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20話 日々

数ヵ月が過ぎた…。


バスターへの手がかりは一つもない…。


しかし…。


クロエ「タルクぅ!行くよぉ!」


タルク「おう…」


タルクとクロエは楽しく過ごしていた。


車内でも…。


クロエ「ラジオでメタル流れるかなぁ!」


タルク「あんまイメージはないな」


タルクは笑いながら返答する。


お風呂でも…。


クロエ「クロエ手で泡作れるよぉ!」


タルク「俺も出来るぞ…」


クロエ「あぁ!ゴシゴシするやつ禁止!風船みたいなやつ作るの!」


寝る時も…。


タルク「おやすみ…」


クロエ「おやすみー!ざっぷーん!」


タルク「お前3分の2の寝方すんな」


しかしながら…タルクはやはり復讐…ロアの為の復讐を忘れてはいなかった…一度も…。


しかしながら毎日仲良しなのは変わらずだった。


それともう一つ…

あの日のクロエの事も忘れていなかった…。


サラーが捕まる直前のクロエの悲しそうな目、涙

動作も全てが悲しさそのものだった。


タルク「…(薬物中毒とはいえ…感情はある…)」


タルクは薬物の売人として薬物中毒者を見下さない

そんな流儀がある…。


ごく普通流儀だ。


そんな日々を過ごしていたある日…。


ヴー…ヴー…


朝に電話がかかってくる…。


タルク「…」


タルクはコーヒーマシーンから手を離し携帯に手を伸ばす…。


タルク「…(アオト…)」


電話に出るとまずタルクからの第一声…。


タルク「朝にかけてくるな…」


アオト「分かってるって…でも…俺…アオトからかかってきたのだとしたら…なんの事か分かるだろ?」


アオトは電話でも分かるようなニヤリ声で話してくる。


タルク「あぁ…"朝にかけてくる奴"で登録しようと

思ってたんだが…今回の話が本当に有意義なら─」


アオト「バスターを見つけた」


タルクはその名前を聞いてはすぐに食いつく。


タルク「なに?本当か?」



一方クロエ…。


目を覚ますとタルクが隣にいない事に気付く…いや…


隣にいないことで朝だと気付く…。


クロエ「…(いい日!)」


クロエはバサッとベットから出てはクロエ体操をしてリビングに行く…。


クロエ「…(タルク~!)」


クロエは既に心でタルクの名前を呼んでいた。 


そしえ部屋からリビングに行った時だった…キッチンから聞こえるタルクの通話する声で足を止める…。


タルク「あぁ…"バスター"は──」


クロエ「っ…」


クロエはキッチンの入り口の影に隠れてよーく聞く


タルク「…情報を教えてくれればすぐに行く予定だ…」


相手の声は聞こえないがバスターの情報を話しているということは…クロエでもわかった。


とにかく…クロエは酷い胸騒ぎに襲われた、瞬時に

来る考えは沢山あった…。


またタルクがいなくなるかも…


タルクが危ない…


クロエの家族…


一人になっちゃう…。


タルク「…あぁ…わかった…それじゃあな…あ、朝にかけてくるならせめてメールにしてくれ…昼に読む」


タルクは電話を切ると普通にコーヒーマシーンでの

作業を再開していた。


クロエはキッチンの影からまるで"え?今来たけど"

みたいな態度で出て言う。


クロエ「おはよーっ!タルクーっ!」


タルク「っ…びっくりした…おはよう…」


タルクは少し驚いた様子でマグカップを一つ戸棚

から取り追加した。


クロエはその様子を眺めながらもさっきの事を

聞かずにはいられなかった。


クロエ「…タルク…さっき誰かと電話してた?」


タルク「あぁ…まぁな…」


タルクは動揺する欠片もなかった、きっと後ろめたくないのだろうとクロエは悟った。


クロエ「…バスター…探すの?」


クロエ少し緊張したように声を震わせていう。


タルク「……あぁ…」


タルクは少し考えてから返答した…。


クロエ「でも…でも…そんなに固執するほどなのっ?なんで?どうして?」


タルク「…クロエにはちゃんと話してなかったな…

昔俺には娘のような存在がいたんだ…。」


~過去~


ガチャリ…キィィィ…ドアを開ける…。


タルク「ただいまー!ロア?ロア…?」


タルクは家に入ってすぐベットルームのドアのドアノブの血に気付く…。


乾きかけた赤黒い液体…。


その時既に足が震える感覚があった、少しの後悔も…


タルク「…ロア…?」


ゆっくりドアに近付く…それまでにいくつもの考え

が出てくる…。


ロアが倒れてるのか…怪我だけで済むのか…

それとも…一番見たくない光景が、目の奥に浮かぶ


オートロックのはずなのに…ロアが血を出してる時点で…


タルクはドアノブにゆっくり手を伸ばすが手が震えてるのを実感する…。


ガチャリ…キィィィ……


タルク「っ…!」


大きな心臓の鼓動とその後の早い鼓動の感覚は人生でその時だけだった…。


タルク「っ…」


声がでなかった…ベット上にいたロアは…ロアは…


そこから警察、病院、カウンセリングまでは一瞬のようで長かった時もあった、勿論今思えば一瞬だったと思う…



タルク「気付いたらロアのいない生活だった…

その後…数日間は会社に通勤していたが…働く

意味が分からなくなった…」


タルクは俯いて話続けていて声は掠れていた

マグカップを持つ手が…小さく震えているのを

クロエは見逃さなかった…。


クロエ「うっ…そっか…そっか…」


クロエは既に号泣しながら聞いていた。


堪えきれず、唇を噛みしめた…

それでも目から溢れた涙は、止められなかった…


タルク「なんでお前がそんな泣いてんだ…」


クロエ「うぅ…だって…クロエだったらそんなの

堪えられない…」


タルク「…(俺だって堪えれなかったさ…)」



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