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キズとばんそうこう  作者: パフェiwashi
5/5

#5 知ってしまった味

ちょうど彼女と会話をしなくなっていた時期、私には二年生にして小学校生活初めての男友達ができた。彼は二年生とは思えないような貫禄があり、何より私とは全く縁のなかった「カリスマ性」を彼は備えていた。

当時も現在も私はあまり体格に恵まれず、年の割に死線を潜り抜けてきたかのような強靭そうな見た目の彼に対し、憧れを抱いた。


彼のカリスマ性は彼の純粋な野心を間違った向きに走らせ、このクラスでこれから起こる大半のいじめの主犯格に彼を成長させてしまったのだった。


彼はそのカリスマ性を無意識に見せびらかし、私だけではなく次々とクラスメイトを自分の輪の中へ引き入れ、事実的に彼はクラスの"長"になった。


そして事件は起こった。


彼は自分の意見に賛成しなかった取り巻きの中の一人を良く思わず、


「あいつ、無視しようぜ。」


ぼやくように私らにつぶやいたたった一言、これが彼による沼の始まりだった。私はまるで制裁が下ることが至極当然かのように彼に賛同した。何一つ彼の決定に異論はなかった。この時から私のずるく惨めな生き方が始まってしまった。一方で、周りの子も同意したことにより、彼の意見が絶対になるという真実が生まれてしまった瞬間だった。


彼に賛成しなかったその子はそれから数日の間私を含む彼らから無視され続けた。


何日かたったある日、学校に来た直後、その子は泣き出してしまった。理由は明白である。私はその子のもとへ行き、彼に謝るよう説得した。何を説得していたのだろうか。今目の前で辛さに耐えられず孤独から心が張り裂けそうになっているこの子は何か悪いことをしていたわけでは決してない。一言意見を述べただけなのである。それなのに私は彼に媚びへつらえと謎のことを提案し、その子は今を変えられるならと登校してきた彼にすぐに謝った。私がこの時謝らせてしまったことが彼をさらにいじめのカリスマへと助長させ、彼は弱いものをいじめる優越感の味を覚えてしまった。


地獄の日々の始まりである。

#5 知ってしまった味 を読んでいただきありがとうございます。物語は一気にダークな方向に向かっておりますが、私は内心読者の皆さんにこのように文学を通じて接することができるのがとても嬉しいです。

世間では徐々に春休みに近づいており、趣味や好きなことに充てられる時間も増えてきたのではないでしょうか?私は最近筋トレを二日に一回ほど行うことが習慣になっています。雑談ですが、筋トレや軽い運動は週三回ほど行うことが健康につながるそうです!自粛期間が少しづつ収まりつつありますが、お家でできることで健康を維持できれば短時間でできて楽ちんで良いですよね(^▽^)/


今回も読んでいただきありがとうございました。感想・コメント随時募集しておりますのでお気軽によろしくお願いします!

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