第零話〜第一話
大学のサークルで書いた小説2号です。1号はそのうち・・。初心者な私が書いたものでいろいろご勘弁ください。この物語は、笹木郁に取り憑く死神と試練に合う人間の物語。(あと、髑髏さんも)この作品が進むにつれ、残虐な描写があるかもしれません。
reko-do
第零章二〇〇八年五月四日午後五時
これは、彼女が高校三年生の春の出来事である。
ある晴れたぽかぽか陽気。
オレンジ色の夕日が天高く昇っている頃。
緑道からは、川が見え白い鳥達が水辺を優雅に泳いでいる。
そんな中、夕焼け色に染まった緑道を歩く彼女がいた。
現在の彼女の服装は、夕焼けでオレンジに近くなっている赤色のリボン、白いシャツの上から紺色のブレザーを羽織り、下に黒と灰色のチェックのスカートを膝上まで身につけている。
どうやら、服装的に学生のようだ。
彼女の名前を笹木郁。
腰まで届きそうな栗色の髪と琥珀色の瞳が特徴的少女である。
滝山町の住宅街から離れた山の中にある私立滝山高等学校に通う女子高生だ。
現在、学校から家までの下校中だが、彼女と同じように歩く人はいない。
つまり、彼女だけが歩いている。
(はあ。疲れた)
彼女は息を吐くと、肩からずれそうな黒い色のボストンバックを持ち直した。
そう、現在、彼女は疲れているのである。
今日の授業は、彼女の好きなテニスだったが、動きすぎて右腕が筋肉痛になっており動かすだけでも辛い。
一刻も早く帰りたいため彼女の足のペースは、やや早歩き。
筋肉痛でなかったら、もっと早く歩けるはずなのに、いたしかない。
(帰ってからも宿題なり、しないといけないしなあ。)
よりによって、この疲れた時に数学と英語の宿題がでた。
二つとも彼女が嫌いな教科である。
だから余計にめんどくさい。
(本当は、帰って風呂入ってから寝るのがベストなんだけど、そうもいかないしなあ。)
二つの教科は、明日もあるし、提出物がうるさい先生なのだ。
(あー。めんどくさい。誰か変わりにやってくれないかな。)
彼女は、本日、二回目のため息を付きながら思った。
そう思うといつもの美しい風景が憂鬱にさえなってくる。
さっきから風も強くなり木々が揺れているし、空も曇ってきて夕焼けがすっかり隠れてしまった。
まるで彼女の今の心を表しているかのような。
はたまた、何かの予兆を示しているような。
(嫌な感じ。さっさと帰ろう。)
彼女は疲労困憊のはずだが、気力で歩く速度を少し速めた。
運命の時間まで、すぐ、そこ。
ザッ。
ザッ。
そのとき不意に彼女の耳に、靴が土を踏む音が聞こえた。
ザッ。
ザッ。
初めは、向こう側から誰かが歩いてくるのだと思っていたので、それほど気にしなかった。
しかし、彼女の耳にその音がはっきりと、聞えた時だった。
そいつを視覚で捉えたのは。
ザッ。
ザッ。
突然、彼女の体内が緊張し、額に浮かんだ汗の粒が、つ、と流れた。
緊張と苦痛のため肩で息をしながら、彼女は、ぱちっと、瞬きした後、再びそいつを視覚で捉える。
茶髪の髪と瞳。そいつの前髪は、少し、うねっているが目までかかっている。
表情をよく見ると、薄紫の唇。青白い顔をしていて、そいつから生気を全く感じられず、まるで死人を思わせるような顔をしていた。
服装は、普通のサラリーマンが切るようなスーツを着ているのに、なんだかそれさえも外見のせいで不気味に思さえてくる。
(うっ。)
彼女は思わず右手で口元を押さえた。
(なんだか吐き気がする。)
彼女が視点を地面に移したときだった。
そいつが喋りかけてきたのは、
「よう。俺が見えてるのか?」
そいつが喋りかけた時、そいつの薄紫の唇が釣りあがり、それと同時に彼女の背筋に悪寒が走る。
(見えるに決まってるでしょ。何。こいつ。気味悪い。なるべくかかわりたくなかったのに・・・。)
「ふーん。見たところ女子高生か・・・。」
そいつは、彼女をジロジロ見てくる。
「・・・私。急いでいるので。」
彼女は、無視して、そそくさと、行こうとした。
「待て待て。・・・・・まいいか。お前に取り憑こう。幸い俺様の存在が見えるみたいだし。」
そう言って彼女にとって訳の分からない事を話し、そいつは近づいてくる。
「はあ?」
彼女は、後ろに一歩下がりながら、首を横に傾ける。
(見えてて何が悪いの?)
