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1話 運び屋

6時だ…起きる


カーテンの外はオレンジの混じった青、この朝の雰囲気が大好きだ。


タルク「さてと…今日の顧客は…」


俺は過去色々あった…昔は上流企業に勤めていたが、出来事ってのは俺を大きく変える、人を大きく変える、今や俺は運び屋、ヤクの売買をしている。


タルク「…アオト…」


アオトは俺から良くヤクを買う男…何でも俺が行かないような遠い場所に買ってくれる人がいるらしく俺のいる街まで頻繁に買いに来る…


タルクは朝のコーヒーをマシーンで淹れてる間にシャツとスーツパンツを着用する。


タルク愛用のグレーのシャツに黒いスーツパンツ。


どちらもフルオーダーだ。


黒のスーツパンツには黒い革のベルトに銀色のバックル、グレーのシャツは必ず腕をまくり第一ボタン、第二ボタンを開ける…必ずだ。


そして腕には大事な腕時計、これをつけ忘れる事はない。


ヴー…ヴー…


タルク「なんだよ…」


朝の時間にスマホを触りたくないタルクは朝の電話を嫌に思う、が…仕事かもしれない…。


もしくは…奴の情報…。


出るしかなかった。


タルク「もしもし?」


アオト「タルク?俺だ…アオトだ…」


タルク「アオト…朝からかけてくるなと毎回言ってるだろ?」


アオト「知ってるさ…すまんな、だけど大事な用事なんでね」


タルク「取引に関わるか?」


アオト「あぁ…いつもの取引場所…使えなそうなんだ…」


タルク「…なんでだ?」


アオト「警察の巡回…俺も驚いた…いつもは人通りが少ないはずなんだが…」


タルク「そうか…わかった…対処しよう…そしたら…フラッシュベースサイドの路地」


アオト「前使ったところか…わかった…だけど…気を付けないとな…」


タルク「何が?」


アオト「あそこ…ヤク漬けのやつが多いんだ」


タルク「心配すんな…慣れてる…もう切るぞ…朝の時間にヤクを考えたくない」


アオト「おっと…そうだな…それじゃあ…12時に」


タルク「おう…」


ピッ…電話を切る。


タルクはテーブルにスマホを置いてはコーヒーを取る。


その後のルーティーンは…


タルク「さてと…」


トレーニング…昼食…


昼食はいつも取引が12時からなので11時という早い時間に取ることにしていた。


そして取引の時間30分前…


フラッシュベースサイドの路地はタルクの家から車で15分、タルクはゆっくりと黒塗りのセダンで向かう…タルクの愛車だ。


タルク「…」


街が流れていく、いつもと違う取引場所に向かっているとやはり新鮮な気持ちになれる。


やがて路地の近くに着くと路地から少し離れた駐車場でタルクは白い安物のジャケットを羽織り前を閉め、路地に向かう。


コツ…コツ…


タルクの高級の革靴の音が似合わない白い安物のジャケットのには訳がある…


タルク「…(ここだな…あと13分…待つか…)」


タルクは路地を歩き進めていくと。


女「おぉぃぃ…はぁーい…誰ぇー?」


タルク「…(ヤク漬けの奴ってこういう奴の事か…)…別に…通ってるだけだ…」


女「そっかぁ…お兄さんヤク持ってるぅ?」


タルク「何故そう思う?」


女「ここに一般人が来るわけないもーん」


タルク「そうだな…持ってる…で?」


タルクはこういう時の為に別で売り付けられるヤクを所持している。


女はみるからに…変…黒い服…黒いスカート…そして…変な匂い…?


タルク「買うのか?」


女「いらなぁいーお金なーい」


タルク「それじゃあ…今の状態にどうやってなったんだ…」


女「コツコツ稼いでるのぉー…」


タルク「あぁ…そうか…」


その時だった…


チュッチュッ!


ネズミが路地の奥の方へ走っていく


女「あ!ネズミぃ!待って待ってぇ!」


女はネズミを追いかけて路地の奥の方へ行ってしまう。


タルク「…(なんだったんだあいつ…)」


アオト「おい…タルク…」


タルクは振り返り


タルク「…アオト…よう…」


アオト「例のものは?」


タルク「…ここにある…」


白いジャケットを脱いでそのまま渡す


タルク「ポケットだ…最大限小さく折り畳んで運べ」


アオト「了解…ほら…金だ…」


タルク「あぁ…」


タルクはお金を受け取るとすぐにしまいアオトを見送る。


そう、白いジャケットは路地に入る時に白いジャケットを着ておくことで記憶されつつも出る時は着ていない…目撃者を撹乱できる他、取引の時にそのまま渡せば良いだけなのだ…車の段階でジャケットのポケットに入れておけばスムーズだからだ。


