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16話 love

次の日の朝だった…。


道路に黒塗りの高級車を走らせるタルク…その隣には

勿論クロエ…。


タルク「…」


クロエ「タルク~?今日はどこの行くの~♡?」


タルク「情報収集…少し気になっていてな…」


遡ること二時間前…。


~二時間前


朝…


タルクはコーヒーを淹れようと機械に触れようとしたタイミングだった。


ヴ~…ヴ~…


タルク「ったく…」


電話が来たのだ…。


タルク「午前中はかけるなと…」


アオト「おいおい!タルク!大事件だぜ!」


タルク「…なんだ…」


アオト「今日ヤクの取引をしたんだ…そしたら相手に誰が来たと思う?」


タルク「…誰だ?」


アオト「女はフードを被ってたんだが…女優の

サラーが…"また"ヤクを買いに来たんだよ…!」


タルク「サラー?あの女優のって…(どういう事だ…

隠れて依存していたのか?母親の管理が行き届いていないとか…?)」


それよりもタルクに引っ掛かった言葉があった。


タルク「"また"…?」


アオト「あぁ…確か二回目なんだ…前にも初めたての時にも来た覚えがあってな!」


タルク「そうか…サラーはもう行ったか?」


アオト「あぁ…行っちまった…」


タルク「…(クロエはここにいる…似ているのを

間違えてる可能性無し…あいつが言うなら…

サラーだ…)」


アオト「…ま…女優だからかかなり高い金額のヤクを準備させられてなっ…タルク…また仕入れ頼む…

いつもの倍払うぜー?」


タルク「調子に乗るな…金は大事にしろ…

もう切るぞ」


アオト「はいよ…」


ピッ…


タルク「…(サラーも隠れ依存者…となれば…

それを裏付ける証拠があれば…クロエに迷惑は

かからないし…サラーは芸能界から姿を消す…

はず…)」


タルクは深くさらに考える。


タルク「…(しかし…ヤクの証拠だけでは心もとないか…他の犯罪も少し調査しよう…)」


タルクはクロエの部屋をノックする。


タルク「クロエ…朝だぞ…」


ガチャリ…


クロエ「おはよぉ~♡」


クロエは相変わらずのほほんとしていた、おそらく

ヤクのせいだろう。


その時…。


ちゅっ…


タルク「…(ん?…)」


タルクは自分に何が起きたかを理解できていなかった…。


頬にキスをされたのだ。


タルク「いや…ん?なんでだ?」


クロエ「何がぁ~?」


タルク「なんでも…それより…朝食そこに作って

置いてあるから…食ったら身支度しろ…すぐ出るぞ」


クロエ「ん~クロエのお気に入りの服は?」


タルクは微笑みながら来た来た…とばかりに…。


タルク「もう準備してある…」 


そのままタルクはクロエのお気に入りの服を取りに

行こうとするが…。


クロエ「えへへぇー…タルク大好き…。」


タルクは動きを止める…。


タルク「それ…その…なんでもない…」


クロエ「?」


タルクは再び服を取りに行く。


クロエ「(まぁいっかぁ…)…これ…ヤク合うかな…」


サラダにヤクをまぶすクロエ…。



食後…クロエはタルクが部屋にお気に入りの服を置いてくれたので部屋に入り服を着ようとパジャマを

脱ぎ…そして…。


鏡をみる…。


クロエ「…(うーん…)」


クロエは自分の身体にある傷をみる。


クロエ「…(クロエこれ気になっちゃう…

いつのだろ…)」


コンコン…


ドアをノックされる。


タルク「まだか?」


ドア越しのタルクの声にクロエは慌てて服を着だす。


クロエ「う…うんっ!今行くね~…♪」



服を着たクロエはいつもと違う…前髪をしっかり

とかしている。


タルク「クロエ?」


タルクが再び声をかけてくる。


クロエ「あともう少しだよー♡タルクー♡」


タルクはドア越しに分かっていた。


タルク「…(なんかいつもと違うな…楽しそうなやつ…)」


ガチャリ…ドアが開く…


タルク「やっと……。行こうか…クロエ…」


クロエ「えぇ!待ってよタルク~♪

クロエ可愛い♪?」


タルク「…行くぞ…」


クロエ「…(タルクってなんで可愛いって

言ってくれないぃ?)」


そうして…二時間後の運転中…今にいたる。


タルク「…(俺は何してるんだろうな…ロアの復讐

そっちのけで…生きてるやつの為に…)」


タルクは再び考える…。


タルク「…(生きてるからこそか…

もう間に合わないなんて事は絶対に起こさない…

このチャンスを絶対に利用するんだ…。)」


そうして高速を走る高級車…。


タルクは横目にクロエを見る。


クロエは何気なく外の景色を眺めていた。


タルクは運転に集中する…。


だが…クロエの視点では違った…。


クロエは…車の窓に反射するタルクを眺めていた。


トンネルの時…少しの影を通るとき…。


直接見るのは…クロエでも照れるから…。


クロエにとっての初めての恋はまだまだ最初の段階…


それはタルクも同じだった…


ただ少しすれ違ってるだけだった…


クロエ「…」


タルク「平気か…クロエ」


クロエ「……。平気だよ~…タルク…♡」


タルク「そうか…」


タルクは優しく微笑み再び運転に集中する…。


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