そいつが、右手を上に上げると、
パチッ
パチッ
突然、体に白い電流が走った。
さほど、電流で痺れる訳では、なかったが、いい者ではない。
彼女の意識は、ここでぷつりと、消えた。
*****
くるりっ
くるりっ
ここで、彼女が死んだわけでは、ございません。
今、彼女が死ねば、まだ物語りは、序章にしか過ぎないのに、終わってしまいますからね。
彼女は、意識がないだけです。
皆さん、ご安心を・・・。
彼女の意識が眠っている間に、この物語を少しだけ紹介しましょう。
私の名前は、妖精どくろ。
姿は、残念ながら人間には、見えません。
だから、姿は、ご想像におまかせします。
私は、ある死神に仕える者です。
まあ、こきつかわれている方が、正しい気がしますが・・。
私のマスターは、死神界一、最強と言われている方ですが、性格が・・・。
やたら、俺様気取りだし、えらそうだし、優秀な頭脳が別の方に使用されている事が多いですね。
マスターは、昔に、死神王と言われる偉大な方に悪戯しまして、反省として、能力を半分と、人間界に追放されてしまいました。
マスターにしてみれば、規律の厳しい死神界は、窮屈で人間界の方が、誰もマスターを止めれる人がいなく、きままな人間界の方が気に入っているようでした。
おかげで最近は、人間界になじんでますし(笑)。
ある時、死神王の使いが地上に降りてきて、こう言いました。
「最近、心の闇を抱えた地獄に落ちてくる人間が、多い。最近の人間どもは、軟弱すぎる。地獄にいる者達は、使えるものがおらん・・・・・。 そこで、お前に死神界に帰るチャンスをやろう。心の闇を具体化した恐ろしい『死の試練』を与え、人間共に天国へチャンスを与えろ。」
マスターは、なぜこの件を承諾したのか私には、分かりません。
だって、地上生活の方が気に入っていますし。
何か、含むところがあったのでしょうか。
しかし、ここで問題が・・・。
マスターは、人間界に追放されるとき、力を半分、失いました。
力が半分、ないんです。
人間に取り憑く事で力が一時的に戻る事を知り、なぜかマスターの姿が見えている彼女に偶然、取り憑いてしまいました。
そう、彼女は、被害者。
マスターが取り憑く限り、この先、ごたごたに会うに違いません。
はたして、どうなるのか・・。
それは、わからない・・・で・・・す。
あっ。
そろそろ、彼女の・・・意識が戻っ・・たようです。
ど・・うやら、私が・喋れるの・は、ここまで・・。
次、会え・・るのは、一年・後。
よっ・・て、物語・・も一年、進み・・ます。
で・は、これ・で・・。
*********
第壱章 夢〜雨宮由美子1〜
さらに一年後の東京。
東京の街中にひときわ大きいマンションが存在する。
一階は、駐車場や住人達が集うロビーや貸し店舗になっていて、実際、住人達が住むのは二階からになっている。。
各部屋の広さは、4LDKで、バスルームと、必要な家具、なぜか各部屋、テレビ一台付き(もちろん地デジ対応)。
マンションの値段は、やや高めで不景気にもかかわらず、現在の所、空き部屋はない。
そんなマンションに彼女、雨宮由紀子もマンション三階、三○一号室に住んでいた。
ただ今の時刻は、午前七時二分。
この部屋の住人、銀色の髪の少女=雨宮由美子は、まだ部屋の中のベットで夢の中にいた。
*******
最近、嫌な夢を見る。
