のような場所に閉じ込め──…封印されていた


クロエ「誰かぁ~!いるぅ~?」


クロエはとりあえず声をあげてみるがその牢屋には声さも響かなかった。


クロエ「んぅ~…」


さらにクロエは後ろに手を組まされ手錠をつけられていて、その手錠も牢屋の壁に固定されていた。


クロエにはそれがストレスだった。


その時だった


キィィィィィ…金属の擦れる音と共に牢屋のドアが

開く…。


クロエが見たのは…。


クロエ「…ワニさん?」


そう、ワニがなんだかよく分からないお盆に吸引器と大量の白い粉の乗っけて持ってきたのだ…。


クロエ「…またこれぇ?」


クロエはこの薬物が二度目だった…。


クロエ「まえは人が持ってきたのに…」


そう、今回も人なのだ…。


男「…(こいつ何を言っているんだ?)」


バスターの仲間の男は不思議がりながらも吸引器と薬物をお盆ごと牢屋に置いて立ち去っていく…。


クロエはこのストレスの中吸わないはずもなく…

今はもうあればなくなるまで吸うようになっていた。


──


男はバスターに報告をしに行く…。


バスター「よう…やつの調子はどうだ?」


男「順調に吸ってる…どうやら幻覚まで見えてる

みたいだ」


バスター「そうか…どうやらタルクにも動きが

あったようでな…」


男「と…いうと?」


バスターはニヤリとし話を続ける。


バスター「…今探し回っている…ま…とはいえ…俺は…

こういう時に約束を守るわけじゃねぇ…クロエの前

でタルクを殺し…そのままクロエも殺す…。」


男「…そ…そうか…」


男はその場が怖くなり少し震える脚を持ち上げながら去っていく…。


バスター「…(楽しみに待ってるぜ…タルク…)」


~タルク~


タルクは路上駐車をしてハンドルを握りながらも

俯いていた…。


そう…送られてきた住所の建物を捜索するも次の

手掛かりがあるだけだった…ヒント2…ヒント3とありバスターは楽しんでいるのが分かる。


タルク「…(時間が間に合わない…3日なんてすぐだ…それに…俺が万全の状態で侵入するのを加味して…

あー…くそ…余計な事考えるなよ…)」


タルクは頭が混乱していた…。


タルクにとってまた大事な人を失う可能性があるのだ、かなりの焦りを感じていた。


タルク「…(どうすりゃいいんだ…とはいえ…

止まってなんかいられない…)」


タルクはエンジンをかける…。


その時だった…。


ヴ~…ヴ~…


車内の目の前に置いていた携帯が振動する…。

電話だ…。


タルク「カール…」


ピッ…電話に出る。


カール「タルク…困ってるようだな…」


タルク「あぁ…まさに今な…」


カールは少しご機嫌なように話してくる。


カール「今ちょうどハミントンでない射撃場にいる…お前のいるところの近くの射撃場だ…来い…」


タルク「…そこもVIPか?」


カール「勿論だ…」


タルク「あんた何者なんだか…」


タルクは電話を切りナビを設定してはすぐに向かう。



~射撃場~


タルク「…どうも…」


タルクは射撃場に入るなりすぐに受け付けに行く


タルク「タルクだ…カールに呼ばれてきた…。」


店員「お話伺ってます…どうぞこちらへ…」


店員に案内され歩いていく、やがて少し豪華なドアが入り口の部屋に案内されては入る…そこには

カールの姿があった。


タルク「カール…」


カール「おぉ、きたか…タルク…まぁ座れ」


カールは歓迎ムードで座っているソファーの目の前に手を向ける。


タルク「失礼する…」


カールはタルクが座ると何やら箱を取り出しそこから葉巻を1本取り出し咥えては聞いてくる。


カール「いるか?」


タルク「いや…いい…」


カール「ほうか…」


カールは葉巻の片方を噛みちぎりもう片方に火をつけ一服する。


カール「さて…色々知ってるぞ…タルク…まず…

お前さんのガールフレンドが誘拐されたそうだな」


タルクは言われることを予想していたかのように

割り込むように言った。


タルク「あんたはそういう情報をどうやって

手に入れているんだ?」


カール「企業秘密だ…ところで…俺には何人かの

知り合いがいる…どいつも腕がたつ…チームとして

派遣してもいい…その代わり…高くつく」


タルク「金か?」


カールは葉巻を吸いながら真剣な表情で答える。


カール「金じゃない…ふぅー…」


カールは口から煙を吐きながらも続ける。


カール「お前さんのそのバイソンが条件だ…」


タルク「っ…」


カール「勿論…グリップも込みでな…」


タルクの改造されたバイソン…勿論お金を積めば

いくらでも作れる…しかし…このグリップは…

ロアが落書きとはいえ彫った大切な形見なのだ…。


タルク「…」


カール「それがないのなら…お前さんのガールフレンド救助隊は夢のまた夢だ。」


カールは葉巻を続けて吸いながら言う。


カール「さぁどうする…」


タルク「…」


タルクはホルスターからバイソンを取り出し

テーブルに置く…その手は少し震えていた…。


タルク「俺はこの銃にあの娘が宿ってるって信じてた…だけど…言ってしまえば…確かに物でしかない…ロアが残したものは他にもあるし…俺は…今ある

大切な人の命を救うことを優先する…」


タルクは真剣な目でカールを見つめる。


カール「…そうか…ふぅー…」


カールは葉巻を吸っては履いて眉にシワを寄せる


カール「ふ…ふはっ…はは…それだ…」


タルク「…あ?」


カール「さっきのは冗談だ…バイソンはしまえ…俺が知りたかったのは覚悟だ」


タルク「覚悟…?」


カール「命がけで戦うというのは…命がけという

言葉の通り…代償は大きい…それと…今のお前さんの大事な人を助けるために…過去を捨てられるかどうか…それを試したんだ…もっとも…捨ててる様子

はなかったが…」


カールはさらに笑いながら言う。


カール「だがそれがいい!丁度いい塩梅というやつだ!」


タルクはそれを聞き続ける…ただ無言で。


カール「"時"には過去を思い返し…"今"やるべき事をやる…それでいいじゃないか…過去を忘れるなど

もったいない事だからな」


タルクは下を向き口角をあげ少し笑う。


タルク「…その通りだな」



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