表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

短編集

暗黒微笑な美少女のせーとかいちょーは、幼馴染みには逆らえないらしい

作者: 桜橋あかね

SNSで募集したコメントでタイトルを作ろう的な、そんなノリで作った作品です。


『暗黒微笑』の意味を一ミリも知らなかった中の人。

(↑書く上で調べたのはここだけの話である)


それでは、どうぞ。



ここは都内、高級マンションが建ち並ぶ一等地。

……の中に、ある『私立高川(たかがわ)高等学校』。


そこに、一風変わった生徒会長が居るとか居ないとか。


▪▪▪


「おはようございまーす」


夏休みが終わった、新学期。

生徒が続々と登校する。


そこに一人の女子生徒がマイクを持って、校門前で仁王立ちする。


彼女の名前は、三河(みかわ)こまね。

この学校の生徒会長である。


『ちんたら、ちんたら歩いている!み・な・さ・ま!急がないと、出席の評価がダウンですわよ!』


「んだよ、またあの生徒会長が変なこと言い出したな」

「行こ、行こ。目付けられたら、おっかな……」


その会話をしていた二人組に、こまねは近づく。


「お二人とも、何か言ったかしら (暗黒微笑だぁくねすすまいりんぐ)」


その言葉に、二人は慌てる。


「な、なな、なんにも、言ってねえよな?」

「うん!何も言ってません!」


そう、こまねに返す。


「後で生徒会室で……」


そうこまねが言った瞬間だ。


「校長に無断で、何をやってるんだ」

その声は、副生徒会長の瀧口千路(たきぐちせんじ)だ。


「ふぇ、千路くん」


「『ふぇ』では無いぞ、三河。会長のやっていることが、生徒から不満が出ているって何度も言っているじゃないか」


千路はそう言いつつ、目を付けられた二人組に目線で合図する。

『今すぐここから離れろ』、と。


「あ、逃げんな!」

走る二人を追いかけようとしたこまねを、千路は服の襟を掴んで止める。


「少しは、落ち着け」


「……ふぇっ」


▪▪▪


一時限の授業前。


(……私、なんで千路くんに何も言えないんだろう)

と、こまねは考えながら授業の準備をする。


彼は、小学校からの同級生だ。

どういう縁なのか分からないが、ずっと同じクラスなのだ。


それは中学や高校も同じ事。

……そのせいか、私たちを知る友達は「腐れ縁では?」と言われる始末だ。


「いけね、宿題のブリントに記入すんの忘れたわー」

その時、クラスの同級生である縞音(しまね)が言う。


「……あらぁ?この事、先生に知られたら分かっているわよねぇ? (暗黒微笑だぁくねすすまいりんぐ) 」


「わ、分かってるが、ち、近寄るな」

縞音は後退りをする。


「縞音、俺の貸すから写せ」

その時、千路がプリントを渡す。


「あっ……駄目よ、駄目!それ!ちゃんと、言わなきゃ駄目……」


こまねがそう言い返すと、千路はこちらに向かってくる。

そして、頬っぺたをちょっとつねる。


「少しは見逃してくれ。縞音でも、たまに俺の手伝いをしてくれるから……な?」


「いたい、いたい!分かった!ゆるちてあげるからっ」

そうこまねが返すと、千路はつねっていた手を離し、つねった所を撫でる。


「……すまないな、千路」

小声で縞音が言う。


「まあ、いいさ。アイツは俺が矯正しなきゃいけねぇし」

そう千路は返し、笑った。


▪▪▪


午前中の授業が終わった。


(とりあえず、何とか終わったわ……お腹ぺこぺこ)


こまねは学食へと向かう。

……と、その道中で誰かにぶつかった。


目の前に、下級生の子が居る。

多分、この子とぶつかったのだろう。


「すいません、ぶつかったみたいで……その……」

その子が言う。


「あらあら?気を付けないと駄目じゃない、かしらぁ? (暗黒微笑だぁくねすすまいりんぐ) 」


「……あ、あのぉ……」

その子が、私の後ろの方を指差す。

誰かが居るような……?


「……ふにゅっ、千路くん!?」


「『ふにゅっ』、じゃないぞ?謝っているのに、その言い方は無いと思うぞ」

千路が言う。


なんか、目付きがいつもと違うような……


「……お、怒っている、よねぇ?」

そうこまねが言うと、彼は笑顔を見せた。


(これが本当の、暗黒微笑だぁくねすすまいりんぐ……)


▪▪▪


まあ、それからというもの。

こまねの『圧 (?) 』と言うものは、無くなったらしい。


その代わり、千路にはもっと逆らえなくなったそうな。

ラブコメであっているか、少々(どころでは無いが)不安な中の人でした。


読んで頂き、ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