森の中の古い洋館の、とても昔の夢。
できれば、今になって、思い出したくなかった・・・。
バシッ。
「お前は、なんて事してくれたんだ。この恥じさらしが。」
満月の夜。
山奥にひっそりとたたづむ洋館がある。
その場所は、洋館の二階、西洋風なカーテンで月の光が届かない真っ暗な部屋だった。
今、目の前に小さな少女の目の前には父親がいた。
父親は、顔を真っ赤にさせ、右手を上げると、小さな少女の右の頬を力強く叩いた。
「・・・・・っ。」
殴られた少女の右頬には、赤い跡が残る。
少女は、殴られた所を右手で押さえながら、灰色の瞳に涙を浮かべ、顔をうつむいた。
「いいか?雨宮家の人間は、明治から続く優秀な人間が集まる家系だ。なのに、お前は、いつも、いつも、失敗ばかり。どんだけ、わしに恥をかかせば、気がすむんだ!」
少女の家は雨宮といって明治から続く古い家系。
古くから優秀な政治家を輩出して来た名門一家だ。
少女、雨宮由紀子も雨宮家の一人。
雨宮家に生まれたからには、優秀な人材を育てようと、教育方針も厳しい。
少女は、昔から何をするのも不器用で、失敗が多い分、昔から親に厳しく躾けられていた。
今日も、雨宮家の主催のパーティにて、来賓のゲストに挨拶しなければいけない所、少女は、挨拶途中、横から走ってきた子供にぶつかり、こけた拍子にテーブルに置いてあったジュースを来賓の服にかけてしまった。
おまけに、横から走ってきた子供もお得意様の企業の会社の息子。
少女は、不運が重なり、パーティが終わるなり、何もない部屋に父親に連れてこられ今に至る。
(・・ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。)
おかげで父親に恥をかかせてしまった。
あの後、来賓の方々にどう対応したんだろうか。
怒って帰ったかもしれない。
少女は、自分のせいで雨宮に泥を塗ってしまった事を後悔していた。
「とにかく、一週間。ここから一歩も出るな。食事は、ここに持ってこさせる。ここで、反省しろ。」
ばたんっ。
父親は、勢い出ると、部屋から去った。
一週間、少女にとって悪夢の日が続いた。
外にも出れない。
家を自由に歩き回る事が出来ない。
話し相手もいない。
「ごめんなさい・・・。」
少女の小さな呟きは、誰にも届かなかった。
「お嬢様っ。」
誰かが呼び声がする。
******
「お嬢様。起きてください。」
彼女が目を覚ますと、自分の部屋だった。
(よかった・・・。)
悪夢が終わった事に彼女は、ホッとした。
「おはようございます。・・・・・また、あの夢を?」
彼女のベットを心配そうに覗くのは、彼女の家の使用人だった男。
名前を峰山。
外見は、白髪が目立ち、顔には、白い髭があり、温厚そうな初老の人物だった。
彼女を地獄の家から救ってくれた人だった。
「・・・うん。隠し事できないな。峰山には。」
ちなみにあの夢は、毎日、繰り返される。
最初は、何でもないように取りつくろっていたが、毎日、うなされている彼女を見て、おかしい事に気がついたらしい。
洗いざらい彼に事の顛末を吐かされたのだ。
「そりゃあ。だてに使用人やってたわけでは、ないですから。隠し事は、なしですよ?由美子様。」
彼は、にこっと、彼女に微笑みかけた。
(なんだか、脅しているように見えるのは、気のせいか?)
