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ちょっとしたきっかけ


テトリスは少しの隙間ができただけでは簡単に終わらない。少しずつ積み重なったブロックを崩していけば、何度でも修復が可能なのだ。

そう、それは人間関係でも言えること。一度ヒビが入ってしまっても上手く信頼を築いていけばお互いの関係は徐々に回復していく。沢山積み重なった後に崩すと本当の自分をお互いにさらけ出せるようになる。


まあ、それは本当の自分を晒せるような相手がいればの話なのだけれど。


「...ああ。」


また失敗してしまった。何度やり直しても、ブロックとブロックの間に小さな隙間が入ってしまう。今日はどうも調子が悪いようだ。ただ単にブロックを崩していけばいい話だが、性格上綺麗に積み上げたい。


「またやってんの?」


向かいの席で昼食をとっている和也に声を掛けられる。もう高校生にはなるが、クラスは違えどいつも一緒に食べてくれる友達の一人なのだ。


「うん。でも今日は上手くいかなくてな。」

「ほんと好きだよなー、テトリス。俺には良さがわからないや」


呆れて笑ったあとまた食べるのに集中する和也。自分も食べようと携帯をポケットに仕舞うと、

──ブーッ

小さなバイブ音がポケットの中で鳴り響いた。通知の内容は誰かからのメッセージが届いているお知らせだった。


「久しぶり、元気?」


中学校が同じだった沙紀からだった。あまり関わりはなかったが、彼女は自分より遥かに頭が良く、それに見合った高校に進学している。そんな彼女から連絡が来るだなんてどうしたものか。


「元気だよ。そっちはどう?」


まあ無難な返答だろう。たった今メッセージを送ったにも関わらず、通知音はすぐに鳴った。


「良かった!私も元気だよ。学校は楽しい?」

「いや全然。まだクラスに馴染めないかな」

「そうなんだ!私もだよ...」

「お互い頑張ろうな。」


ちょっとした会話を続ける。特に話す内容もないのでそのまま終わらせようとした。


ピコンッ


彼女からもう一件のメールが届いた。


「今度さ...一緒にでかけない?」


自分にも春が来たのだろうか。

初めて投稿します。よろしくお願いします!!

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