カミュ、訪問する。
村に永住する準備をします。挨拶に行きました。
「ありがとうカシアスさん。ではこれから村やその周りを散歩しながら村長さんのところに行ってくるよ。村長さんの家を教えてくださいね。」
カミュはカシアスに村長の家の位置を書いたメモを書いてくれるように頼んだ。
カミュはカシアスの書いてくれた地図を元にアイナ村村長宅を訪ねた。
アイナ村村長宅は、村長宅とは思えぬ質素な造りで、他の住民の家より少々広い所々繕ったところのある家であった。
、
村長はカミュを快く家に招き、応接間に通した。
「私がこの村の村長のジェリマウアーです。見かけぬ顔だが、この村に何をしに来たのかね。」
「私は王都から来ました魔法使いのカミュと申します。王都より移住する為にこの村に参りました。」
「この村は御覧の通り貧しい何もない村です。なぜわざわざこの村に来たのですか。」
「魔法の研究をする為に。王都にいると何かしら用事があってなかなか研究する時間が取れませんので。」
「魔法使いとおっしゃっていましたね。この村には魔法を使える人間が居ません。この村に来たとしても色々とお願いしたいことがあり、研究が出来ないかもしれませんよ。」
「そのあたりのことは考えました。住まわせて頂けるとしたら、そのお礼として私が魔法使いとしてできることはお手伝いいたしましょう。ただし、お手伝いはできれば半日として頂きたいのです。私は午前中、自分の研究を行い、午後からは、有れば村の手伝いを、無ければ自分の研究を続けるという暮らしがしたいと思うのですが、いかがでしょうか?もちろん村に大事が起きた場合は、それが解決するまでは村の事を優先でお手伝いします。村の規則があれば教えて頂ければ当然それを守りますし、魔物退治や盗賊退治であれば優先して魔法使いとして手伝います。」
「それでいいのであれば、この村に是非住んで頂きたい。錬金はお出来ですか。お出来であれば研究の合間でいいので薬を作って頂けませんか。もちろんお金は支払いますので。」
「適宜でよいのであれば錬金の研究の合間にでも作りましょう。お金よりはあまりの作物を頂けければと思います。」
「ありがとうございます。ここはイナバーン国最北の地。寒くなると体調を崩す人間が多い。本当に助かります。」
「村長さん。薬は作るよりも材料を採取する方が時間がかかります。材料採集を村の方に手伝って頂いて私は錬金に専念できれば短時間で大量に作ることが可能です。」
「そうですか、その時はカミュ殿に必要な薬草の種類、量を事前に聞いて、村人である程度お手伝いしましょう。」
「よろしくお願いします。で、村長、住む場所なのですが、魔法の本、実験設備の場所なども欲しいので、ある程度の広さの土地が必要です。昨日カシアスさんに聞いた南側の村の入り口あたりの空き地を見てきたのですがちょっと狭いです。できれば村外に家を構えて、必要な時に村に入れて頂けるようにしていただければありがたいのですが」
「あの空き地を500万ゼニーで買ってくれませんか。そうすればそのお金で、農家の村民にあたらしい鍬を買うことができるのです。」
「いや、ちょっと狭いので勘弁してください。では、村外に住居用に開拓した土地の所有を認めてもらうということで300万ゼニーを支払います。それでどうでしょう。」
「いや、村の外に住まわれるのであれば、村の土地ではないのでお金は必要ないです。」
「わかりました。では、家が完成するまで「羊の休息」亭に居ます。家が出来ましたらご連絡いたしますので見てください。今後この村の一員としてよろしくお願いします。」
「魔法使いがうちの村に来てくれて嬉しいです。こちらこそよろしくお願いします。」
村長にこの村の住人と認めてもらえた。カミュは村長宅から立ち去った後、村人に今後この村の一員となる魔法使いのカミュです、と自己紹介しながら村を見て回った。
この村は貧しい。農民は何度も壊れたと思われる鍬で畑を耕し、商人は数の足らない素材から一生懸命出来るだけ多くの商品を作ろうとしている。でも、みんな一生懸命に生きている。
苦しい生活を行っていても、カミュが挨拶すると明るく返事をしてくれる。
カミュは研究を行いながら、この村の為に出来ることが有ればなんでもしようと思った。
一通り村を見学した後、カミュは「羊の休息」亭に戻った。
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