タルク「さてと…」


タルクもその場から離れようとした時。


女「見てみてぇ!捕まえたぁぁぁぁ!」


さっきの女が右手にネズミを鷲掴みにし戻ってくる


タルク「あ…お…おう…それ…どうするんだ?」


女「え?今日の夜ご飯」


タルク「はっ!?やめとけよ!」


女「えっ…でも…肉だよ?」


タルク「よせよ…まだ生きてるだろ…離してやれ…それに…そんなん食ったら死ぬぞっ…」


タルクは女からネズミを取ろうと近づき手を近付ける。


女「やだやだー!苦労して捕まえたのぉー!絶対に食べるー!」


タルク「飯なら!俺が奢ってやっから!」


女「え…ほんと!?」


女はすぐにネズミを離しやがった。


タルク「…ほ…本当だ…(クソめ)」


女「やった!ちょっと準備するから待って!」


タルク「お…おう…」


女はその場にしゃがみこみバックを漁ってなにかを準備?している…。


タルク「…」


タルクはそんな女の姿を見下ろしながらもう一度容姿を見直す。


すると…女はお洒落?的なので首輪をつけていて名前が刻まれていることに気付く。


"クロエ"


タルク「…(こいつまじか…笑)」


タルクは笑いを堪えながらも聞く。


タルク「お前チョーカーに自分の名前いれてるのか?」


クロエ「クロエの名前?そうだよ!カッコいいでしょー!」


あまりにも自然にドヤァッとしていてもう触れられなかった。


タルク「それで…家は何処にあるんだ?」


クロエ「家?」


タルク「そう…お前の家。」


クロエ「クロエの家はね!ここぉー!」


クロエは自分の位置に指を指す。


タルク「ここ…?つまり…この…建物?」


クロエ「ちがーう!ここぉー!」


今度はクロエは自身の真下に敷いてある段ボールに滑り込みダイビングする。


タルク「…そこ…?段ボール…?」


クロエ「そう!クロエハウス!」


タルク「…そうか…い…いい家だな…」


クロエ「そうでしょ!そうでしょ!一時間探したんだよぉー!」


タルク「それは…いい仕事をしたな…」


タルクは段ボールを見て過去を思い出す。


大事な…


タルク「…なぁ…クロエ…」


クロエ「んー?」


タルク「家来るか?」


言ってしまった…過去のあの娘と…似てたから。


クロエ「え…」


クロエは少し考えた後に言う。


ジトーッと…


クロエ「とかいって本当はぁ…クロエの身体目的なんじゃないのぉ?」


タルク「は?いや…ちげぇよ!」


タルクは素でツッコんでしまった。


タルク「とりあえず…お前をお風呂にいれたい…じゃないと…店には連れていけん」


クロエ「オフロ?」


タルク「…(化け物かもしれんぞこいつ…)」


タルク「お風呂…だ…」


クロエ「あぁー!お風呂ね!やったぁ!久しぶりのお風呂ぉー!」


タルク「…(何と間違えたんだよ…)まぁ…良い…行こうか…」


クロエ「うん!」


ズザザザザザ…


段ボールを引きずりながらついてくる


タルク「それは…置いていけ…」



数十分後家に着く。


クロエ「わぁー!ひろーい!白ーい!きれーい!」


タルク「あぁ…そうだな…それじゃあ…」


タルクは少し立ち止まって考える。


タルク「あ…服がないな…仕方ない…」


タルクはワードローブに向かって白いシャツを取り渡す


タルク「すまんがこれを着てくれ」


クロエ「えー…シャツぅ?うーん…」


タルク「我慢しろよ…」


クロエ「クロエの下着は?」


タルク「…」


クロエ「ねぇー?」


タルク「ないな…代わりはない…」


クロエ「そっかぁ!じゃ!なくていいや!」


タルク「…(良いんだ…)」



タルクはクロエがシャワーを浴びてる間念のため彼女のバックを漁っていた。


タルク「…(危険なものは持ってないだろうな…)」


タルクはバックを漁っているとあるものを見つける。


タルク「…なにこれ」


封筒…ショバダイ…と書かれている。


中身を見ると。


タルク「…なんでドングリ入ってんだよ」



とりあえずタルクの中では彼女は安全なことがわかった…抵抗もなし、殺意もなし、頭のネジもなし。


クロエ「ふぅー…さっぱりしたー」


タルク「おう…うわ…やっぱりノーブラだと目立つな…」


クロエ「仕方ないじゃーん…?」


タルクは少し考える。


タルク「俺は天才的な事を思い付いた。」


クロエ「え…何々!」


タルクは…黒いワイシャツを着たクロエを連れて飯につれていくのであった。


続く




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