11話 追跡
タルクは捜索を続けているとやがてフードコートに
行き着く。
タルク「…(フードコート…クロエ…ってことは…)」
クロエ「タルク~…お腹減ったぁ」
タルク「…(やっぱりそう来たか…)」
タルクはクロエの文句を聞きながら辺りを見回す
タルク「…(いた…)」
タルクの目線の先にはオフの警察官…トニーがいる
タルク「…(眩しい程のスキンヘッド…間違いない)」
しかしタルクは急がない、もしバスターがいるのだとしたらバレる…。
タルクは隙をついて多目的トイレにクロエ
と一緒に入る。
タルク「クロエ…これを着るんだ…」
クロエ「えぇ…なにこれぇ…」
タルク「これ着たら…飯買ってやる」
クロエ「えぇ!着る着る!!」
クロエは目を輝かせ着る。
クロエが着たのは…クロエのヒップピッタリの女性用
黒のスラックスにグレーのシャツ。
タルク「…(やはり俺流…とはいえ…俺は別の服をっと…)」
クロエ「んー…」
タルク「どうした?」
クロエ「なんか…変…」
…
タルク「ほら…バーガーのセットだ…」
トニーの席が見える席についてタルクはバーガーを
クロエの目の前に置く。
ドサッ…バーガーのタワーが崩れる。
クロエ「わぁぃ!ありがとー!」
タルク「…(どんだけ食うんだか…)」
タルクはクロエからトニーへと視線を変える。
タルク「…(今のところ…家族との時間を楽しんでるみたいだな…バスターは…どんな計画を立ててるんだか…一目でトニーが分かるのか…?マークしてるならどの席から…)」
その時だった…
「迷子のお知らせ…トニー・コールソンくん…」
タルク「そういうことかっ…」
その時…ついついトニーも席から立ち上がるが…
タルクも焦って立つ…。
タルク「…(殺し屋を雇ってトニーを撃たす…トニーの情報を与えてないのでこの方法を採用…なるほどな…となると…戸惑ってる殺し屋が…)」
タルクは辺りを見渡すと一人に目が留まる。
黒のレザージャケットにスキンヘッド…髭を生やしていて目には傷…そして筋肉質。
タルク「…(いかにもじゃないか…)」
タルクはその男のすぐに銃を隠す動作にも気付いた。
タルク「…(接近しよう…)」
トニーも受付の方に歩こうとする。
タルク「…(よし…一緒に動けば…)」
クロエ「たるく?ほほひふのぉ?」
クロエは口をモゴモゴしながら聞いてくる。
タルク「…(そうか…クロエを置いていったら問題か…なら…)」
…
三階から二階…二階から一階へと…受付のある階数
に移動している…大量のバーガーを抱えたクロエを
連れて…。
タルク「…(トニーの右手前…あの男がもう既に
いる…ならっ…)」
タルクはクロエからバーガーを1つの取り上げ男の方向に投げる。
クロエ「あ!!!クロエのバーガーぁぁぁぁ!!」
クロエは急いで走ってバーガーを追っていく。
男の小声「…ターゲット捕捉…撃ってすぐに──…」
クロエ「まってぇぇ!!!」
男「っ!な…なんだっ!?」
男は反射的に銃を取り出す…。
そして!
トニー・コールソンはしっかりした警察官だった…
その声と音を聞いて向いた先、いかつい男が銃を
取り出す瞬間を目撃し…
トニー「止まれ!警察だ!!」
男に銃を向ける。
クロエ「っ…ふぅ…」
クロエもバーガーを丁度キャッチする。
男「くそ…」
男はトニーに銃を構えられながら膝をつく。
トニー「…良い髪型だな…」
男「お前の親戚かもなっ!」
タルク「…(こんな無茶な作戦は始めてだったが…
上手く行ったな…)」
クロエもバーガーを咥えながらタルクの元に戻ってくる。
タルク「…(犬だ…)良い娘だ…」
クロエの頭を撫でる。
…
車に戻ったタルクとクロエ、クロエは相変わらず
余ったバーガーを"車内"で食ってやがったが今回の
功績により許されていた。
タルク「うまいか?」
クロエ「うん美味しいよぉ!」
タルク「…まったく…(さて…あとはバスターがどう
動くかだな…今回失敗したからといって諦める訳がない…)」
タルクは運転しながら心で思う。
タルク「…(トニーが髪を守れなかった分…命くらいは守ってやらないとな…)」
タルクはそのままホテルの駐車場については車を
止め部屋に戻る。
クロエ「はぁぁぁ…つかれたぁ…」
クロエは部屋のベットにダイブしリラックスしていた。
タルク「付き合わせて悪かったな…」
クロエ「良いよぉー…沢山食べれたしぃ…」
クロエはそのまま身体をゆっくり起こしては服を
脱ぎ始める。
タルク「?…どうした?」
クロエ「この服嫌…」
タルク「そんなに嫌か?」
続