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いつもと違う一日


沙紀がメッセージを送ってきてから数日が経った。あれからお互いの会話はない。沙紀の誘いには数分考えたのち、気がつくと「いいよ」だなんて返していた。断る理由がなかっただけで彼女の事を気にかけている訳ではない。そう、決して。


「なー、明日の数学テストあるらしいぜ。」


授業終わりの休み時間ぼーっとしているといつの間にか和也が廊下の窓越しに立っていた。そんな和也の声に我に返る。


「お前らのクラスだけじゃないのか?」

「いや、全クラスあるんだとよ。勉強だりぃーなー」


腕を上に伸ばしながら話す和也は見るからに不満そうだった。


「あ、そろそろ授業始まるから戻るわ。じゃあな!」

「おう、また後でな。」


手を振りながら足早に和也は自分の教室へ戻って行った。自分も数学の勉強をしなくては。


学校では特に変わった事はなく、そのまま家に帰宅した。時計に目をやると、今は夕方の17時。まだ夕飯までには時間があるので、早速明日のテストに向けて勉強を始める。いきなり明日テストだなんてもう少し配慮して欲しいものだ。


「やりますかあ」


あまりやる気はでなかったが、渋々勉強を始める事にした。最初は嫌でも住めば都ほどではないがそれなりに集中できるものだった。

今はお母さんがリビングで色々と家事をしているが、リビングから離れた所に位置している自分の部屋には全く音が入ってこなかった。ただそこに聞こえてくるのは、カリカリいうシャーペンの音と時計のチクタク音が静かに鳴るだけだった。おかげですんなりと勉強に集中する事ができて時間すら忘れていた。


「ふう。一通り復習は終わらせたし、もういいかな。」


しばらくして、ようやく勉強の目処に区切りがついたので終わらせる事にした。時計を確認すると18時30分。気づけば1時間半も勉強していたようだ。休憩がてら充電コードに差しっぱなしにされていた携帯を取りに行く。


「そういえば予定何も決めてないな」


不意にこの前の誘いの事を思い出す。誘いに乗ったものの沙紀からは「じゃあ出かける日は今度の日曜日で。」なんて言われたきりとなってしまった。自分から連絡するのは少し気が引けるが、待ってても仕方ないので沙紀に詳しい日程を聞くことにした。


ピコンッ


携帯を開いてすぐ一件の通知がくる。沙紀からだった。


「日曜日は行きたい所ある?」


どうやら沙紀も同じ事を考えていたようだ。


「いや、特にないよ。」


少し無愛想だっただろうか。女子と普段メッセージのやり取りなどしないから仕方ない。それに、あまり食い気味にいくのも柄ではないのだ。


「そうなんだ!行きたい所あるんだけど...いいかな?」

「もちろん、逆に助かるよ。」

「良かった、ありがとう!じゃあ駅前の広場に14時で!」

「了解」


軽くスタンプを送って会話を終わらせる。意外に悩む事もなくすんなりと予定が決まって助かった。遠くから「ご飯よー」とお母さんの声が聞こえる。「今行く」と伝えてそのまま向かおうとすると携帯画面が光ることに気づく。


「遥斗くん、そういえば私ね」


一瞬のことだった。困惑していると送信取り消しがされ、すぐに別の返信がかえってきた。


「ごめん!送る相手間違えちゃったみたい、気にしないで!」


そんなはずはない。確かに「遥斗」という自分の名前がメッセージには入っていた。つまり完全に自分宛てに送られてきたものだった。


「大丈夫だよ」


素っ気なく返したつもりではないが返す言葉が他にみつからなかった。沙紀は自分に何を伝えたかったのだろうか。


食卓に向かうと大好物のハンバーグが用意されていた。

2話目更新!!!自己満です全て!

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