「わかったから。それより、おなかすいた。峰山、朝食はできてるか?」
「ええ。できてますよ。・・・ですが。」
彼は、突然、ため息をついた。
「・・・・・。どうして、亨が朝からいる?しかも、食べてるし。私は、まだ食べてないんだけど・・。郁ちゃんの所で食べないの?」
リビングには、一足先に来客がいた。
彼の名前を山脇亨。
彼女の部屋の上の階に住むマンションの住人である。
漆黒の瞳と、髪。
今日の彼の服装は、
ちなみにリビングのテーブルは、四人用。
彼女の使用人が作った料理が所せましと、並べられ、それを彼は、食べていた。
「昨日から郁ちゃんが口利いてくれないんだ。俺、何かしたのかな。おかげで家も入れてくれないし・・。」
亨は、料理が苦手なようで最近引っ越してきた隣の部屋に住む郁にご飯を貰いに行ってるらしい。
「だから、それは、亨が郁ちゃんに何か言ったんじゃないのか?・・・で、それが、なぜうちにいる事につながる?」
彼女にとって、はた迷惑な話である。
「まあ、気にすんな。あっ。もうすぐ、仕事の時間だ。じゃあな。」
彼は朝食を食べ終わると、椅子から立ち上がり、そそくさと玄関に行き、部屋を出た。
「・・・結局、はぐらかされたし・・・。あんなのが、話題の俳優なんて、全国の女性の皆さんは、彼の私生活を知ったら、悲しみますよ・・・。」
彼女は、椅子に座ると、朝食を食べ始めた。
「しかたないですよ。彼は、テレビと、だいぶギャップがありますからね。知らないほうが、幸せなのかも、しれません。」
峰山は、カップに紅茶を入れながら、答えた。
「この分じゃあ、郁ちゃんは、毎朝、大変ですね。」
********
ただいま午前七時半。
「あっ。おはようございます。由美子ちゃん。峰山さん。」
彼女の名前は、笹木郁。
彼女の部屋の上の階に住む栗色の髪と琥珀色の瞳が印象な女性である。
ちょうど、大学に向かう所だったらしく、駐車場にあるゴミ捨て場でばったりと出くわした。
「おはよう。・・・それより、郁ちゃん。どうして、亨と喧嘩したんだよ?おかげで優雅な朝食が台無しにされたんだけど・・。」
彼女は、不機嫌そうに話す。
「へ?あいつ、由美子ちゃんの部屋にきたんだ。ご愁傷様。」
郁は、悪びることなく、にこりと笑った。
「ちなみに、喧嘩したんじゃなく、昨夜は入れないようにしてみたんだ。いつも、家の中いれたくないし・・。たまには、優雅に食事させてほしいし。」
どうやら、郁は、彼女なりに苦労があったようだ。
「だからって、困るのだが。・・・聞いてる?郁ちゃん。」
話している途中、別の事に気がいった郁に、彼女は怪訝そうに聞く。
「いけないっ。もう行かないと。じゃあね。由美子ちゃん。」
当の郁は話の途中で時計を気にして、時間がないのか申し訳なさそうに言うと、背を向けて歩き出してしまう。
「いってらっしゃい・・。」
彼女は、背を向け歩き出した郁に聞えるように、送り出す言葉を告げる。
(はあ。破天荒な双子だなあ・・。)
さすが血のつながっている同士、自由でよくつかめない所は似ている気がした。
(たくっ。)
彼女は、マンションの入り口の方向に視線を送る。
本人はばれてないと思ってないのか。
さっきからこちらを伺うようにちくちく視線を送る人物に溜息をつく。
「・・・行ったみたいだよ?あんたの片割れ・・。」
彼女がこちらに気づいた事を知ったのか、おそるおそるその人物はこちらに近づく。
「正確には血がつながってるけど、今は別々の籍にいる元双子だ。しかし、怖かったー。相当、根に持ってるよ。どうしよう。」
ずどどーん
本人は相当ショックだったらしい。
とても慌てている様子。
「俺にしばらく飯なしで生活しろって言うのか???」
(落ちこむとこそこか・・っ。)
訳が分からない。
(だいたい一人暮らしなんだから自分で料理してくれ。)
峰山はにこにこと亨に料理を出しそうだが、峰山の負担が増えるのも確実。 「どうかな。とりあえずうちだけは却下だからね。それと、私だけではなく春日まで巻き込まないでくれ。困ってんだろ。」
