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17話 再開

タルクは壁の陰から覗き見る。


タルク「…(確か…サラーはここでの取引をしているはずなんだ…アオト以外からも買ってたらここを使うはず…)」


タルクのいる場所は人通りも少なく監視カメラもない、というか、今の街は調べたところここと、あと3つ4つしかこういう場所ないのと離れている。


クロエ「…タルク…」


タルク「ん…って…なんでお前が…車の中で…

待て…と…」


クロエの方を向くと前に来たサラーの母親が…。

スーツの男二人を連れ、銃をクロエに向けていた。


タルクは無言で手を上げる。


タルク「…知ってたのか…サラーの事…。」


女「わが娘は…この出来損ないの薬物中毒者と違って偉業をなしてから…手を染めたの…今やサラーは私より上の存在

あの娘が何に手を出そうと…私にはお金が入れば

良いのよ…」


男の片方はタルクに銃を向ける。


タルク「っ…(バイソンに手を届かせても…クロエが撃たれる可能性もある…くそっ…)」


女「今…あなたをどうしようか考えてるのだけれど…どうしましょうか…」


クロエ「タルクっ…」


クロエは少し抵抗するように。


女「あなたは黙ってなさい!!!!」


パチン!!!


クロエ「あぅっ!! 」


タルク「っ!…」


タルクは既に反応していた、銃を抜いていた…。


ババン!


男二人が倒れる…。


女がクロエにビンタした際に男達に油断が出来たのだ。


タルク「もうお前はおしまいだ…くそばばぁめ!」


女「私を殺したらっ!どうなるか知ってるわよねぇ?」


タルク「…」


女「サラーを見る人がいなくなる…そうでしょ?

あなたは薬物中毒者に優しくしてきた…サラーが

そんなことになって良いのかしら?」


女はニヤリと笑い近付いてくる。


タルク「…」


銃をしまうタルク。


女「ふふっ…英断──」


バコッ!!


タルクは思いっきり女を殴る。


タルク「これじゃ死なないだろ…とっとと行け!!」


女「っ…お…覚えていなさいよ!」


女は慌てて立ち上がりどこかへ逃げていく。


そんなことより…タルクはクロエに近づき。


タルク「クロエ…大丈夫か…」


クロエ「うん…大丈夫…クロエ強いから…」


そうやって見せる頬を腫れさせた涙目のクロエの

笑顔はタルクの心を痛めるのに十分だった。


タルク「そうか…すまない…」


クロエ「…タルクは?大丈夫ぅ?」


タルク「俺は平気だ…さ…ほら…立って…」


タルクはクロエをゆっくり立たせる。


タルク「…(きっと今日のところはサラーは現れないよな…)」


そう思いクロエを連れて車に戻るのだった…。


~家に戻る~


タルク「はぁ…」


タルクはデスクでコーヒーの湯気を眺めながら

考えていた。


タルク「…(あの母親の最低具合もそうだが…

サラーは状況がかなりまずいんだな…)」


一方クロエだった…自室に戻りしていたことは…


やはり…


クロエ「ふぅぁぁぁぁ…♡」


ヤクを吸っていた嫌なことがあったら吸う…これは

既に癖になっていた…。


だが…少しずつ彼女を蝕んでいた…。


クロエ「…」


~思い出す


女「わが娘は…この出来損ないの薬物中毒者と

違って」


脳内で響く…まるでエコーが何重にもかかってるかのように…。



クロエ「すぅぅぅぅぅぅ…ぷぁっ…♡」



~タルク~


まだまだ考えていたタルクはデスクである写真を

手に取る…。


ロアとの写真だ…。


まだカメラが何かも分からないような顔で…ただ俺を

好きでいてくれた純粋な…。


なんでこの娘が…。


デスクにはポタポタと涙が溢れる。


思い出す度にまた抱き締めたくなる…会いたくなる。


思い出す…


ガチャ…


ドアが開く


タルク「…ふぅ…あ…起きてたか…おはよう…って…どうしたんだ!」


泣いてるロアに急いで駆けつける。


ロアはターの声を聞いて、ぱちっと目を瞬かせる


ロア「ぁ…ターぁ!」


自分を抱きしめるように駆け寄ってくると顔を隠したまま泣き続ける


ロア「ロア…すごく怖い夢を見たの…」


涙が止まらず、ターの胸に顔を埋める


ロア「ターがいなくなったらどうしようって…」


ふるふると震える肩を押さえながら少しだけ涙を拭って顔を上げる


ロア「ロア…ここにいてもいい?」


タルク「…当たり前だろ…っ…可哀想に…」


抱き締めてあげると…


ターの温かい腕に包まれ、ロアは安心したように息を吸い込む


ロア「うん…ターがいてくれるから大丈夫…ターは

ロアをすてたりしないよね?」


タルク「…捨てるもんか…大丈夫だからな…」



タルク「…(結局…いなくなったのは…ロアの方じゃないか…)」


とにかく悔しかった…絶対に守れたはずだったのに。


クロエ 「タルク・・・捨てないで・・・クロエの事・・・

捨てないで…」


クロエは今同じような状況で同じように

言ってきてる…。


だから…クロエだけは…。



チク…タク…チク…タク…。


デスクの上に時計を置いていたからか…いつもより

近くに秒針の音が聴こえた…。


そう…気付いたら眠っていたのだ…。


タルク「ん…(コーヒーも…意味をなさないな…)

ふぅ…ん…」


タルクは背中に違和感があった…。


タルク「…」


毛布がかかっていたのだ。


タルク「…(クロエ…)」


クロエ「タルクっ♪起きたっ?」


タルク「起きた…」


クロエ「えへへぇー♪」


クロエはキッチンからひょこりと身体を出すと…。

なにやらエプロンを身に付けていた。


タルク「…クロエ…それ…」


クロエ「実はクロエ…タルクの為にご飯作ったんだぁー!」


タルク「えっ!」


タルクは慌ててデスクから立ち上がりキッチンの

様子を見る。


タルク「おぉ…(綺麗なままだ…)」


クロエ「どうしてそんなに慌てるのぉ?」


クロエはジトーっと見つめてくる。


タルク「いや…なんでも…それよりなに作ったんだ?」


クロエ「ハンバーグ!」


タルク「ハンバーグ…」


タルクはテーブルに置いてあるハンバーグを凝視する…


タルク「ヤクいれてないだろうな?」


クロエ「いれてないよぉ!」


タルク「そうか…そうか…」



ロア「ター!ままとハンバーグ作ったよぉ!」


タルク「まま?っ…え…あ…ライリーの事か?」


ライリー「…やだ…」


ライリーは少し照れた様子で頬を赤らめていた。


ライリー「その…ハンバーグ…ロアちゃんが一生

懸命作ったわ…私が支えながら…焼くのもしたのよ?」


タルク「そうか…なら…宝物バーグだな…」


タルクは目の前のハンバーグの前の席に座り。


ロア「ター♪めしあがれぇ♪」


ロアがフォークとナイフを差し出してくる。



クロエ「はーい!タルクぅ♡召し上がれ…♡」


タルク「…(一緒…)」


クロエ「なんで泣いてるの?タルク?」


タルク「いや…なんでも…」


フォークをさし…ナイフで切り分ける…。


一口…。


クロエ「…美味しいかな…?タルク…」


クロエは緊張した様子で聞いてくる…。


タルク「…塩いれすぎ…」


クロエ「えぇー…!クロエ初めてで頑張ったんだよ…」


タルク「だな…」


再び切り分け…たべる…。


タルク「…(うっま…)」



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