表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/27

18話 説得

タルク「…(サラーを見つけたといえ…利用するだけなのは悪すぎる気がする)」


タルクは過去の自身の経験から薬物中毒者はそれ

以外に頼るものがなかったり、酷いストレスから

来てる時もある…。


タルク「…(どうにかしてやらないとな…)クロエ…」


タルクはクロエに声をかける。


クロエ「んぅ?♡」


クロエは相変わらずキマッた返事をする。


タルク「あー…姉について思うところはあるか?」


クロエ「……別にぃ?♡」


タルク「…(少し考えたな…何かしらはあるみたいだな…)」


タルクはバイソンの手入れをしながらクロエの様子を"念のため"見続けていた。


タルク「…(しかし…サラーはクロエをどう思ってるかだな…母の勝手な判断の可能性もある…)」


タルク「クロエ…そろそろ行くぞ…」


クロエ「はぁーい♡!」


タルクはクロエを連れ車に乗る…。


クロエ「タルクぅ~♡」


クロエはリクライニングを倒し脚を見せてくる。


タルク「どうした?」


タルクは水のペットボトルを傾けながら聞く


クロエ「…クロエって色気あるぅ♡?」


タルク「ぶっ…」


タルクは水を吹きそうになるが堪えた…。


タルク「吸いすぎだ…ヤクを少し抑えろ…ってか…

取り上げた方がいいか?」


クロエ「えぇ~!だめぇ~!クロエこれないと

死んじゃうのぉ!」


タルク「…車では吸うなよ…?」


タルクはエンジンをかけ車を運転させていく。


クロエ「ねぇねぇ~…♡」


タルク「…ん?」


クロエ「クロエ達ってどんな関係♡?」


タルク「…俺とクロエ?」


クロエ「うんっ!」


タルク「…」


クロエ「クロエねぇー…タルクが好きだよ…」


クロエは少し落ち着きを払って言う…。


タルク「好きってお前…それどんな好きなんだよ…」


タルクは横目でクロエを見る。


タルク「寝てる…」


クロエ「…くぅー…」


静かに寝息をたてて眠っている。


タルク「…」


信号待ち中にゆっくりリクライニングを直して

髪を耳にかけてあげる。


タルク「…(可愛い奴…)」


…。


クロエ「…ん…?」


クロエはなんだか車内のような変な空間で目を覚ます…。


クロエ「…ここどこぉ?」


しかし…横にはタルクがいる…。


タルクの隣で心地良い夢の中を漂っている感覚に浸り ながら少し微笑む


クロエ「タルクといると夢みたいだなぁ... もっとこのままいたい...」


クロエは目を半開きにしながらタルクを見つめ、嬉しそうに小さく手を伸ばす。


しかし…手は透けてしまう…。


タルク「えぇ... ? これ…どういうことかなぁ…♡

クロエ、夢の中にいるのかなぁ…?」


クロエはタルクの顔を見つめながら微笑んで言う


クロエ「でもタルクがいるから夢でもいいや~♡」


そう思うと…タルクは消える…。


クロエ「えっ...どこに行っちゃったの...?」


クロエは周りを見回してもタルクの姿は見えず、

不安な気持ちが胸に広がる…。


クロエ「…お願い、返事して... 」


夢の場所が変わり...何か優等生な自分が見える...

タ ルクと会ってなかった世界線の自分だろうか…。


クロエ「え...?これがクロエの別の姿...?」


優等生の自分は、真面目な表情を浮かべ、本を読んでいる。


その姿を見て、何か淋しい気持ちが芽生える


クロエ「んぅ…でも...タルクと一緒にいない

この世界は、ちょっと寂しいなぁ...」


囁き声が聞こえる...

タルクはお前にとって…

邪魔でしかない存在だと...


耳を澄ませて囁き声を聞くと…

心がざわざわしてくる…

何か不安な気持ちが湧き上がり…

優等生の自分を見つめながら手が震える…


クロエ「いやだ...タルクはそんな存在じゃないよ…」


クロエ「クロエにとって大切な人だもん...」


徐々に声が大きくなる囁きに反発し…

涙が溢れそうになる…


クロエ「そんなの、認めたくないよ!」


夢はさらに場面が変わり... タルクが運転してる車…


いや...あの母を人を轢いている場面が...


やめて...! それは絶対に嫌だよ...!


手が震え、足元がふらつく……

あの母が…あの母でさえが地面に倒れているのを

見て、心が締め付けられるような痛みを感じる…


クロエ「こんなの、望んでない...」



クロエは少し揺れるような車内で目を覚ます…。


クロエ「…(タルク…消えてない…?)」


うっすら目を開けて横を見る…。


タルクはいつも通り真剣に運転をしていた。


クロエ「タルク…」


タルク「ん…?」


クロエ「クロエ…タルクが大好き…クロエの好きは

好きの方の好き…。」


タルク「…」


タルクはハンドルを握る力が少し緩まった気がした…

勝手に緩まった気がした…。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