彼女は、さっきから亨の横でおろおろと二人を見ている人物に視線を送る。
おそらく亨に付き合わされて、彼女と郁の会話を見ていたのだろう。
「・・・・・・。」
彼は亨と彼女に『二人とも喧嘩はだめだよ?』と書かれた首に紐でかかっているボードを向ける。
「えー。峰山さんの料理は美味しいのに。なんでー?」
亨は納得いかない様子。
「なんでって、峰山が大変だろ。これ以上、負担かけて倒れられたら困る。」
ちなみに10歳と18歳の会話である。
一応、10歳と幼い容姿の彼女に言い聞かされている18歳ってどうよと、彼女は突っ込みたい所だが、そこはあえてスルーして頂きたい。
「だったら、お前だって料理しないの?お嬢様は辞めたんだろ?負担掛かってる事になってる気がする。」
どきっ。
図星だった。
(今の私は・・・。)
峰山はもう年相当の年代。
いつ、どうなるかなんて分からない。
(・・峰山のお荷物だなんて、昔からだよ。)
なにも言い返さない彼女の様子が気になったのか、
『亨、言い過ぎ。』と書かれたボードを亨に向ける彼の表情は、・・怒りが含まれていた。
亨は彼のボードに書かれた内容を見て、「・・・・ごめん。・・俺も人のこと言えないな。」とぼそっとつぶやく。
ただならぬ空気が流れてきたので、「とにかく、郁ちゃんと仲良くしてね?」と言って、彼女は入り口に向かって歩き出した。
「あいつが雨宮由美子・・・・か。」
彼女は知らない。
遠くから彼女を見ていた黒い影があった事を。
「・・今度はあいつね。果たしてどうなるやら。せいぜい楽しませてくれるといいんだが。俺様は今、暇でしかたがないからな。」
影は口角をを釣り上げと、どこからどもなく巻物を取り出すと、巻物を広げた。
巻物には、文字が並んでおり、ある部分の文字だけ紫色に光っている。
そこには、『アマミヤ ユミコ』と書かれていた。
「しかし、おもしろい。あいつまでいるとは・・な。まあ、笹木郁が住んでいるマンションだしな。おっ。おでましか。」
影は巻物を畳むと、こっちに気づいて走ってきた人物に愉快そうに視線を送る。
「お前・・・郁じゃないだろ?死神か。」
その人物は先程の子供っぽい表情とは違い、目が細められ無表情。声も先程とは違い一オクターブ低い。
「・・ご名答。久しぶりだな・・・亨。」
*********
くるりっ。
くるりっ。
ごぶさたです。
死神に伝える妖精どくろです。
またまた、彼女がマスターに乗っ取られたので、でてきました。
さて、物語は、一年後。二〇〇九年五月四日。
現在に突入しました。
今回の主人公は、雨宮由美子さん。
とあるマンションに住む訳有なお嬢様です。
前回の主人公は、って?
ふふ、この物語は、主人公が一人と言う訳では、ありません。
主人公は複数いて彼女は、その一人に過ぎません。
ですが、主な主人公は一応、郁ちゃんです。
この物語に所々、出てきて、鍵となる人物の一人です。
なんせ、マスターが取り憑いてますから・・。
さて、最後にマスターが何か訳分からない事、言ってますが、ここで私が解説をしますね。
マスターが読んでいた巻物は、『レコード』と言って前回、話した『死の試練』を該当する者達が掲載されているリストの事です。
死神王の使いがマスターの所にやって来た時に貰ったそうです。
彼らは、深い『心の闇』を持っていてある日、突然ささいなことでも、それが表にでてきてしまいます。
そうなった時、『レコード』と呼ばれるリストに載っている該当人物の名前が紫色に浮かび上がるのです。
今回の場合、夢でしょうか・・。
ちなみに一年経った間にも、何人か『死の試練』受けてます。
克服した人は、一人のみ、ですが・
さあ誰なんでしょうねぇ・・?
それほど険しい試練なのでしょうか。
わかりません。
だって、まだ始まったばかりですから。
つづく
こんな作品ですがよろしくおねがいします。