15話 トラウマ
タルク「これ…そっちに…」
マシュー「おうっ!」
タルクは家の掃除をしていて、マシューに来てもらっていた、勿論外食より美味い手作り料理を作ってやるってことで。
タルク「クロエっ…これはそっちに…」
クロエ「はーい!」
クロエも真面目に掃除をしていた、そう…なにせ
使ってなかった部屋をクロエの部屋にする為だったからだ。
クロエ「クロエ凄くワクワクするっ♡生まれて
初めての部屋だもんっ♪」
マシュー「クロエもまた大人になったなっ!
ははっ!」
タルク「喋ってないで手を動かせ」
クロエ「…えへへっ…でもっ…ありがとうねっ…
タルク」
タルク「いいって…」
その時…インターホンがなる。
タルク「ん?」
タルクはモニターを覗くと婦人のような女性と
スーツを着た男二人が見える。
マシュー「誰だ?」
タルク「わからん…」
ドアに近付きゆっくり開けると。
タルク「…何のようだ」
女「ここに娘がいると聞いたのだけれど…」
タルク「娘っ?」
女「失礼…」
タルクを押し退けて入ってくる女…。
タルク「っ…?」
女「あらあら…クロエ…」
クロエ「…?誰~?」
女「あなたのお母さんよ…」
マシュー「えっ…なんてこった…」
タルクは体勢を整えながら女に話しかける。
タルク「一体…何のつもりだ…」
女「分かってないのね…彼女に似てる女優…知ってるでしょ?」
マシュー「ま…まさか…サマー…」
タルク「サラーな…で…それと何が関係あるんだ?」
女「この娘と顔が似てたりするから…記事などにサマーのしてない事が書かれていてうちの娘が迷惑
なのよ…」
タルク「何を言ってるんだ…クロエ自身…悪いことなんかしてないだろう…」
女「前の熱愛報道…この写真…あなたでしょ…」
女はバックから記事を取り出し投げつけてくる。
そこにはタルクとクロエが仲良さそうにしている
写真がある。
サラー熱愛!?相手は一般男性か…。
女「うちの娘は女優だから記者がこぞって書いてくるのよ…」
タルク「っ…(他にも書くやつがいたのか…)」
クロエ「…」
女「さ…クロエ…一緒に来なさい」
女はクロエの方を向いては近付いてくる…。
クロエ「えっ…?」
女「あなたは私の娘…あなたの家族よ…?」
クロエ「嫌…」
女「はぁ?クロエ…良いから来なさいよ!」
女は不快な声で怒鳴ってくる。
しかしされてばかりではない…
タルクは女の目の前に立ち言う…。
タルク「ふざけるなよ…お前…絶対にクロエを家に
閉じ込める気だろう…サラーとやらが女優業で支障がないために!家に閉じ込めて!ふざけるな!」
男二人…女についてきていたスーツの男二人が目の前に来る。
タルク「脅しは効かないぞ…」
女はタルクの表情を読み取り…スーツの男達に言う。
女「ふん…まぁいいわ…あなたたち…下がりなさい…
女は男二人に指示をすると玄関ドアに近付き…
振り替えると。
女「クロエ…また来るわね…」
さっそうと三人は出ていって。
タルク「はぁ…」
クロエ「タルク…」
~
母「もうあんな娘いらないわ…本当に…」
父「…」
母「いっつも迷惑になるのよ…邪魔になるなら…」
"捨てるしかない…"
~過去…小さい頃から聞いていた言葉…
クロエ「…(タルクも…そう思ってる?)」
タルク「…作業再開だ…ほら…マシュー…これ運べ」
マシュー「お…おう…」
マシューは戸惑いながらも箱を受け取る。
タルク「クロ──…」
クロエ「タルク…捨てないで…クロエの事…
捨てないで…」
タルク「は…?」
クロエの方を向くとクロエはうつむき立ち尽くし…
涙を流しそうにしていた。
クロエ「クロエ…もう一人は嫌…クロエ…もう
ダンボールで寝たくない…」
タルク「…どうせ…ヤクが吸いたいだけじゃ──」
クロエ「そんなんじゃない!!!!」
クロエは涙を流しながら叫んだ。
タルク「そうか…すまん…」
クロエ「クロエの気持ち分かってるの…?タルク…」
タルク「そういう深い話しは後にしような?
必ず聞くから…今はせめて…これを終わらせよう」
クロエ「…わかった…」
タルク「それと…これだけは先に答えておく…」
クロエ「…?」
涙を流しながら顔を上げる。
タルク「今の片付け…今の作業…全部…お前の部屋を作るためにしてることだろ?」
クロエ「…うん…」
タルク「つまり…お前の居場所はここなんだよ」
クロエ「…」
クロエは目を見開くように。
タルク「だから…さっきの…質問かなんか分からないが…それに答えるとしたら…
俺は…クロエを"捨てない"…」
クロエ「…ぅ…タルクぅぅぅぅ!」
泣きながら抱きついてくるタルク。
タルク「あー!わかったから!マシュー!助けてくれ!」
マシュー「バカかよー!良い感じだろ!」
マシューは笑いながらその光景を見る。
マシュー「…(お前また笑顔じゃん…タルク…)」
~
タルク「ロアっ!お迎え…来たぞっ」
ロア「タルクー♪!」
ロアはちょこちょこと駆け寄ってはタルクに抱きつく
タルク「ははっ…楽しかったか?」
~
マシュー「…(あん時のあんたみたいだ…素直じゃないけどな…)」
タルク「とりあえず…作業しよう…なっ?ほら…」
クロエ「うーん…終わったらパンケーキ
作ってくれるぅ?」
タルク「わかったよ…パンケーキな…」
マシュー「あっ!もとはといえば…俺に手料理って
約束だったんだぞ!タルク!」
タルク「はいはい…二十段なっ?」
マシュー「俺そんなにデブじゃねぇよ!」
タルク「デブだろっ…はは…」
タルクはキッチンの方に歩いていてき。
タルク「あと少しで終わりそうだな…作業終わったら…キッチン来い…暖かいパンケーキを作っといてやるから…」
マシュー「よっしゃ…やるか…メープルも──」
タルク「たっぷりな…はいはい…」
クロエ「…(暖かい家…クロエのあの時とまったく
違う…幸せ…♪)」
続